健康やダイエットなどに興味がある方を中心に、十六穀米への注目が高まっています。十六穀米は、体内に脂肪が蓄積されにくく、栄養価が高い穀物です。おいしくいただけるだけでなく、健康な体づくりに役立ちます。
この記事では、十六穀米の特徴や摂取カロリー、期待される美容・健康効果、おすすめレシピなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
十六穀米とは?
白米のほかに数種類の穀物を混ぜたものを雑穀と言います。十六穀米は、雑穀米の一種で、16種類の穀物をブレンドしたものです。雑穀には、収穫されたままの栄養素が残っており、食感がしっかりしているため、噛む回数が増えます。しっかり噛むことで満足感が得られやすいため、ダイエット食品としても人気です。
十六穀米の特徴
十六穀米としてブレンドされる穀物は、厳密に種類が決まってているわけではありません。白米を含む16種類の穀物が含まれていれば、種類は問わず十六穀米と呼ばれます。メーカーによって、ブレンドされている穀物は異なります。
十六穀米は、白米と比べて
ミネラルやビタミンB類、食物繊維が多く含まれており、栄養価が高い食品です。
十六穀米のカロリー目安
十六穀米のカロリーは、
100gあたり175kcalが目安です。炭水化物は35g程度、たんぱく質は4.7g程度が目安となっています。
・十六穀物米(100g)は、175 kcalで、炭水化物は35.57g、たんぱく質量は4.7g
・白米(100g)は、157 kcalで、炭水化物は36.1g、たんぱく質量は3.5g
・玄米(100g)は、152 kcalで、炭水化物は35.66g、たんぱく質量は2.8g
上記のように、100gあたりの十六穀物米のカロリーは、白米や玄米よりもやや高くなっています。また、たんぱく質量も、他の2つに比べてやや高めです。ただし、十六穀米のカロリーや栄養素の量は、ブレンドした穀物の種類や商品によって異なるため、あくまでも目安の数字です。
十六穀米の美容・健康効果
十六穀米は、美容や健康に嬉しい作用があるとされています。3つの主な作用についてそれぞれ詳しく解説します。
血糖値の上昇を抑制しやすい
白米や、パン・麺類といった小麦粉由来の食品など、精製された炭水化物が多く含まれている食べ物を摂ると、糖分の吸収が早くなり、血糖値を急激に上げてしまいます。上がった血糖値を下げるのは、インスリンというホルモンの役割です。血糖値が急上昇すると、それを元に戻すために、インスリンの分泌が過剰になります。インスリンには糖分を脂肪に変える作用があり、分泌量が多い状態が続くと、肥満や病気の原因になる可能性があります。
雑穀を多く含む十六穀米は、白米と比較して食物繊維が多く、糖分の吸収が緩やかです。そのため、
血糖値の急上昇を防ぎやすいと言えます。
参考:
e-ヘルスネット
腸内環境を整えられる
前述の通り、十六穀米には
便秘の改善が期待できる食物繊維が豊富に含まれており、食べることで腸内環境を整えられます。食物繊維は、小腸で消化されることなく、大腸まで達して善玉菌を増やしてくれます。腸内環境が改善されることで、デトックス効果が期待できるため、ダイエット効果、お肌の調子を整える効果なども期待できるでしょう。
参考:
e-ヘルスネット
身体に必要な栄養素が摂取できる
十六穀米には、
ビタミンやミネラルなど、身体に必要な栄養素が豊富に含まれています。ビタミンやミネラルは、不足すると体調不良や疾患を引き起こしやすくなります。しかし、体内ではほとんど合成できないため、食事から摂ることが必要です。日々の食事に十六穀米を取り入れることで、身体に必要な栄養素を自然に摂取できます。
参考:
e-ヘルスネット
十六穀米に含まれる主な穀物
前述したように、十六穀米は、メーカーによってブレンドされる穀物やその成分・栄養素が異なる場合があります。ここでは、一般的な十六穀米に含まれる穀物を紹介します。
大麦
大麦は、
食物繊維が白米の約17倍と豊富であり、水溶性・不溶性食物繊維の両方を、バランス良く含んでいます。大麦の味や香りが苦手な場合は、押麦や米粒麦がおすすめです。加熱時間が短く済み、食感や味のクセも少ないでしょう。押麦とは、大麦を蒸してローラーで押しつぶしたもの、米粒麦とは大麦の表面を削って、米のような形にしたものです。
発芽玄米
発芽玄米は、玄米をわずかに発芽させて栄養素を凝縮し、ギャバを大幅に増加させたものです。
ギャバとは、ガンマアミノ酪酸の通称で、中性脂肪の増加抑制や血圧の安定に効果があるとされています。発芽玄米は玄米よりもやわらかくて食べやすく、弾力とボリューム感があるのが特徴です。
参考:
農林水産省技術会議
赤米
赤米は、
古代米の一種で、縄文時代に日本に伝わったと考えられています。ポリフェノールやタンパク質、カルシウムやマグネシウムが含まれています。また、お茶やワインに含まれることで知られるカテキンやタンニンは、赤米を食べることでも摂取可能です。食物繊維も白米の8倍含まれています。
参考:
農林水産省
黒米
黒米には、
抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれています。体内では、酸素を利用することによって活性酸素が生み出されます。活性酸素は、体を酸化させ、老化や動脈硬化の原因となります。アントシアニンは、体の酸化を抑える働きがあり、ブルーベリーに豊富なことでも知られる、青紫色のポリフェノール系の色素です。世界三大美女の楊貴妃が、美容のために黒米を食べていたとも言われています。
参考:
農林水産省
小豆
小豆は、脂質が少なく栄養分が豊富です。皮にはサポニンが含まれ、コレステロールや中性脂肪の増加、血糖値の上昇などを抑える働きがあります。また、食物繊維が豊富で、ビタミンB1やビタミンB6、タンパク質も含んでいます。便秘や貧血の改善に効果があるとされ、美容やダイエットにも有効です。
参考:
農林水産省
黒豆
黒豆は、うま味が強く、ほっくりとした食感が特徴で、大豆イソフラボンやアントシアニン、プロアントシアニジンが含まれます。大豆イソフラボンは、美肌ホルモンとも言われ、
エストロゲンに似た働きをすることで知られています。アントシアニンやプロアントシアニジンは、抗酸化物質として注目されている栄養素です。
参考:
農林水産省
もちきび
もちきびは、鮮やかな黄色と、もちっとした食感が特徴で、味にはあまりクセがありません。卵のようなコクがあり、エッグミレットと呼ばれることもあります。
タンパク質や食物繊維が豊富で、必須アミノ酸の一種であるメチオニンも含んでいます。必須アミノ酸とは、体内で合成できないアミノ酸のことで、食べ物から摂取しなくてはなりません。
参考:
e-ヘルスネット
たかきび
たかきびは、イネ科の穀物で、食感はふっくらとして弾力があり、
コクがありながらクセが少ないのが特徴です。見た目がとうもろこしに似ているため、別名でもろこしとも言われています。ひき肉に似ていることから、お肉の代わりに使われることもあります。味はコクがありながら、強いクセはありません。
もちあわ
もちあわは、独特のぷちぷち、
もちもちとした食感が特徴です。日本では縄文時代から米が普及するまで、主食として育てられてきた穀物です。クセがなくやさしい味で消化に良いため、離乳食や病中病後の栄養食にも適しています。
アマランサス
アマランサスは、
タンパク質とミネラル類の栄養価が高く、近年注目を集めるスーパーフードの1つです。実が小さくぷちぷちとした食感が特徴です。皮がやわらかいため、丸ごと全粒で食べられます。日本では、東北地方を中心に栽培されており、観賞用としても人気です。精米せずに利用できるため、サラダやドレッシングなどに入れるのもおすすめです。
参考:
農林水産省
キヌア
キヌアも
スーパーフードの一つで、世界中で注目されている穀物です。タンパク質が豊富で、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。コシがあるぷちぷちとした食感で、コクと甘み、少しの苦味が特徴です。アンデス高原が原産の植物で、過酷な環境でも育つことから、穀物の母と呼ばれることもあります。
ハトムギ
ハトムギの主な原産国は南アジアです。イネ科の植物で、種の殻を取って乾燥させたものは
ヨクイニンと言われています。淡白ですが、ふっくらとしていて噛みごたえがあります。ハトムギは化粧水にも使われることが多い穀物で、肌にも良いとされています。
ひえ
ひえは、イネ科の作物で、あわと同じく古くから食べられてきた穀物です。味や香りにクセがなく、炊きあがりはほくほくとした食感です。
日本最古の穀物の一つで、以前はみそや醤油、焼酎などの原料としても利用されていました。
とうもろこし
とうもろこしは、リノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸を含みます。不飽和脂肪酸には、コレステロールを下げ、動脈硬化を予防する効果があるとされています。また、ビタミンB1やビタミンB2、食物繊維が豊富で、糖質も多く含みます。ご飯に入れれば自然な甘さが楽しめるでしょう。
世界三大穀物の一つで、中南米では主食として食べられています。
黒ごま・白ごま
黒ごまと白ごまは、栄養分の含有率に違いはあるものの、含まれる栄養分はほとんど変わりません。脂質やタンパク質、炭水化物、
必須脂肪酸やビタミンEなども含まれています。セサミンが含まれているため、抗酸化作用があり、動脈硬化や脂質異常症などの予防効果が期待できます。黒ごまは独特の風味が強く、白ごまは控えめであっさりとした味です。
参考:
農林水産省
雑穀米を使ったおすすめレシピ
【ヘルシーエイジングミレットとマンゴーのスパイシーごはん】
ブレンド雑穀を使用したレシピですが、
十六穀米を使ってもおいしく作ることができます。穀物とドライフルーツを組み合わせた、おしゃれで栄養満点の一皿です。ドライフルーツは、雑穀には含まれないビタミンCを補ってくれます。また、雑穀は少し苦かったり、香りが気になったりする方もいるかもしれませんが、ドライフルーツと合わせれば、苦味や臭いを和らげることができます。スパイスを加えることで香りが良くなり、食欲が増進されます。
【材料(つくりやすい分量)】
ブレンド雑穀(ヘルシーエイジングミレット・はと麦ホワイトブレンド) 30g
・白米 2合
・マンゴー 40g
・黒いちじく 3個
・ローストアーモンド 30g
・パクチー・レモン 適宜
・オリーブオイル 大さじ1.5
・ナンプラー 大さじ1
・クミンパウダー 小さじ1.5
・カイエンヌパウダー 小さじ1.5
・ターメリック 小さじ1
・塩 小さじ1/2
・胡椒 少々
・仕上げ用 カイエンヌペッパー 適宜
出典:
Vegewel
十六穀物米の効果を毎日の食事に取り入れよう
十六穀米は、栄養豊富で美容や健康に良い穀物です。十六穀米を毎日の食事に取り入れることで、身体に必要な栄養素が摂取できます。一般的な十六穀米に含まれる、
大麦、発芽玄米、赤米、黒米、小豆、黒豆、もちきび、たかきび、もちあわ、アマランサス、キヌア、ハト麦、ひえ、とうもろこし、黒ごまや白ごまは、どれも栄養価が高い穀物です。健康的な生活のために、普段の主食に十六穀米を取り入れてみませんか。
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