グルテンは、主にグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質で構成されており、この2つの成分は水と結びつき、生地を練ることで強力な弾力性を持つ網目構造を形成します。

• グリアジン: グリアジンは、水と反応して粘り気を生み出す成分です。この粘り気が、生地の伸びやすさや弾力をサポートします。
• グルテニン: グルテニンは、主に弾力性を生み出す役割を持っています。これにより、パン生地が膨らみ、ふっくらとした食感になるでしょう。

これらの成分は、食品の食感や構造を決定する重要な役割を果たします。特にパンやピザのように「ふわふわ」や「もちもち」といった食感が求められる食品には、グルテンが欠かせません。 しかし、このグルテンが一部の人々にとってはアレルゲンとなり、体調不良を引き起こす原因となります。

グルテンは、私たちが日常的に摂取している多くの食品に含まれおり、特に小麦、大麦、ライ麦を原料にした食品には必ずと言っていいほど含まれています。具体的には、以下のような食品です。

• パン: 小麦粉を使用して作られるパンには大量のグルテンが含まれています。パンのふわふわとした食感は、グルテンの働きによるものです。
• パスタ: パスタの弾力やコシもグルテンによって生まれます。特にデュラム小麦を使ったパスタはグルテンが豊富です。
• ケーキやクッキー: 小麦粉を使用したお菓子類も、グルテンが含まれおり、特に、しっとりとした食感やサクサクとした歯ごたえはグルテンが関係しています。
• ピザ: ピザ生地も小麦粉を使用しており、生地の伸びやすさや弾力を生み出すのがグルテンです。
• ビール: 大麦を使用したビールにも、微量ながらグルテンが含まれています。

このように、グルテンは日常的に多くの食品に含まれており、避けることが非常に難しいものです。そのため、グルテン過敏症やセリアック病の人々にとっては、食材選びが非常に重要になります。

グルテンフリー食品を選ぶ際には、パッケージのGFCO認証マークやラベルに「グルテンフリー」と表示がされているかを見るのが一番のポイントです。グルテンが含まれていない食品でも、製造過程でグルテンが混入してしまう可能性があるため、ppm（グルテンの含有量）が20ppm以下であることが基準となります。特にセリアック病患者は、これを厳守する必要があります。

• グルテンフリーマークを確認する: グルテンフリー食品には、通常、パッケージに「グルテンフリー」と明記されている場合が多いです。特にアレルギー対応食品として認定された製品には、専用のマークが表示されていることがあるので、それを確認すると良いでしょう。
• 成分表示を確認する: グルテンフリーであるかどうかを判断するためには、成分表の確認が不可欠です。小麦、大麦、ライ麦、またはこれらの派生製品が含まれていないことを確認します。例えば、「小麦粉」「麦芽エキス」などの表示があれば、その食品はグルテンを含んでいる可能性があります。
• 加工食品に注意する: 加工食品には、意外にもグルテンが含まれていることがよくあります。例えば、ソースやドレッシング、缶詰、冷凍食品などには、増粘剤として小麦が使用されることがあります。グルテンフリーを徹底したい場合は、こうした加工食品にも注意が必要です。
• 自然食品を選ぶ: できるだけシンプルな成分で作られた自然食品を選ぶことも、グルテンフリー食生活を続けるためには有効です。例えば、米やとうもろこし、じゃがいもなどの穀物や野菜、果物は、グルテンを含んでいないため、安心して摂取できます。