「アガー・ゼラチン・寒天・ペクチン」の違いとは?
Agar ・ Gelatin ・ Kanten ・ Pectin
凝固剤とは、お菓子作りでゼリーやプリン、ムースやようかんなど液体ベースのものを、つるんとした状態に固めるために使います。
凝固剤には大きく分けて、アガー、ゼラチン、寒天、ペクチン、の4つの種類があります。
それぞれの素材の特徴に合わせて、上手に正しく使い分けましょう。
「アガー・ゼラチン・寒天・ペクチン」の違いとは?
Agar ・ Gelatin ・ Kanten ・ Pectin
凝固剤とは、お菓子作りでゼリーやプリン、ムースやようかんなど液体ベースのものを、つるんとした状態に固めるために使います。
凝固剤には大きく分けて、アガー、ゼラチン、寒天、ペクチン、の4つの種類があります。
それぞれの素材の特徴に合わせて、上手に正しく使い分けましょう。
【原材料】
スギノリ・ツノマタなどの海藻から抽出物する食物繊維(カラギーナン)や、マメ科の種子から抽出する多糖類(ローカストビーンガム)【特徴】
・ゼラチンと違って常温で固まり、夏場でも常温で溶け出さない(1)アガーはダマになりやすい
アガーはダマになりやすいので、あらかじめ分量の砂糖の一部とよく混ぜておき、ふり入れるようにして溶かします。(2)製品ごとに使い方を確認する
ゼリー用、ムース用、冷凍OK、常温の液体に溶けるなど、アガーは種類が豊富です。(3)固まる前に作業は手早く
アガーは常温で固まるので、手早く作業しないと作業途中で固まってきてしまうので注意が必要です。(4)ゼラチンの代わりに使うには
同量の液体を固めた場合、ゼラチンと比べてアガーの方が固く仕上がる傾向があります。原材料
豚や牛などから抽出した動物性タンパク質のコラーゲン特徴
・体温で溶けるので(25℃以上)、寒天やアガー・ペクチンと比べて口溶けの良さはピカイチ板ゼラチン
お菓子屋さんで最も使われている形状のゼラチン。1枚あたりの重さが決まっているので量りやすく、ふやかす時間が短いので作業性が良いです。出来上がりの透明度が一番高いのも板ゼラチン。粉ゼラチン
板ゼラチンを粉状にしたもの。粉末なので少しづつ使え、家庭でよく使われています。ふやかす水の量が決まっているので、毎回同じ固さに仕上げることができます。顆粒ゼラチン
ふやかす必要の無いゼラチン。とても手軽に使え、ふやかすための水分が入らないので、味が薄まりません。(1)熱しすぎない
ゼラチンは熱に弱く、沸騰した液体に入れて溶かしたり、溶かした液体を沸騰させたりすると、固まる力が弱まってしまいます。(2)パイナップルやキウイは要注意
生のパイナップルやキウイ、パパイヤなどに含まれるタンパク質分解酵素は、ゼラチンの凝固を阻害します。これらの果汁などを固めたい場合は、一度その果汁を沸騰させ、60℃まで冷ましてから、ゼラチンを加えます。(3)強い酸と合わせるには
強い酸に弱いので、酸性のものと合わせるときは、あらかじめゼラチンを溶かした液体をつくり、粗熱を取ったところに、酸性の液体を加えるようにしましょう。粉ゼラチンに使用する水分量を50ccずつ変えて、固まり具合や食感、型の抜きやすさ、溶けやすさなどを比較してみました。
比較対象の水分量は、200cc、250cc、300cc、350cc、400ccの5つを用意しました。
実験には、新田ゼラチン ニューシルバーを使用。
200cc
しっかり固まって表面の揺れはほとんどなく、包丁でカットして手でつまめるほどの固さ。スプーンですくうと角がしっかり立ち割れたような粗い断面になります。250cc
揺すっても表面はあまり揺れず、包丁でカットすることができる固さ。スプーンで大きくすくっても形を保ちます。300cc
揺するとプルプル小さく揺れ、程よい固さ。スプーンで大きくすくえますが保てず、揺れて落ちてしまいます。350cc
揺すると表面にふるふると波紋ができるくらい柔らかい。スプーンで大きくすくうと揺れて、形を保てず崩れて落ちてしまいます。400cc
揺すると大きく波打ち、見た目にも柔らかいことがわかります。スプーンで大きくすくうとすぐに崩れて落ちてしまうほどの柔らかさ。やっと固まっているような感じでとろみ感があります。原材料
テングサ・オゴノリなどの海藻から抽出される多糖類特徴
・寒天の凝固力はゼラチンの約5倍、アガーの2~3倍あり、少量でたくさんの液体を固めることができる棒寒天(1本)・糸寒天8g=粉寒天4g で置き換えることができます。
棒寒天(角寒天)
海藻(テングサ、オゴノリなど)を煮た粘質物を棒状の型に入れて固めてところてんを作り、これを凍結させ、乾燥させたものです。糸寒天
棒寒天を加工して糸状にしたものです。粉寒天
棒寒天を加工して粉状にしたものです。(1)酸の強いものや牛乳は温度に注意
強い酸に弱いので、酸性のものと合わせる時は、寒天を溶かした液の粗熱を取ってから加え、手早く混ぜ合わせます。(2)砂糖を入れよう
寒天は無糖で固めると離水しやすいですが、砂糖を入れることで、砂糖の保水性により離水しにくくなります。また、無糖で固めると白濁しますが、砂糖を加えることで透明になります。(3)水に溶かそう
ふやかした寒天を、ジュースや牛乳などに入れて煮溶かそうとすると、不純物が多いため上手く溶けません。寒天は水に入れて煮溶かし寒天液を作り、そこに果汁や牛乳を加えるようにしましょう。原材料
柑橘類・りんごなど果物から抽出される多糖類特徴
・ジャムなどの酸味が強く、糖度が高いものをとろっとさせる働きHMペクチン
高い酸度(PH2.5以下)と、高い糖度(全体の55~80%)によって固まるペクチンで、主に高糖度のジャムやパートドフリュイに使われます。LMペクチン
カルシウムやカリウムなどのミネラルによって固まるペクチンで、低糖度のジャムにとろみをつけるのに用いられます。(1)ペクチンはダマになりやすい
ペクチンはダマになりやすいので、あらかじめ分量の砂糖の一部と混ぜ合わせておき、少しづつ溶かしながら加えます。(2)HMペクチンを使うときは手早く
HMペクチンは、酸を加えると急激に固まる性質があります。パートドフリュイなどを作る際は、まず液体を温めてから、ペクチンを加えてよく溶かし、煮詰めて糖度を合わせます。(3)低糖度ジャムにはLMペクチンを
HMペクチンでは、糖分控えめのジャムにとろみをつけることができないので、LMペクチンを使用します。(4)果物がジャムになる条件
果物にはペクチンが含まれています。果物を砂糖と酸と一緒に煮ることで、ペクチンが溶け出し、砂糖と酸に反応してどろっと固まるのが、ジャム作りの原理です。(5)ペクチンが少ない果実と多い果実
ペクチンが少ない果実を使ってジャムを作る場合は、粉末のペクチンを加えて調節する必要があります。(6)未熟・過熟に注意!
熟していない果物ではもちろんのこと、熟しすぎた果物でも、上手くジャムを作ることができません。熟しすぎると、ペクチンが分解されてなくなってしまうからです。凝固剤を溶かした状態や固めたあとの感触や透明度の違いを動画にしました♪
凝固剤「アガー・ゼラチン・寒天・ペクチン」の違いとは
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