レシピには書かれていないけれど知っておきたいコツ
お菓子作りに慣れている方にはなんでもないことでも、初心者さんは知らないことって意外にあるものです。
今回は、知っていると作業が楽になる、下準備のちょっとしたコツをお伝えします。
バターを常温に戻すときのカット方法
お菓子作りをする上で大事な下準備の一つ、バターを常温に戻すという作業。
レシピでは「バターを常温に戻しておく」と簡単に書かれていることが多いですよね。
バターは大体20℃くらいのとき、スムーズにクリーム状にすることができます。
「20℃くらいがよい」や「レンジに短時間かけてやわらかくする」と書かれているものもありますが、状態や方法が詳しく書かれているものは少ないのではないでしょうか。
例えば、バター100gを常温に戻す場合。
画像のように100gにカットしたものを塊のままボウルに入れて常温に戻す。
決して間違いではありません。
ですが、100gのバターを薄くスライスして重ならないようにボウルに入れ、常温に戻すのをおすすめします。
このほうが短時間で、なおかつ均等に常温に戻すことができるからです。
同じ時間でバターの状態を比較
塊のバターとスライスしたバターを同じ時間置くと、バターの状態にどのくらい差が出るのか比較してみましょう。
条件
- 100gの塊と、100gを1cmほどの薄さにスライスしたバターを用意。
- 冷蔵庫から出した時点では、バターの温度は11℃。
- 19℃の室温に3時間置く。
塊のもの
指で押してみると、周りの部分は指がすっと入るのですが、中心部は入りません。
表面温度を測定してみると20.7℃ですが…、
真ん中でカットして中心部の温度を測定したところ、17.8℃という結果に。
表面温度と中心部の温度では、3℃も違いがありました。
スライスしたもの
指で押してみると、スライスしたものはどこを押しても指がすっと入るやわらかさ。
こちらは、どこを測っても20.2℃でした。
やわらかい部分とかたい部分があると、この後の作業で差が出てくる原因に。
混ぜるのに力を入れなければいけなかったり、泡立て器の中にかたい部分が入り込んで出てこなかったりと時間がかかってしまいます。
さらに卵を加えるレシピでは、バターの温度が低いと分離してしまう可能性も。
ボウルに入れず、ラップに包んで室温に置いておく場合も、やはり薄くスライスしておくと良いでしょう。
レンジを使う場合は?
レンジでやわらかくする場合も、塊のままだと熱の入り方に差が出てしまいます。
全体をやわらかくしようとすると一部が先に溶けてしまう可能性があるので、均等な厚みにスライスしましょう。
全卵を計量するときの溶きほぐし方
全卵をグラムで計量するときに、多くなってしまったり少なくなってしまったり、うまく量れないという経験がある方も多いのではないでしょうか。
用意した全卵は、画像のように卵白の塊が残ったままの状態ではありませんか?
実は、この状態がうまく量れない理由です。
お料理では卵を軽く溶きほぐして使うことが多いと思いますが、お菓子作りではNG。
きっちりと計量するのが必要なお菓子作りでは、よく溶きほぐすことが大事なのです。
よく溶きほぐすといっても、泡立てるのではなく卵白のコシを切るようにするのがポイント。
小さい泡立て器やフォークを使い、卵白を持ち上げて下に落とす動きを繰り返しましょう。
卵白のコシが切れて、卵黄ときれいに混ざります。
うまく量れないのは、卵白のコシが切れていないのでまとまって落ちてしまうことが原因。
きちんとコシを切って卵黄と混ぜ合わせれば、簡単に量ることができるのです。
また、卵黄と卵白をきちんと混ぜ合わせておくことで、全卵の濃度を整えることができます。
ちょっとしたコツでお菓子作りをもっと楽しく
レシピには書かれていない下準備のちょっとしたコツ。
面倒に感じてしまう下準備ですが、少しでも楽にして、お菓子作りのハードルを下げて楽しんでいただけたらと思います。