5,900円以上ご購入で送料無料! - 5/22(水)16:00まで

cotta column

お菓子・パン作りの知的好奇心を満たす情報メディア

共立てと別立ての違い

date
2017/01/19
writer
mamiko
category
お菓子作り

作り方の違いで出来上がりは変わるのか検証してみた

共立てと別立て。お菓子作りが好きな方なら、もうこの言葉の意味はご存知ですよね。

そう、二つは卵の泡立て方法のことで、読んで字のごとく、前者は「卵黄と卵白を分けずに共に泡立てる方法」、後者は「卵黄卵白それぞれ別々に泡立てる方法」のことを言います
。共立てと別立て、いつもレシピに書いてあるように作ってはいるものの、実際にどんな違いがあるの?どんな差が出るの?もしかしたら、説明できる方は少ないかもしれません。私も然りです。

そこで早速、お菓子作りの基本、ジェノワーズ(スポンジ生地)を二つの方法で作ってみて、その差を比較してみることにしてみました!
20170113_mamiko_7

ジェノワーズで実験

材料(直径15cm1台分)

卵黄・・・40g
卵白・・・80g  共立ての場合は同じボウルに測ってOKです。
グラニュー糖・・・78g
薄力粉・・・66g
バター・・・20g
牛乳・・・10g
*今回は正確な実験結果を出すために、共立ての際にも卵黄の重さと卵白の重さを各々計量し、全て同じ状況に揃えました。
20170113_mamiko_1

左:別立て 右:共立て

共通の下準備

・粉は2度ふるっておく。
・バターと牛乳は同じカップに入れ、湯せんで溶かし温めておく。
・型に合わせてカットしたオーブンシートを敷いておく。
・オーブンを170度に予熱する。

簡単な手順

1.卵を泡立てる。
20170113_mamiko_2
 
20170113_mamiko_3
2.粉を入れる。
3.バター、牛乳を入れる。
4.型に流し入れ、約30分焼成する。
20170113_mamiko_4
*共立ての際には、卵液(卵+糖)を湯せんでひと肌まで温めてから泡立てます。
*別立ての際には、卵黄の方に一握りの糖を入れ、残りは3回に分けて、卵白に入れます。

実験結果~共立てと別立ての違い~

膨らみ

焼きあがりはどちらも同じくらいの高さ。別立てのスポンジのみ冷めた時に少ししぼんでしまい、結果側面にはしわが寄り、高さも低くなってしまった。
20170113_mamiko_6

断面の気泡

別立ての方がやや大きく、共立ての方がきめ細かい印象。20170113_mamiko_7

食感

若干ではあるが、共立ての方がもろく、口どけが良い印象。生クリームをサンドしショートケーキに仕上げてしまえば大差を感じない。どちらもおいしい(笑)。

共立てと別立て、使い分ける必要なし?

おいしさに差がないなら、泡立て方法を変える必要はないんじゃない?
そう思われてしまうかもしれませんね。

シフォンケーキで追加実験

実は上の実験の後、本来別立てで作るシフォンケーキも、共立て別立て、二つの方法で試してみました。もちろん配合は全く一緒です。
20170113_mamiko_8

実験結果

今度は出来上がりを待つまでもなく、作っている過程で、色々な気付きがありました。

シフォンケーキにはジェノワーズよりも多くの水分と油分が入ります。その為、卵黄に全ての材料を加えしっかりと乳化をさせた後に、力強く泡立てた卵白で気泡を足していくようなイメージなのです。

しかし、共立てだと、泡立てた卵に重たい液体を加えることになり、せっかく作られていた気泡が潰されてしまい、卵白の水分で乳化も難しい印象でした。

共立てで作ったシフォンケーキも美味しく頂きましたが、やはりその特性から、シフォンケーキは別立てで作ったほうが断然美味しいと思いました。

共立てと別立てはお菓子の特性に応じて使い分けが必要

シフォンケーキで気付いたように、お菓子にはそれぞれの特性があり、その特性を最大限に引き出すために共立てと別立て、二つの方法を使い分ける必要があります。以下は私が製菓学校で習った知識をもとに、共立て、別立てで作り分けるお菓子について少しまとめてみました。

共立て

・ジェノワーズ・・・きめが細かく、かつ口どけの良い「もろさ」が最大の魅力。

別立て

・ビスキュイ・・・卵黄、卵白別々に泡立てるので、配合も自由自在に操れる。
         求めるメレンゲを作ることにより、求める食感を再現しやすい。
・シフォンケーキ・・・しっかりとコシのある中に大きな気泡を抱いているふわふわの生地が魅力。

おまけ

20170113_mamiko_9
今回この記事を書くにあたって色々と検索した結果、実はジェノワーズは別立てで作る方も多いよう。理由としては、卵白は、「全卵よりも泡立てやすいから」だそうです。

確かに、メレンゲは手で簡単に泡立つ一方、全卵はハンドミキサー等がないと、なかなか泡立ちません。それに、レシピにも記載しましたが、泡立ちにくいがゆえに、湯せんで温めたりなどする補助作業が必要になります。初心者さんだと、その温度の見極めや、泡立ち終了の見極めも難しいようです。

私が実際に食した結果では、同じ配合だとどちらも大差なく美味しく頂けましたので(笑)、初心者さんは、別立てからチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね^^

【おすすめの特集】ショートケーキレシピショートケーキレシピの特集はこちら
date
2017/01/19
writer
mamiko
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

ブログ「mamikono。~ハレの日のお菓子~」主宰。ハレの日を彩るような、かわいくておいしいお菓子を作っています^-^

コメント

nattougohanさん

2018/05/16 19:27

全卵でシフォンケーキを作って成功はしたんですが、別だての時の様に お酢を足して作りました。 全卵の場合でも お酢の意味はあるんでしょうか?

cottaスタッフさん

2018/05/21 13:01

nattougohan様 こんにちは。cottaです。 コメントを書き込んでくださり、ありがとうございます! 今回はライターのmamikoさんからではなく、cottaスタッフから返信をさせていただきます。 メレンゲを作る時にお酢を入れる理由は、酸性のお酢を加えることで、アルカリ性の卵白を中性に近づけ、起泡性と安定性を高めるからです。 全卵の時には、お酢を入れる必要はないかと思います(*^^*)

この記事にコメントを書く

コメント

ニックネーム

※ コメント反映までにお時間をいただきます。コラム内容に関係のないコメントや、個人的なご相談などは公開を控えさせていただく場合がございます。

おすすめのコラム

冷凍パートフィロで簡単再現♪あのチョコがけクレープクッキーのレシピ

ロングセラーの“あの”お菓子を再現しよう幾重にも重なった繊細なクレープ生地を、やさしい甘さのココアクリームでコーティングした超ロングセラーのあのお菓子。私も大好きな一品です。今回はパートフィロという生地を使って、手軽に再...

お菓子作り初心者さんに伝えたい!下準備のちょっとしたコツ

レシピには書かれていないけれど知っておきたいコツお菓子作りに慣れている方にはなんでもないことでも、初心者さんは知らないことって意外にあるものです。今回は、知っていると作業が楽になる、下準備のちょっとしたコツをお伝えします...

特別な道具不要のおいしいおやつ かりんとうの作り方

かりんとうを作ろう奈良時代が起源ともいわれている長い歴史を持つお菓子、かりんとう。今、わたしたちが食べているような形になったのは、明治時代の初めごろ。日本人なら誰でも知っているかりんとうですが、“自分で作れる”ことはあま...

材料3つ!みかんゼリーのレシピ【パウンド型とみかん缶詰で簡単】

夏のおやつにぴったり!簡単みかんゼリーを作ろうみかんの果実がたっぷり入った透明感のあるゼリーは、味も見た目も暑い時期にぴったりですよね。今回はみかんの缶詰を使ったお手軽ゼリーを、パウンド型で作るレシピをご紹介します。みか...

キャラメルシフォンケーキのレシピ・作り方

しっとりふわふわ♪リッチなシフォンケーキを作ろうほろ苦いキャラメルの風味が魅力のキャラメルシフォンケーキ。今回ご紹介するレシピは、しっとりふわふわのバニラ生地に生クリームを塗り、たっぷりのキャラメルソースをかけて仕上げる...