絞り袋について学ぼう
お菓子作りにおいて出番の多い“絞り”の作業。やはり気になるのは、「どうしたら上手に絞れるか」ではないでしょうか。
でもそのためには、絞り袋の使い方が大事!
今回は上手に絞るための第一歩でもある、「絞り袋の使い方」についてお話しします。
絞り袋ってどんなもの?
絞り袋は、その名の通り「生地やクリームを絞るための袋」。
大きく分けて布製とビニール製があり、メーカーや素材によって厚みやかたさがさまざま。サイズもいろいろあります。
布製
コットン製(基本的に内側は防水加工)のもの、合成繊維のものがあります。
丈夫なので、絞り出しクッキーやシューなど、かたさのあるものを絞るときに特におすすめ。
使うほどに布がなじんでいくので、ぜひどんどん使ってください。
洗って使い回せますが、衛生面には注意が必要。
汚れた水の中に置きっぱなしにしない、使ったらすぐに洗うなどの気遣いが大切です。
しっかり洗って水気をきちんと取った後、よく乾かしてから保管してくださいね。
煮沸消毒や熱湯消毒は耐熱温度を確認してから!気を付けないと早く傷んでしまいます。
キッチン用漂白剤を薄めて浸したり、使用前に内側をアルコール消毒したりするのもよいでしょう。
ビニール製
購入しやすいビニール製の絞り袋はいろんなメーカーから発売されていますが、厚みや強度に差があります。
薄いものだと、かたい生地を絞ると破れて中身が漏れてしまったり、口金が飛び出してしまったりすることもあるので要注意。
袋のサイズが大きすぎれば必要な大きさにカットして使うこともでき、使い捨てなので衛生的です。
布製のものは焼成する生地やクリームに使い、ビニール製のものはそのまま食べるクリームやムースなどに使う、というように使い分けるのもひとつの方法です。
絞り袋の使い方
口金のセット方法
購入した絞り袋の先端は、切れていないかとても小さくカットされているだけなので、使用する口金に合わせて調整が必要。
ここで大きく切り過ぎてしまうと、口金が飛び出してしまい使えないので気を付けてくださいね。
はさみでカットする目安は、口金の1/3程度が出るくらい。
口金を入れて大きさを確認し、まずは小さ目にカット。それから少しずつ切り進めたほうが安心です(特にビニール製の絞り袋は、口金を押し込むと少し広がります)。
使い捨てるビニール製の絞り袋は、その都度口金に合わせてカットすればOK。
ですが布製の絞り袋は、なるべく多くの手持ちの口金に対応できるようカットする必要があります。
まずは、布製の絞り袋で使う予定の一番小さい口金に合わせてカットしましょう。
使用する口金のサイズ幅が大きかったり、サルタン口金や3D口金など大きな口金だったりすると併用は難しいため、もう1枚準備する必要があります。
カップリングを使う場合は、それに合わせて切ってください。
詰め方
絞り袋に口金がセットできたら、口金の少し手前をねじり、口金の中へ押し込んでおきましょう。
これで、絞り袋に栓ができました。
栓をしておかないと、袋に詰めたものが流れ出てしまう危険があります。
そして大切なのが、袋を外側に半分ほど折り返すこと。
折り返しておかないと生地やクリームを奥まで詰めにくく、袋の口も汚れてしまう原因になります。
ここまでできたら、折り返した部分を写真のように手にセットして、生地やクリームを詰めればOK。
詰めにくいときは、口の広い容器にセットするのも◎
袋いっぱいに中身を詰めると絞りにくく、かたいものだと絞る力が必要になり大変。
また、熱に弱い生地やクリームは、たくさん詰めると絞りに時間がかかり状態が悪くなってしまう原因にも。
詰め過ぎに気を付けてくださいね。
持ち方
中身を詰めたら、カードを使って気泡を抜くように先端部分へと集めます。
袋の口を親指と人差し指の間で握り、袋が張るように口を引っ張りましょう。
口金の栓を解き、逆流を防ぐために袋を2~3回ねじります。
袋が張っていて、片手で軽く握ればすぐに中身が出てくる状態になっているか確認を。
もう片方の手は、下から口金を支えるように。
下の画像がその見本。絞りやすいほうで大丈夫です。
袋を握り込むように持つのはNG。両手で握るような状態で絞ると、生地やクリームが温められて状態が悪くなる上に、力の微調整もしづらくなります。
下の画像はNG状態。こんなふうになっていないかチェックしてくださいね。
絞って中身の量が減ってきたらその都度引っ張り、常に絞り袋が張った状態に。
この状態をキープすることで、片手の力だけで簡単に絞れます。
絞りを中断するときは、ねじった部分から折り返して置いておくとよいでしょう。
かたくて絞りにくいときは…
中身が固くて絞りづらいときは、袋を親指に巻き付けると力が入りやすくなります。
ただしこれはイレギュラー。通常はあまりしないほうがよいので、基本の持ち方をマスターしてくださいね。
まずは基本をしっかり押さえて
上手に絞るには、まず絞り袋をきちんと扱えることが肝心。
何も考えなくても自然と正しく扱えるようになるまで、意識して作業していくとステップアップに繋がると思います!
なんとなく使っていた、という方はぜひお試しください。