宣伝も採用も、SNSをフル活用!
経費を抑えつつ、
売上を伸ばすコツとは?(シモキタシマイ)
目次
(前編はこちら)(後編)
- SNSを活用して宣伝費ゼロに
- スタッフは総勢14名! 人材募集もInstagramがメイン
- 経営管理・財務・人事労務関連業務はプロに任せず、経費を削減
- 売上の拡大とともに、機材や内装装飾を充実させる
- 子育てと店舗経営を両立する秘訣
- お店のコンセプト設計は、必ず自分たちの手で
(コーナー)
だから、cottaが好きお菓子屋さんとカフェ シモキタシマイ
東京都世田谷区の一軒家を改装した菓子店兼カフェ。常時25種類以上の焼き菓子と、生菓子、オーダーケーキなども手がけている。オンラインでの販売、ビストロ営業も行う。11:00〜18:00 無休
https://www.instagram.com/shimokitashimai.cafe/ https://sister-norimana.shopinfo.jp/SNSを活用して宣伝費ゼロに
おいしいものを作るだけでなく、店の存在を知ってもらうことも大切。宣伝として姉妹が力を入れたのは、Instagramでした。
「まず、目に止まる写真を撮るように心がけました。自然光を使って店の雰囲気が伝わるように、何枚もお菓子の写真を撮って。さらに、そこから店のことを知ってもらうためには文章でストーリーを伝えるようにしたんです」(藤井さん)
どんな材料を使っていて、どんな味がするのか、どんなシーンにおすすめなのか。お菓子についてはもちろん、お店が完成するまでの工程や、時には以前のお店のことや家族の思い出話を綴ることもありました。
「自慢じゃないですけど、同じ写真は1枚も使ったことがありません。自慢かな(笑)。もちろん、アルゴリズムもきちんと解析して、どんな写真が人気なのか、お客さまが求めている情報は何かをリサーチするようにしています」(柏﨑さん)
スタッフは総勢14名!人材募集もInstagramがメイン
金銭面での余裕が出てくると同時に、スタッフを増やすことに。無料の求人サイトを短期間活用したものの、Instagramでの募集がいちばん効果があったそう。以前、採用コンサルティング会社に勤務していた柏﨑さんは、当時の経験から採用の難しさを痛感していると言います。
「自分達の考えを理解してくれる人材を確保するのは、とても大変。ただお菓子を作れるだけじゃなく『シモキタシマイ』の世界を共有できる人を求人サイトで探すには、時間も費用もかかります。それなら集客と採用を兼ねて、しっかりインスタを運用していく方が効率が良いと判断したんです」(柏﨑さん)
少しずつ増えたスタッフは、正社員とアルバイトで総勢14名になりました。
「今の時代に合わせたツールとしてインスタを活用していますが、他のSNSも使っていこうと考えています。YouTubeも始めているので状況を見ながら使い分けていけたら、と」(藤井さん)
経営管理・財務・人事労務関連業務は自分達でこなし、
経費を削減
採用以外にも節約しているのは、経理関係のこと。開店に際して必要な菓子製造許可や飲食店営業許可などの手続きや、開店後の経営管理・財務・人事労務関連業務のことはすべて、二人が分担して行っています。税理士や社労士などの専門家には一切頼んでいません。
「二人とも社会人時代に企業の立ち上げを手伝う仕事をしていたので、知識も経験もある。自分達でできるならやれば経費削減になりますから」(柏﨑さん)
売上の拡大とともに、機材や内装装飾を充実させる
一方で、投資したのは内装や厨房機器。売り上げが出るたびに少しずつ、自分達の好きな内装に変更してきたと言います。追加投資したのは500万円ほど。
「最初からあれこれ欲張らず、貯まったら使うという考え方をしています。内装は、より写真映えするものにできてきていると思います。厨房の道具も母の時代から使っていたものから少しずつ買い替えて、より作業しやすい環境に。冷蔵・冷凍機器なども新しいものに変えました。また、12月からは新たなテラス席設置工事を行い、より多くのお客様にご利用いただけるよう、スペースの拡充もしています。」(藤井さん)
「実は2階でのビストロ営業を開始することも決めていました。2階は以前、母がお料理、お菓子教室を開催していた場所でもあったので、1階のお店と同様に、豊かな食空間を継承できる場所として2階も活用していきたいなと思っていました。」と藤井さん。
11月には1日2回転を週に2回、知人やお世話になっている方々を中心にご招待し、トライアル営業を実施しました。ビストロ営業をするにあたってのスムーズな運用や可能性が見えてきたため、12月に正式にオープン。ビストロ営業と並行させながら、少しずつ内装をリフォームしていく予定です。トライアル営業の頃からお客様のInstagramで紹介して頂くことも多く、雑誌等の取材も入るようになりました。(柏﨑さん)
子育てと店舗経営を両立する秘訣
姉妹はそれぞれ出産し、子どもを育てながら働いています。まだ幼い子どもがいるなかで、毎日店に立つのは難しいと実感しているそう。
「スタッフさんが増えたおかげで、お菓子を作ったり販売したりといった業務は、私たちがいなくてもできるようになりました。任せられる仕事はお願いしています。味や内装は、抜き打ちでチェックしてクオリティを保つように心がけています」(藤井さん)
「店を守ってくれるのはスタッフの方々。お店がうまく回るように、毎月きちんと面談をする時間をとって、意見を聞いています」(柏﨑さん)
見ていると、二人はどんなスタッフにも必ず敬語で接していることがわかります。年齢や立場は関係ないのがシモキタシマイ流。
「味や接客について厳しいことを言うこともありますが、リスペクトの気持ちがあってのこと。それを前提にして一緒に働ける人たちばかりなので」(藤井さん)
お店のコンセプト設計は必ず自分たちの手で
店舗のはスタッフに任せつつ、Instagramの更新は姉妹で行っているのだそう。「これだけは、絶対に二人だけでやろうと決めているんです」と言うほど大切なポイント。Instagramは、お店のことを伝えるツールであり、お客様とつながる場所でもあり、採用に生かせるものだからこそ、なのです。
じつは、姉妹二人の役割分担は特にありません。どんな情報も考えも共有し合い、店の方針は二人で決めています。
「スタッフに何か聞かれたら、二人とも同じように答えられるように。どちらかがいれば大丈夫という状況を作るようにしています」(藤井さん)
仕事も役割も責任も二人一緒に背負って、店を切り盛りしているのです。もっと海外のアーティスト作品を取り入れたい、オーダーケーキに力を入れたい、自分達がセレクトしてきた海外の調味料や食器の物販もやってみたい、とやりたいことは尽きない様子。「シモキタシマイ」がどんな店へと変わっていくのか、これからが楽しみです。
だから、cottaが好き
なぜcottaで買うのか、なぜcottaがいいのか。その理由を教えてもらいました。
・安心して使えるから
保冷剤は必ずcottaのものを。小さなお子様連れのお客様も多いので、破裂しにくい仕様で、なおかつ、万が一口に入ってしまっても体に無害ということから選んでいます。
・どこよりも早く届くから
注文すると翌日に届くのは、本当に助かります。急に必要になっても安心。いつも安定して在庫があることはもちろん、価格も変動がないのがありがたいです。
次回は、揚げたてドーナツが人気の「Fluffy Donuts」さんにお話をお聞きします。
取材・文/晴山香織 撮影/忽滑谷なつみ