お菓子作りに使うでんぷんについて知ろう!
お菓子作りに使うでんぷんといえば、片栗粉かコーンスターチを思い浮かべる方が多いのでは?
でんぷんにはたくさんの種類がありますが、それぞれ原料や特性が異なります。
今回は5種類のでんぷんの特性を知り、どのようなお菓子に向いているのか考えてみましょう。
でんぷんとは
でんぷんとは、植物が光合成する際に作られる物質で、ブドウ糖がたくさんつながってできた炭水化物。
製菓材料として使われるでんぷんの原料は、主に穀類やイモ類です。
お菓子作りにおいて、でんぷんはさまざまなことに使われます。
- 打ち粉として使う
お餅や砂糖菓子などのべたつきを抑えるのに、でんぷんは必要不可欠。
マシュマロを作るときにも使います。 - 焼き菓子に使う
でんぷんにはグルテンが含まれていないため、クッキーなどの焼き菓子に使うとサクッと軽い食感になります。 - とろみ付けに使う
でんぷんの「糊化」を利用して、とろみのあるソースやクリームを作ることができます。*「糊化」とは、でんぷんに水を加えて加熱することによって、粘りの出た状態。
お菓子作りに使うでんぷん5種類
今回は、下記の5種類のでんぷんをご紹介します。
それぞれ原料や特性が異なるので、どのようなお菓子に使うのか確認していきましょう。
- 片栗粉
- コーンスターチ
- タピオカスターチ
- くず粉
- 浮き粉
片栗粉
じゃがいもから作られたでんぷん。
元々はカタクリという植物から作られていましたが、カタクリの減少に伴いじゃがいもで作られるように。
糊化温度が低く、糊化後は透明で粘度が高いのが特徴。
冷えると粘度が低下するので、安定性に欠けます。
冷たいお菓子作りに使うよりは、打ち粉として使ったりお料理に使ったりするのに適したでんぷんです。
片栗粉は透明な仕上がりになるので、特にとろみ付けに使うのがおすすめ。
みたらし団子のタレに使うと、透き通ったきれいなタレに仕上がります。
コーンスターチ
とうもろこしから作られたでんぷん。
糊化温度が片栗粉に比べると高く、粘度は低め。
とろみ付けなどにも使えますが、片栗粉と違って透明感のない仕上がりになります。
冷えても粘度が持続するため、クリームやソースなどの冷たいお菓子に使うのがおすすめ。
アーモンドとミルクの香るブラマンジェに使うと、とろりとした優しい口当たりに。
クッキーやチーズケーキなどの焼き菓子に使うこともあり、軽い食感に仕上がります。
タピオカスターチ
キャッサバの根から作られたでんぷん。
糊化温度はコーンスターチと同じくらいで、粘度は片栗粉とコーンスターチの中間くらい。
タピオカドリンクでおなじみのタピオカパールは、このタピオカスターチから作られています。
もちもちした食感が楽しめるので、ドーナツ・ポンデケージョ・白いたい焼きなどの生地に使うのもおすすめ。
パン作りにも使えますよ。
くず粉
くずの根から作られたでんぷん。
くずを100%使用したくず粉は「本くず」と呼ばれ、非常に高価。
一般に売られているものには、さつまいもなどの他のでんぷんが含まれていることが多いです。
用途は主に和菓子。
くず粉は、その名のついた「くず餅」や「くず切り」を作る際に使用します。
プリンに使っても、トロッとやわらかくおいしい仕上がりに。
焼き菓子に使われることはほとんどなく、冷たいお菓子を作るのにおすすめ。
体を温める作用があるので、風邪を引いたときなどにくず湯として飲むことも多いですね。
浮き粉
小麦から作られたでんぷん。
糊化温度はコーンスターチより少し低く、粘度も低いです。
中華料理の蒸しぎょうざや中華菓子などによく使われます。
以前ご紹介した「ごまたっぷり!ごま団子レシピ」も浮き粉を使用するレシピ。
浮き粉はあまり流通していないので、代用するのであれば糊化温度や粘度の近いコーンスターチが使いやすいと思います。
でんぷんの特性を生かしてお菓子を作ろう!
さまざまな場面で登場するでんぷん。
一言で「でんぷん」といってもいろいろな種類があり、それぞれに適した使い方があります。
お菓子作りの材料の一つとしてでんぷんを使う際、参考にしてみてください♪