ババとサバランの違いをご存じですか?
「ババとサバラン、どちらがお好き?」
そう聞かれても、違いが分からないという方がけっこういらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいえば、味は同じです。
今回は、ババとサバランについて詳しく解説します。
ババとサバランの違いは?
ババもサバランも発酵させた生地を焼き上げて、洋酒の効いたシロップに浸したケーキです。
強いて違いをいうなら、「定番の形」。
ババはコルク形で、サバランはリング形。
といっても、今はさまざまな形のババとサバランがありますから、違いはないといえそうです。
それぞれの由来を見てみましょう。
ババとは
ババの原型は、18世紀のロレーヌ公国(フランスのロレーヌ地方やドイツの一部などからなるかつての国)で誕生したパン菓子。
一説では、その国を治めていた公爵が、乾燥してかたくなったパンをお酒に浸して食べたところおいしかったので、それをもとにお菓子を作らせたといわれています。
公爵はそのお菓子をとても気に入って、愛読書『千夜一夜』の主人公の名を取って『アリ・ババ』と呼びました。それがやがて、パリやイタリアのナポリに伝わり、改良が重ねられて、ババとして人気を博すようになったのです。
サバラン
サバランはババをもとにして作られたケーキ。「サヴァラン」と表記されることもあります。
19世紀半ばに、有名な美食家のブリア・サバランに捧げるお菓子として誕生して、やがてサバランと呼ばれるようになりました。
基本のババレシピ
基本となる、本格的なババを作ってみましょう。
ラム酒をたっぷり使った香り高い大人のケーキです。
材料(プリンカップ5個分/直径55mm・高さ54mm・容量110ml)
- 強力粉…85g
- 砂糖…10g
- 塩…3g(小さじ1/2)
- ドライイースト…2g(小さじ1/2)
- 卵1個と牛乳合わせて…80g(常温にしておく)
- バター…25g(常温にしておく)
- 水…200ml
- レモン汁…大さじ1
- 砂糖…90g
- ラム酒…70ml
- 生クリーム…少々
- バター(型用)…適量
作り方
- 強力粉・砂糖・塩・ドライイーストをボウルに入れて、混ぜる。
- 卵と牛乳を加えて、よく混ぜる。
- 粉気がなくなったらバターを加え、表面につやが出てなめらかになるまで練る。
- 生地をまとめてボウルに入れ、ぬれ布巾をかけて、暖かい場所で発酵させる。
- 2倍に膨らんだら、発酵終了。
- 打ち粉をした台に生地を取り出し、5等分して丸める。
- バターを塗った型に入れ、暖かい場所で発酵させる。
- 型の縁まで膨らんだら、発酵終了。
- 190℃に予熱したオーブンで15分間焼いて、型から外して冷ます。
- 鍋に水・レモン汁・砂糖を入れて沸騰させ、砂糖が溶けたら火を止める。
- ラム酒を加える。
- 冷ましておいた生地を温かいシロップに漬ける。
- 皿に盛りつけ、好みでホイップクリームをトッピングすれば完成。
*35℃で約90分間を目安に。
*生地が乾燥しないように、必要に応じて霧吹きで水をかける。
*40℃で約60分間を目安に。
*しばらく浸したら、上下を返して全体にシロップが染み込むようにする。
「ババ」の詳しいレシピページはこちら。
お酒に弱い人のためのシロップ
一口食べれば、芳醇なラム酒がじゅわっと口の中に広がるババ。
これほど香り高い味わいのケーキは他にはない、といってもいいぐらいです。
でも、お酒に弱い人にとっては油断ならないケーキ。
酔っ払ってしまいそうで食べられないということなら、シロップを変えてみましょう。
お酒は風味付け程度に少しだけ。
お子さま用なら、お酒を抜いてくださいね。
オレンジ風味のシロップ
材料
- 水…250ml
- 砂糖…80g
- レモンスライス…5枚
- オレンジ果汁…半個分
- グランマルニエ…10ml
作り方
- 鍋に水・砂糖・輪切りにしたレモンを入れて沸騰させ、砂糖が溶けたら火を止める。
- オレンジ果汁とグランマルニエを加える。
アレンジレシピ:小さなサバラン、大きなサバラン
サバランといえば、日本では一人分の小さなリング形が一般的です。
焼きドーナツ型などを使用して生地をリング形に焼けば、上記のババのレシピでサバランを作ることもできます。
一方、海外のレシピを眺めると、エンゼルケーキ型などで大きなリング形に作って、切り分けて食べるサバランをよく見かけます。
中央にフルーツをたくさん飾れば、迫力満点のバースデーケーキにもなりそうです。
伝統スイーツを自分好みに
今回は、ババとサバランについて詳しくご紹介しました。
洋酒入りシロップがじゅわっと口の中に広がるババとサバラン。
お好みのシロップでぜひ作ってみてくださいね。