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ビスキュイキュイエールとは | 基本レシピとポイント

date
2019/04/23
writer
nyonta
category
お菓子作り

お菓子の土台となる生地、ビスキュイキュイエール

さまざまな生地を組み合わせて作る洋菓子。土台となる焼成生地にもたくさんの種類があります。

その中でも今回は、別立て生地であるビスキュイキュイエールについて詳しく解説していきます。

ビスキュイキュイエールとは

ビスキュイキュイエールとは、「パータ・ビスキュイ」というカテゴリに含まれ、卵を別立てで作る生地の一つです。
ちなみに、共立てで作る生地はスポンジケーキでおなじみの「パータ・ジェノワーズ」。

基本的な材料は卵・砂糖・粉。油脂類が入らない分、軽い食感に仕上がります。
泡立てたメレンゲの中に卵黄と粉を入れ、絞り出して焼くのが一般的。

焼く前に粉砂糖を振るのが特徴の一つで、これにより生地表面に細かい粒状の砂糖の膜ができ、表面はカリッと、中はふっくらとした食感に焼き上がります。
この粒状の膜のことを「真珠」になぞらえてフランス語で「ペルル」と呼びますが、見た目の美しさだけではなく、生地の焼き上がりや食感にも大きく影響するものなのです。

名前の意味は?

「ビスキュイキュイエール」はフランス語。正式には、「ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール(biscuit à la cuillére)」と呼ばれています。

「ビスキュイ」はフランス語で、「bis=二度」「cuit=焼く」という意味。「cuillére=スプーン」で生地を落として焼いていたことから、名前が付いたといわれています。

元々は焼いたパンを再度焼いて水分を飛ばし、保存性を高めて、軍隊の航海用保存食として用いていたよう。
現在では、スティック状に絞り出した形から「フィンガービスケット」と呼ばれることもあります。

基本のビスキュイキュイエールの作り方

お菓子作りの基本ともいえる別立て生地。しっかりマスターしましょう。

材料

  • 卵…1個
  • グラニュー糖…30g
  • 薄力粉…30g
  • 粉糖…適量

下準備

  • 卵はよく冷えたものを使い、卵白と卵黃に分ける。
  • 薄力粉はふるう。

作り方

  1. 卵白にグラニュー糖を少しずつ加え、ハンドミキサーの高速でメレンゲを作る。
  2. ツノがピンと立つまでしっかりと泡立てばOK。
  3. ほぐした卵黄を加え、ゴムベラで混ぜる。
  4. 卵黄が完全に混ざる手前で薄力粉の半量を加え、気泡をつぶさないようゴムベラで切るように混ぜる。
  5. 粉が完全に混ざる手前で残りの薄力粉を加え、さらに混ぜる。
  6. 薄力粉がきれいに混ざったら生地の完成。
  7. *気泡がつぶれてダレやすいので、混ぜ過ぎに注意してください。

  8. 口径10~12mm程度の丸口金を付けた絞り袋に生地を入れ、シルパットなどを敷いた天板に間隔を空けて絞る。
  9. 茶こしで粉糖を2回振り、180℃に予熱したオーブンで約13分間焼く。
  10. 焼き上がり。
  11. 表面はカリッと、中はふっくらした食感。表面にはペルルができています。

お菓子の土台に使うのはもちろん、ビスキュイ生地に好みのジャムを挟んで食べたり、アイスを絡めて食べたりしてもおいしいですよ♪手軽なおやつになるのでぜひ。

卵黄を泡立てる場合もある

レシピによっては、卵黄も泡立てて作る場合があります。
卵白だけでなく卵黄も泡立てることによって、よりふんわりと軽い食感に。

上記と同じ分量で、卵黄泡立てバージョンも作ってみました。

作り方

  1. 卵黄にグラニュー糖の1/3量を加え、白っぽくなるまで立てる。
  2. 残りの砂糖と卵白でメレンゲを作ったら、卵黄のボウルに少量加えて混ぜる。
  3. 2をメレンゲのボウルに戻し入れ、薄力粉を2回に分けて加え混ぜる。
  4. 後の工程は上記と同じです。

お好きなほうで作ってみてください。

レシピのポイント

メレンゲの力がとにかく重要なこの生地。しっかりとしたメレンゲを作り、粉を入れた後は混ぜ過ぎないことがポイントです。

混ぜ過ぎてメレンゲの気泡がつぶれたらどうなるのか、ちょうど良い状態に仕上がった生地と、混ぜ過ぎてしまった生地を比較してみました。

絞った生地を比較

同じ大きさに絞っても、混ぜ過ぎた生地はダレて横に広がってしまいます。

焼き上がりを比較

ちょうど良い状態の生地はふっくらとしてペルルもきれいです。一方、混ぜ過ぎた生地は表面が割れてしまっています。

横からの画像を見ても違いは顕著。
ちょうど良い状態の生地は上に膨らんでふんわり。混ぜ過ぎてしまった生地は失敗したマカロンのようにぺったんこに。

粉糖を2回振振るのはなぜ?

1回目に振る粉糖は、2回目に振る粉糖を接着するのが目的。
2回に分けず、一度に大量に振ってしまうときれいなペルルができません。

ペルルができることによって、外側と内側の食感に違いが生まれます。
実際に食べ比べたところ、粉糖を2回振ったものが最も内側ががふっくらしていて、粉糖なしのものは乾いた食感でした。

ビスキュイキュイエールを使ったおすすめレシピ

ビスキュイキュイエールは、ティラミス・ロールケーキ・シャルロットなど、いろいろなお菓子に使えます。

今回は生地を丸く絞ったブッセのレシピをご紹介。生地に紅茶葉を加えてアレンジしています。

紅茶とオレンジのブッセ」の詳しいレシピページはこちら。

 
ココアや抹茶など香りのいい素材との相性も◎ いろんなアレンジが楽しめるのも、ビスキュイキュイエールの魅力の一つですね。

ビスキュイキュイエールを極めよう!

パータ・ビスキュイの中で最もポピュラーなビスキュイキュイエール。
基本を極めて、いろいろなお菓子に使ってみてくださいね!

【おすすめの特集】ブッセレシピブッセレシピの特集はこちら

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2019/04/23
writer
nyonta
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

製菓学校卒業後、ホテルやケーキ屋さんで働いていた経験を活かして、毎日楽しくお菓子作りしています。旬の食材で作る季節感のあるお菓子が大好きです!

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