5,900円以上ご購入で送料110円 - 11/25(月)16:00まで

cotta column

お菓子・パン作りの知的好奇心を満たす情報メディア

リーンなパン・リッチなパンの違いや意味

date
2019/08/26
writer
みりんパン
category
パン作り

リーンなパン・リッチなパンの違いを知ろう

「リーン」・「リッチ」というパンの分類方法を聞いたことはありますか?

「リーン(Lean)」は「簡素な」、「リッチ(Rich)」は「豊かな・コクのある・濃厚な」という意味で、パンに使われる材料の配合の違いで分類されます。

材料がリーンかリッチかによって、製法・味・食感も異なるので、今回はその違いも見ていきましょう。

リーンなパン・リッチなパンとは

リーンなパン・リッチなパンとは、材料の配合の違いによるパンの分類です。
リーンなパンとリッチなパンに使われる材料の違いを見てみましょう。

リーン

リーンなパンは、小麦粉・イーストなどの酵母・塩・水の基本材料で作られるシンプルなパン(少量の糖分や油脂が含まれていることもあります)。

リーンなパンに分類されるパン

  • バゲット
  • パン・ド・カンパーニュ
  • チャバタ
  • プンパーニッケル(ライ麦のパン)
  • カイザーゼンメル
  • ベーグル

リッチ

リッチなパンは、基本材料である小麦粉・酵母・塩・水の他に、砂糖・卵・バター・牛乳などの副材料が使われているパン。

リッチなパンに分類されるパン

  • ブリオッシュ
  • クロワッサン
  • デニッシュ

あんパンやクリームパンなどの菓子パンや総菜パンは、リッチな生地を使用していることが多いです。

製法の違い

パン作りにおける大事な三つの工程(こね・発酵・焼成)について、リーンなパンとリッチなパンの違いを見ていきます。

リーン

こね

  • パンチで生地をつなぐなどして、あまりこねすぎない。
  • 写真のように生地にぷりんと張りは出るが、グルテン膜はやや粗く、切れてしまう程度のこね具合。

発酵

  • 酵母の餌となる糖分が少ないため、中~低温でじっくり時間をかけて発酵する。
  • 低温で長時間発酵させるオーバーナイト法が多い。

焼成

  • 色付きを助ける副材料(糖分や乳製品など)がほとんど含まれないため、焼成時には高めの温度でパリッと焼き上げる。
  • 膨らむ力が弱いため、クープを入れて膨らむガイドを作り、蒸気を与えながら焼いていく。

リッチ

こね

  • グルテンがしっかりつながるまでこねる。
  • 写真のように表面がつるんとして、グルテン膜が薄く張る程度のこね具合。

発酵

  • 酵母の餌となる糖分が豊富なので、発酵がスムーズに進む。
    うっかりすると過発酵になりやすい。
  • 酵母量の調整と温度管理が重要。
  • こね・発酵・焼成までの工程を一気に行うストレート法、パンの劣化を遅らせるために2段階に発酵を取る中種法が多い。

焼成

  • 色付きや釜伸びを良くする副材料が含まれているため、白パンなら150~170℃、ブリオッシュなら200℃前後など、さまざまな温度に対応できる。
  • あまり長い時間焼きすぎると、かたくなってしまうので注意が必要。

見た目の違い

リーン系の材料とリッチ系の材料で作った、丸パンを比較してみましょう。

リーン系はシンプルな材料で仕込んだ丸パン。
リッチ系はバターと卵黄も使ったブリオッシュ生地で仕込んだ丸パン。
分割時の生地量はどちらも58gです。

リーン

  • 焼き色が薄い。

焼き色を濃くするには、焼き時間を延ばす・焼成温度を上げる・生地にモルトを使用するなどの方法があります。

リッチ

  • 焼き色が濃い。

焼き色は生地に含まれる糖分の量が関係しています。
そのためリッチなパンのほうが、濃い焼き色が付きました。

味・食感の違い

リーン

  • 小麦本来のうまみと風味を味わえる。
  • 断面に大小の気泡が入っており、クラストがしっかりしていてかみ応えがある。
    *気泡のあるパンは、かみ応えのある食感になります。

パン自体がシンプルであるため、料理と相性が良く、主食にぴったりです。

リッチ

  • バターなど副材料の風味や甘さをしっかり感じられる。
  • 断面のきめが細かく、生地はしっとりとしていてやわらかい。
    *きめの細かいパンは、ソフトな食感になります。

甘さとコクがあるパンなので、そのままおいしくいただけるものが多いです。

食感を表す「ハード」と「ソフト」

パンの特徴を表す言葉には、「リーン」と「リッチ」の他に「ハード」と「ソフト」があります。

「ハード」・「ソフト」は食感の違いによる表現。
ハード系はリーンなパン、ソフト系はリッチなパンであることが多いですが、完全に一致するわけではありません。

たとえば、日本で好まれている食パンは、その材料から一般的にはリーンなパンに分類されますが、食感はやわらかくソフト系です。

劣化の違い

リーン

  • 焼いた当日が一番おいしいとされる。
  • 副材料を使わないため、時間がたつとパサパサした食感になってくる。

リッチ

  • 焼いた翌日になってもおいしさを保てる。
  • 保水性がある砂糖やパンをふんわりさせるバターが含まれるため、しっとりした食感が持続する。

パンの知識を深めてもっとパンを楽しもう


あなたが普段食べているのは、リーンなパンでしたか?それともリッチなパンでしたか?

パンの知識を深めて、パンを買うときや毎日のパン作りを楽しみましょう。

【おすすめの特集】パンの材料パンの材料の特集はこちら
date
2019/08/26
writer
みりんパン
category
パン作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

フルタイムで働く合間、パン作りをするのが楽しみな主婦。焼き立てパンのおいしさを、より多くの方に知っていただけるとうれしいです。

コメント

この記事にコメントを書く

コメント

ニックネーム

※ コメント反映までにお時間をいただきます。コラム内容に関係のないコメントや、個人的なご相談などは公開を控えさせていただく場合がございます。

おすすめのコラム

【混ぜて焼くだけ】簡単バナナブレッドのレシピ・作り方

完熟バナナで作るバナナブレッドバナナは一年中手に入りやすく、皮をむくだけで手軽に食べられるフルーツ。気温の高い夏は熟しやすく、うっかりしている間に皮が黒くなってしまったなんてことありますよね。そんなときはバナナブレッドを...

ドライいちじくを使ったパンレシピ

人気のドライフルーツ、いちじく果物を乾燥させたドライフルーツは、保存性が高まり、甘みや栄養がぎゅっと詰まっています。今回は、ドライフルーツの中でも人気のドライいちじく(ドライフィグ)について、効能やパンに取り入れる方法を...

生クリームの活用法としても◎ ホテルブレッドのレシピ

種類豊富な食パン“食パン”と一言でいっても、いろいろな種類がありますよね。型にふたをして焼き上げる「角食」や、ふたをせずに焼き上げる「山食」。形の違いだけではなく、生地の配合にもさまざまな違いがあると思います。今回は、食...

パウンド型で焼く レーズンとくるみの黒糖食パンレシピ

パウンド型を活用してパンを焼こう!パウンド型は、お菓子を作るほとんどの方が持っていらっしゃるのではないでしょうか。パンをよく作るという方の中にも、お持ちの方が多そうですよね。今回は多くの方がお持ちのパウンド型を活用して作...

【おやつにもGood】おすすめ菓子パンレシピ4選

手作りの菓子パンは格別のおいしさ♪子どもから大人まで、みんなに大人気のパンといえば甘い菓子パン!手作りなら、定番の菓子パンも好みに合わせて自由にアレンジできるのが魅力です。そこで今回は、おうちで楽しめるとっておきの菓子パ...