【連載】白崎茶会の基本がよくわかるおいしいお話<vol.7スパイス香る冬のフルーツブレッド>

白崎裕子です。
卵や乳製品を使わないお菓子の材料の選び方から、入れる順番、理論など「おいしいの基本」や「コツ」まで。
「白崎茶会」という教室を通してこれまでさまざまなことを伝えてきた私が、改めて多くの人に知って欲しいその基本をご紹介します。
さあ、みなさん、あたらしくておいしい世界を体験してみてください。
今回は「スパイス香る冬のフルーツブレッド」です。

スパイス香る
冬のフルーツブレッド

イギリスの「ジンジャーブレッド」やフランスの「パンデピス」のようなヨーロッパで愛されるスパイス香る伝統的ケーキを白崎流に。
グルテンフリー、ナッツフリーが嬉しい米粉とオートミールで作るケーキです。ラム酒漬けのドライフルーツがたっぷりと入った風味豊かでキメ細やかな生地を楽しめます。重曹を使うのが生地をもちもちさせずに軽く仕上げるポイントです。

: このレシピの材料
数量:cottaオリジナルスリムパウンド型 1台分

【生地】
オートミール…60g

A
　豆乳ヨーグルト…100g
　てんさい糖…50g
　メープルシロップ…大さじ1
　塩……ひとつまみ

ココナッツオイル…60g

B
　米粉（パン用米粉ミズホチカラ）…60g
　好みのスパイスパウダー（シナモンやカルダモンなど）…合わせて小さじ1〜2
　重曹…小さじ1/2（2.5g）

C
　好みのドライフルーツ（レーズンやクランベリーなど粒が小さめのもの）…100g
　ラム酒…20g

【ラムアイシング】
てんさい糖…30g
米粉（菓子用米粉ミズホチカラ）…小さじ2/3（1.5g）
ラム酒（好みのリキュールでも良い）…小さじ1と1/2（7.5g）

白崎先生が使用した
道具と材料はこちら

下準備

: ・容器にCを入れて混ぜ、半日〜1日程度漬ける。
・型にオーブン用シートを敷く

作り方

【1】オートミールにAを加えて混ぜる

ボウルにオートミールを入れ、指先ですりつぶすようにしてできるだけ細かく砕く（フードプロセッサーやミルなどを使っても良い）。Aを加え、オートミールに水分を吸わせるようにし、粘りがしっかり出るまで泡立て器で混ぜる。粘りが出にくいと感じたら、ラップをかけて5分ほど置いてから混ぜると良い。

【2】ココナッツオイルを加えて混ぜ、乳化させる　＃乳化

オーブンを160度に予熱する。ココナッツオイルを加えてとろみがつくまで円を描くようにしっかりと泡立て器で混ぜ、乳化させる。

【3】Bを混ぜてから加え、練り混ぜる

別のボウルにBを入れて泡立て器でよく混ぜ合わせる。2のボウルに加え、素早くしっかりと練り混ぜる。重曹を加えてからオーブンに入れるまでは、できるだけ短時間で作業しましょう。

【4】ドライフルーツを加えて混ぜる

ドライフルーツのラム酒漬けを加え、ゴムべらでさっと混ぜ合わせる。

【5】型に入れてオーブンで焼く

型に生地を流し入れて表面をならし、型ごと作業台にトントンと軽く打ち付ける。160度に予熱したオーブンの下段で60分間焼く。オーブンから取り出したら型ごと天板にトントンと軽く打ち付け生地を落ち着かせる。型からはずし、粗熱を取る。

【6】アイシングを作ってかける

【ラムアイシング】の材料を小さなコップに入れてよく混ぜ、熱湯を入れたボウルに浸けて混ぜ溶かす。
白っぽくなってとろみがついてきたら、ボウルから外し、さらによく混ぜてなめらかにする（てんさい糖のザラザラした感じは少し残っていても良い）。
しっかり冷めた生地の上に流しかけ、表面のアイシングをゴムべらでならす。
＊ラム酒の代わりにブランデーや日本酒など好みのお酒を使ってもよい。お酒が苦手な人は豆乳や水で。

完成

低温でゆっくりと火を入れると、細やかでみっちりと詰まった生地に焼き上がります。冷蔵庫で1週間〜10日間ほど保存可能です。

白崎裕子先生のレシピ連載
次回はこちら

「さつまいもトリュフ」
1/4公開予定。お楽しみに!

白崎裕子先生

: PROFILE
自然食品店「陰陽洞」(神奈川県・逗子)が主宰する料理教室の講師を経て、葉山町の海辺の古民家でオーガニック料理教室「白崎茶会」を始める。全国から生徒さんが集まり、予約の取れない人気教室に。作る楽しさやおもしろさ、その理論をたくさんの生徒、読者に伝え続け、現在はオンライン教室「白崎茶会レシピ研究室」で料理やお菓子、パンのレッスンを配信中。『白崎茶会のあたらしいおやつ』など著書多数。