太陽に向かって高く伸びたひまわりは、夏の風物詩ともいえるでしょう。ひまわりの種には、ビタミンEや食物繊維など、豊富な栄養素が含まれており、スーパーフードとしても人気があります。
この記事では、ひまわりの種に含まれる栄養素や健康効果について解説しています。さらに、食べ方やレシピも紹介していますので、おやつや料理の材料として参考にしてください。
参考:
厚生労働省eJIM
ひまわりの種が食べられるようになったのはいつ?
ひまわりはキク科の植物で、原産地は北アメリカ大陸とされています。観賞用のほか、その種は油糧としても活用され、
食用としては紀元前から用いられていました。世界的にも重要な油糧作物として知られており、ロシア・ウクライナ・アルゼンチン・中国などで多く生産されています。
日本の主な産地は、岩手県・宮城県・石川県・兵庫県・島根県・香川県・岡山県などです。
食用のひまわりの種は、そのまま菓子や食材としても利用しますが、ひまわり油やひまわり石けんなど、油脂関連製品へ加工している地域もあります。
参考:
グローバルノート 国際統計・国別統計専門サイト
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ひまわりの種に含まれる栄養素と効果
ひまわりの種は栄養素が豊富とされていますが、具体的にはどのようなものが含まれているのでしょうか。ひまわりの種に含まれる栄養素と、その効果について解説します。
リノール酸
リノール酸は不飽和脂肪酸の一つで、
多価不飽和脂肪酸のn-6系脂肪酸(オメガ6)に属します。ひまわりの種に含まれる栄養素の半分以上は脂質で構成されていますが、その多くが不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は、血中コレステロール値や血圧を下げる効果があります。
リノール酸は、体内で合成されず食物から摂取する必要がありますが、熱や光に弱く、酸化しやすい栄養素です。ひまわりの種を生のまま食べたり、オイルをドレッシングとして使得ことで効果的に摂取できます。
参考:
e-ヘルスネット
葉酸
葉酸は
ビタミンB群の一種で、血液や細胞の生成・再生を助けるなど、体の成長に必要な栄養素です。代謝を促進する酵素を補う「補酵素」としての働きもあります。
葉酸は、水溶性ビタミンのため、体内に蓄えられることなく排出される成分です。毎日の食事から継続して摂取しましょう。葉酸は、ブロッコリーや枝豆、焼きのりやレバー、ライチなどにも多く含まれています。
参考:
e-ヘルスネット
ビタミン
ビタミンは体の機能を保つために必要な栄養素で、体内ではほとんど作ることができないため、食品から摂取する必要があります。
ひまわりの種には、
ビタミンB群やビタミンEが含まれています。ビタミンB群はエネルギー産生にかかわる成分です。前述した葉酸も含め、ビタミンB1やビタミンB2、ナイアシンなどの種類があります。
ビタミンEは強い抗酸化作用が特徴です。「若返りのビタミン」と呼ばれることもあり、老化予防が期待できます。また、肌の新陳代謝を高め、バリア機能を安定させる働きもあることから、シミやソバカスが気になる方にもおすすめです。
参考:
e-ヘルスネット
食物繊維
食物繊維は、便通を整え、脂質や糖、ナトリウムなどを吸収しながら体外に排出する働きがあるため、肥満や脂質異常症(高脂血症)、糖尿病といった生活習慣病の予防につながると言われています。血糖値上昇の抑制や、血中コレステロールの低下も期待できます。
ひまわりの種には、
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、とくに多いのは不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質を持ち、保水性が高く、体積を増やしながら腸内活動を活発にします。また、善玉菌のエサとなり菌を増やす働きもあるため、便秘の予防も期待できるでしょう。
参考:
e-ヘルスネット
ミネラル類
ミネラルの代表的なものには、カルシウム・リン・カリウムなどが挙げられますが、ひまわりの種には
セレンというミネラルが含まれています。
セレンは甲状腺ホルモンの活性化に必須で、細胞が酸化しないように抑制する抗酸化作用の働きを持つため、老化予防効果が期待できる栄養素としても注目されています。
体内で合成できないミネラル類は、食事などから摂取する必要があります。セレンはサプリメントなどで過剰摂取すると、中毒を起こす可能性もあるため注意しましょう。
参考:
e-ヘルスネット
ひまわりの種の効果的な食べ方
ひまわりの種には、生活習慣病予防やアンチエイジング効果などが期待できることが分かりました。そこで、その栄養素を効果的に摂取できる食べ方についても確認しておきましょう。
そのまま食べる
ひまわりの種は、
生のままで食べられます。加熱することで損なわれる成分もあるため、栄養素をまるごと摂取したい方におすすめの食べ方です。苦味を感じることもありますが、クセがなく柔らかい食感があります。塩味がついたタイプも販売されているため、おつまみやおやつにもぴったりです。
市販されているひまわりの種には、殻付きとむき身がありますが、むき身なら手軽に食べられます。殻は食べられませんので、殻付きの場合は剥いて食べてください。
炒めて食べる
ひまわりの種を生で食べることに抵抗があるなら、
ローストしたひまわりの種を試してみましょう。市販もされていますが、フライパンやオーブンを使い、自分で炒めてもよいでしょう。香ばしさを感じられ、カリッとした食感になります。
軽く塩味をつけてもよいですし、野菜炒めに加えれば食感を楽しめます。また、焼き菓子の材料としてもおすすめです。ケーキやクッキーに混ぜたり、チョコレートと絡めたり、歯ごたえを感じながら美味しいおやつとしていただけます。
サラダやスープにトッピングする
ひまわりの種は、
サラダやスープへのトッピングにもぴったりです。彩りや食感、風味にアクセントを加えられ、いつもの食事と一緒に手軽に栄養素を摂取できます。ドレッシングの代わりにひまわり油をかけてもいいでしょう。
シリアルなどに混ぜると、簡単に栄養価の高い朝食がとれるのもポイントです。さらに、パンにひまわりの種を加えて焼き上げれば、香ばしい風味を楽しめます。
ひまわりの種を使ったおすすめレシピ
料理やおやつの材料として活用しやすい、ひまわりの種を使ったおすすめのレシピを紹介します。スーパーフードを混ぜ合わせて固めた
スーパーフード・グラノーラ・バーです。
材料は、ひまわりの種以外に、かぼちゃの種・スライスアーモンド・キヌア・チアシードなど、数種類のスーパーフードを使用しています。
糖類は、メープルシロップと米飴を使用しています。栄養素をしっかりとりながら満足感が得られる、グルテンフリーのグラノーラバーです。2週間ほど日持ちしますので、作り置きにもおすすめです。
【材料】
・ロールオーツ 2と1/2カップ
・ひまわりの種 1/2カップ
・カボチャの種 1/4カップ
・スライスアーモンド 1/2カップ
・キヌア(洗って、水切りしたもの) 1/2カップ
・チアシード 1/4カップ
・フラックスシード(粉末) 1/2カップ
・シナモン 小さじ1/4
・自然塩 小さじ1/8
・メープルシロップ 1/3カップ
・米飴 1/3カップ
・ココナッツオイル 1/3カップ
・乾燥ブルーベリー 1/2カップ(レーズンでも可)
出典:
Vegewel
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ひまわりの種を食べる際の注意点
栄養効果が高いひまわりの種ですが、食べる際にはいくつかの注意が必要です。ここでは3つの注意点について説明します。
食べ過ぎに注意する
ひまわりの種はカロリーが高く、
1食(10g)あたり61kcal程度で、チーズの2倍程のカロリーがあるとされています。体によい影響を与える栄養素がたくさん含まれているとはいえ、食べ過ぎは禁物です。食べ過ぎると、まれに中毒やアレルギーなどを引き起こす可能性があるとも言われています。1日の摂取量は、スプーン1杯程度(5〜10g)を目安とし、1日分を小分けにしておくと食べ過ぎを防げるでしょう。
鑑賞用のひまわりの種は食べない
市販されているひまわりの種は、
食用に育てられたものです。庭などで栽培されている観賞用のひまわりは、食用として作られていないため、農薬が含まれている可能性があります。ひまわりの種を食べる際は、安心して食べられる食用のものを選びましょう。
アレルギーに注意する
ひまわりの種を食べたことで、稀にアレルギー反応を起こすケースがあるため、食物アレルギーが心配な方は注意が必要です。咽頭に違和感を感じたり、蕁麻疹などの症状を発症する可能性があります。食物アレルギーが心配な方は、事前に医療機関などで食物アレルギーの有無を調べておくと安心です。
ひまわりの種の効果を料理やおやつに取り入れよう
ひまわりの種は、昔から食用として用いられており、リノール酸・葉酸・ビタミン・食物繊維などが豊富に含まれた、栄養価が高い食物です。一方で、高カロリーでもあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
ひまわりの種の栄養素を最も効率よく摂取できるのは、そのまま生で食べる方法ですが、料理やお菓子の材料としてもおすすめです。手軽に栄養が摂れる食材として、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。