血液さらさら・食事で動脈硬化を防ぐ!夏の時期の上手な穀物の摂り方~しあわせこよみごはん~
夏には麦わら帽子・・・初夏に収穫される麦や大麦は熱を冷ます
お米は秋に収穫され、麦は初夏に収穫されます。昔の人たちが冬には蓑(みの)を着たり、雪国では木に藁囲いをして寒さから守ったように、お米やお米の茎の藁は身体を温めてくれます。 一方で、夏はストローハットを被り、麦茶やビールが美味しく感じるように、夏前に収穫される麦類は身体の熱を冷ましてくれます。他にも竹や葦などを編んだ日よけの”すだれ”、”よしず”や、たたきやベランダの水打ちなど、昔ながらの知恵で涼を取る工夫を改めて見直すことで、環境負荷も減らせることでしょう。 そんな風に自然の摂理を考え、食物も採れる場所や収穫時期を考えて食べると、人間も動物も季節に順応して過ごせるものです。夏には夏野菜であるトマト・茄子・きゅうり・とうもろこし・おくら・みょうが・ピーマンなどの旬野菜をたっぷり摂りましょう。スイカも身体の中から涼をとってくれます。真夏には、アボガドやバナナなど熱い国でとれるフルーツ類を食べるのもいいですね。 とはいえ、体調や環境でその時・その人に必要なものは変わってくるので、食べて美味しく感じる、身体が軽く心地よいといった感覚に合わせて食べることを常に意識してみてくださいね。夏に多い心筋梗塞・脳梗塞
コレステロールは動物性食品にしか含まれないということはご存知ですか? 植物性たんぱく質が”ノンコレステロール”だからヘルシーと言われるように、動物性食品は血液中に脂を溜め込みやすく、生活習慣病の原因になると言われます。コレステロール値が高いと、特に心臓疾患や脳血管疾患を引き起こしやすくなります。 日本人は特に、ラクナ脳梗塞と言われる隠れ脳梗塞が多く、なんと40代の3人に1人、50代の2人に1人いると言われているのです。これは認知症の大きな原因にもなっています。 動物性脂肪の多いものや過剰なたんぱく質の摂取で、血管は柔軟性を失い、固くなります。また、白砂糖を使った甘いお菓子やジュースなどは、糖化を引き起こし血管をもろくさせるので、気を付けましょう。 特に夏場は、暑さによる心臓負担も大きく、こまめによい水分を摂取しないと脱水で血液や体液を濃くしてしまうため注意が必要です。顔の中で、心臓や循環器系に対応するのが鼻先になります。また、色では赤が心・小腸の異常や高血圧のサインになりますので、鼻先が赤く膨れ上がった感じがしたり、毛細血管が浮き上がった感じが見受けられるときは、食事にいつも以上に配慮してみてください。 その昔、両想いのサインなんて言われていた鼻の頭のめんちょう(吹き出物)も、スナック菓子や揚げ物などで心臓に脂が溜まっているサインかもしれませんよ。血液さらさら、血管を柔軟に巡りよく
精白されていない全粒穀物には、水溶性と不溶性の食物繊維や、動脈硬化を防ぐ葉酸・ビタミンB6も豊富に含まれています。 穀類を控え、動物性食品や甘いものが多くなると、血液は粘ってドロドロになり、血管を詰まらせたり固くします。血管が固くなると、血液による圧をクッションすることができず、血圧が高くなります。 高血圧の原因は塩分ではなく、血管内に溜まった脂肪の塊「粥腫(じゅくしゅ)」。 これは、脂肪と糖分の過剰摂取によるいう研究結果も発表されており、食の欧米化により、動物性食品・ケーキなどの洋菓子類を食べることが多くなったのも大きな要因と思われます。 昨今、健康番組などでささやかれる”ゴースト血管”という言葉。毛細血管が死んだ状態になってしまっている人が多いそうです。健康や若さの要となるのは”血管”がきれいで、淀みなく身体の隅々まで縦横無尽に血が巡っていること。 排水溝も動物性のラードなどは固まってこびりつくように、私たちの血管も動物性の油が多いと汚れが付着して流れが悪くなってしまいます。お肉やお魚を食べるときには、消化を助ける大根や干ししいたけ、食物繊維たっぷりの野菜や海草類、全粒穀物をたっぷりと一緒にとることをお勧めします。 高血圧と動脈硬化は背中合わせです。そして自身では自覚症状が殆どなく進行がわかりづらいため、急な発作に見舞われて気づくケースも多くなります。季節だと夏、時間帯では日中に最も多くなる心臓発作などの心臓の問題。そうなる前に、日々の食事を全粒穀物と野菜や海草・豆類中心にし、動物性脂肪や油の多い食品を控え、余分なものを溜め込まない・排出できる身体でいることが大切ですね。【心臓に負担をかけないためのセルフケア法】
- よく噛んで食べ、過食しない(血糖値を急激に上げる”早食い”をしない)
- 動物性食品や油を多用した外食、加工食品を控える
- 植物性中心の自然食を心掛ける
- 砂糖・ジュースなどを控える。
- いい水分をとる。(ナチュラルウォーター、梅酢水、麦茶、スイカなどの自然な水分)
- 禁煙
- 適度な運動をライフスタイルの中でとりいれる
- 心系の経絡である腕の内側や、手の小指をマッサージする。
- 心身のリラックス、胸を開く深い呼吸を心掛ける。森林浴もよい
夏に最適な穀物「とうもろこし」を食べよう
甘くておいしいとうもろこし。安土桃山時代に日本に伝来したと言われる穀類の一種です。穀物の中で最も陰性と言われ、旬の今、私たちの身体に必要な栄養と効能がたっぷりと含まれています。 日本でも昔から夏場に大量に収穫されるとうもろこしは、余分な動物性食品の油・化学物質や塩分の排出に、デトックス作用や身体をリラックスさせる効果もあり、夏を過ごしやすくしてくれます。 とうもろこしのひげ根やコーン茶に、利尿作用があるというのをご存知の方も多いと思います。湿度の高い日本では、むくみの解消サポートにもなりますね。とうもろこしは、食物繊維がさつまいもの約4倍、便を柔らかくするマグネシウムもたっぷりで、便秘解消・腸をきれいにする効果が期待できます。 その他、疲労回復効果があり、糖やアルコール代謝を助けるビタミンB1は野菜の中でも多く、茹でても壊れないと言われています。カリウムや葉酸も多く、血圧を下げる他、リノール酸効果でコレステロールも下げると言われます。まさに、循環器系を滞らせない食材ですね! 夏土用の開ける8月6日を過ぎれば、暦の上では秋。徐々に身体を季節の変化に向けて準備させていくことを意識するのが大切です。土用の頃からは、冷たいものや身体を冷やす食べ方・食べ物は少しずつ減らし、腸を温めることを意識していくと、秋口に咳や鼻水といった症状が出にくくなります。 晩夏と言われる夏土用の時期には黄色い色の食べ物がよいと言われますが、とうもろこしの自然の甘味は胃や脾臓・膵臓にも適した食物で、晩夏の移行時期にもぴったり。旬の今、蒸したとうもろこしの実を外して、ジップロックなどにいれて冷凍しておくと、秋まで必要な時に使え便利です。 市販の缶詰や冷凍のコーンより、オーガニックのフレッシュなとうもろこしを、豊富で安く買える今の時期に保存食にしておきましょう。 今回は、簡単に作れて大人からお子さんまで喜ぶ、夏から夏土用にぜひ作ってほしい「とうもろこしとキヌアのごはん」と、「コーンプリン」のレシピをご紹介します。とうもろこしとキヌアのごはん
南米が産地で食物繊維が豊富なキヌアも、夏に食べたい穀物のひとつです。 茹でてサラダにするのは勿論ですが、ごはんに炊きこんでも食感が楽しめます。 夏のごはんの美味しさは、軽やかさと空間がポイント。夏はお弁当箱にギュッと詰めたものや、しっかり握ったおむすびより、パラパラと空気感のあるライスサラダやチャーハンのようなものが喜ばれます。 心臓・小腸系によい味は”苦味”に当たるため、かすかに苦味のあるキヌアやオリーブオイルをいれてふんわりと炊き上げたごはんは、美味しく感じられるはずです。 最高の夏バテ防止食材の梅干しをいれることで、汗で出た塩分とクエン酸の補給や血液の浄化や腐敗防止効果が得られます。【材料(4~5人分)】
- とうもろこし 1本
- 白米または七分づき米 2カップ
- 水 2.5カップ
- キヌア 1/3カップ
- オリーブオイル 大さじ1.5
- 梅干し 1コ
- ドライトマト 1コ分(なくても可)
- 醤油 大さじ1
- 自然塩 少々
- パセリみじん切り 適量
コーンプリン
☆たったひとつの材料を加えるだけで卵と牛乳を使ったカスタードプリン味になる裏技つき。 アイスやジュースばかりでは、夏バテ防止に役立つビタミンB群や良質なたんぱく質は不足しがち。それらを補えるとうもろこしをまるごとすりおろして、口当たりのよいおいしいプリンに。 滋養効果の高い甘酒と、とうもろこしの自然の甘みで、小さなお子様から大人まで美味しく食べられます。 おやつにも、食欲のないときの朝食にもおすすめです。 葛をつかっているので、冷たい食べ物で冷えた腸を整えてくれます。【材料(4個分)】
- とうもろこし 1本
- 無調整豆乳 1カップ
- 甘酒 1本
- 粉寒天 小さじ1
- 葛粉 小さじ1(同量の水で溶かす)
- 自然塩(夏はミネラルの多い岩塩がおすすめ)ひとつまみ