5,900円以上ご購入で送料110円 - 11/25(月)16:00まで

cotta column

お菓子・パン作りの知的好奇心を満たす情報メディア

イーストの働き

date
2017/02/27
writer
KOU
category
パン作り

そういえばイーストってなんだろう?

2017_02_22_kou_1

去年の年末からパン作りがマイブームです。

手でこねて焼くパン作り。強力粉とイースト、塩と砂糖少しを混ぜ、水を加えてこねる。生地を暖かい場所で寝かせると「発酵」がすすんで、3~4倍にふくらんでいきます。粉と水を混ぜただけではもちろん膨らみません。イーストのおかげでふんわりとしたパンが食べられます。ありがとう、イースト。

ところで、皆さん「イースト」が何か知ってますか?

yeastは日本語にすると「酵母」です。酵母って何かというと「菌」の一つです。菌は、単細胞生物、つまりひとつの細胞が一つの体である小さなやつ。しかし、立派な生き物なのです。

では、なぜ、その小さな生き物が 粉と水でできたパン生地を膨らませるのか。つまるところ、「発酵」とは何なのでしょうか?

発酵は酵母の生きる力

イーストは生き物。人間と同じで生きています。つまりエサを食べてエネルギーを手に入れます。イーストは糖分からエネルギーを手に入れます。僕たちが、お米やパスタやパンなどの炭水化物を食べてエネルギーを得ているのと同じですね!炭水化物はたくさんの糖が手を繋いでできたものです。だから多糖と呼ばれたりします。

エネルギーは糖類が分解されたとき、バラバラになったときに手に入ります。そのため、酵母はエネルギーを得るため、生きるために糖を分解します。その分解されてバラバラになった部品が、アルコールや炭酸ガスなのです! パン生地の中で、糖が分解されて炭酸ガスが発生する。これがパンの膨らみの理由なのです。また、アルコールはパンに良い風味を与えてくれます。(アルコール分はパンを焼くときに飛ぶので大丈夫ですよ)

この微生物が分解によってエネルギーを得ることを「発酵」と呼びます。つまり、ふかふかのパンが食べられるのは、酵母の生きる力を利用しているのです。

イーストと温度の関係

パンを発酵させるときに温度を気にします。暖かいところで発酵を行いますよね。それは、イーストが活発に活動するように、過ごしやすい温度にしてあげるためなのです。寒いと活動が弱くなり、逆に温度が高いと発酵が進みません。これは酵母のもつ「酵素」が原因。酵素は寒いと活動が鈍くなり、高温だと壊れてしまって酵母が生きられません。

これって人間とおなじなんです。僕たちの身体の中にもたくさんの酵素があります。酵素のおかげで生きています。その酵素の多くは体温くらいが1番活発に働きます。発酵、つまりは酵母の生きている力をよくするために、その生きる上で欠かせない酵素が働きやすくするために、温度管理が重要なのです!

発酵と腐敗の違い、知ってる?

ところで、発酵と腐敗は同じ、ということは知ってますか?

どちらも酵母などの微生物がエサを食べて、分散してエネルギーを得ていることなのです。それを人間にとって有益か不利益かで、発酵と腐敗に分けているだけなのです!

微生物がモノを分解して炭酸ガスやアルコールを作ってくれたら、人間にとって有益!ふわふわのパンが作れて、ビールやワインや日本酒が飲める!だからそれを「発酵」と呼びます。

微生物がお肉を分解して嫌な匂いの物質を作り出すと、臭いし食べられない!それは人間にとって不利益だから「腐敗」なのです。でも、実はどちらも微生物が生きるための活動なのです!

天然酵母とドライイースト

酵母を手作りする、「天然酵母」ってありますよね。僕も作ったことがあります。果物などを砂糖と水と一緒に瓶に入れ置いておくと泡がブクブクしてくるやつ。

酵母は身の回りに存在していて、それを瓶の中で培養しているのです。要は、野良猫ならぬ、「野良酵母」を飼育して、繁殖させているのです!それが天然酵母。

天然酵母液は、瓶に入れた果物のフレーバーも合わさって独特の香りや風味を与えてくれるのです。上手くできないと、他の微生物も増えてしまうことがあるのでちょっと難しいですよね。僕も何度かカビ(これも小さな生き物)を生やしてしまった経験があります。でも、手作りに成功した嬉しさとあの天然酵母パンの美味しさは格別です。

一方、ドライイーストは 「酵母の優等生」を寄せ集められたもの。酵母のエリート集団なのです。だから、天然酵母だと半日以上かかってしまうような発酵も数時間、数分でできてしまうのです。

天然酵母もドライイーストも同じ「生き物」なのです。

最後に…

2017_02_22_kou_2
パン作りに欠かせない「発酵」は、酵母という小さな生き物によって支えられているのです!
お肉、お魚、野菜を頂くように、パンを食べるときには酵母という生き物にも感謝しなければいけないですね!

date
2017/02/27
writer
KOU
category
パン作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。
KOU

お菓子作りと料理が趣味の男子大学生。つくる楽しみと食べる喜びが生活に欠かせません。素朴なおやつも、素敵菓子も大好きです。

コメント

この記事にコメントを書く

コメント

ニックネーム

※ コメント反映までにお時間をいただきます。コラム内容に関係のないコメントや、個人的なご相談などは公開を控えさせていただく場合がございます。

おすすめのコラム

クロフィンのレシピ・作り方【冷凍パイシートとマフィン型で簡単♪】

話題のクロフィンを作ってみよう!バター香る、さくさくふんわり食感がおいしいクロフィン。今回は冷凍パイシートを使っておうちで作れる、お手軽クロフィンのレシピをご紹介します。クロフィンとはクロフィンとは、クロワッサンとマフィ...

冬にぴったり!雪の結晶パンレシピ

雪降る季節に作りたくなるパン「雪の結晶パン」と呼ばれるパンをご存知でしょうか。一見、成形が難しそうですが、実際に作ってみると、さほど複雑ではないんですよ。今回は2種類の雪の結晶パンをご紹介します。基本の成形は一緒なので、...

スクエア型で♪かわいいにわとり親子のちぎりパンの作り方

にわとりの親子をイメージしたちぎりパンいよいよ新年度がスタート!緊張とワクワクの季節に、ほっこり癒し系のちぎりパンを手作りしてみるのはいかがですか?今回は、ぷっくりフォルムがかわいい、にわとり・ひよこ・たまごの、にわとり...

初心者さんにも作りやすい成形のパン パーカーハウスレシピ

パーカーハウスを作ろう!パーカーハウスは、二つ折りの形が特徴的なパン。バターロールなどのテーブルロールの原型といわれていますが、バターロールよりも簡単に成形できるんですよ。今回は、パン作り初心者さんにもおすすめのパーカー...

フランスパン「ブール」のレシピ・作り方

まん丸フランスパン「ブール」を作ろうフランスパンといえば、バゲットやバタールが有名。でも、同じ生地で作られるフランスパンの形にはバリエーションがあって、それぞれに名前が付けられています。今回はその中から、丸型のフランスパ...