玄米と精米は色が異なりますが、他に、具体的にどのような違いがあるのか分からないという人も多いのではないでしょうか。玄米についているぬかなどを取り除くことで精米になり、見た目や含まれる栄養素なども変わります。
この記事では、玄米と精米の特徴に触れたうえで、玄米を精米するとどのようになるのか、解説していきます。また、自分で精米する方法や、精米により発生したぬかの使い道なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
皆さんが日々口にする白米と比べ、玄米についてはあまりご存じでない人が多いのかもしれません。実は様々な健康効果がある玄米についてまず知ってみませんか?
こちらの記事では玄米の嬉しい効果や栄養素について解説しています。ぜひご覧ください。
玄米と精米の違い
玄米は、
米を精米する前の状態です。玄米には、精米にはないぬかなどが残っています。精米は、ぬかなどが除去され、胚乳と呼ばれる部分だけになったものです。
玄米と精米の価格を比較すると、若干ながら玄米のほうが高価です。玄米は、精米にするための作業が必要ないものの、食べられるように加工するのに手間がかかることなどが理由です。
また、玄米にはぬかなどがそのままついているため、精米よりも
食物繊維・ビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれています。
玄米を精米するとどうなる?
玄米を精米すると、さまざまな変化が起きます。ぬかを削り取ることになるため、量が減り、色は白くなります。
ここでは、玄米を精米するとどのようになるのか、詳しく説明します。
玄米を精米すると白米になる
玄米の色は茶色です。多くの人が見慣れている
米の白い部分は、胚乳と呼ばれる部分です。胚乳の周りにはもともとぬかがついており、
ぬかの色は茶色です。
つまり、
玄米の色が茶色なのは、ぬかが残っているからです。
玄米を精米すると量が減る
玄米を精米すると、ぬかなど米の一部が削られるため、量が減って軽くなります。また、精米することによって口当たりが良くなるため、よりおいしく食べることが出来ます。
しかし、ぬかには、食物繊維・ビタミン・ミネラルなどが多く含まれており、
精米するとこれらの栄養素も一緒に取り除かれることになります。
玄米を精米するとぬかが出る
精米の作業では、
玄米の外側部分についているぬかを取り除きます。ぬかにはたくさんの栄養素が含まれており、削られたぬかは、さまざまな用途で活用可能です。
たとえば、野菜をぬか漬けにすると、野菜のビタミンB1の含有量が多くなるほか、腐葉土にぬかを混ぜれば、肥料として利用できます。
玄米を自分で精米する方法
玄米を自分で精米する場合、方法は2つあります。1つ目は
家庭用精米機を使う方法、2つ目は
コイン精米機を使う方法です。頻繁に精米するなら、家庭用精米機を使うと便利ですが、大量の玄米をまとめて精米したいなら、コイン精米機が向いています。それぞれ特徴が異なるため、自分に合う方法を選びましょう。
精米機を使う
家庭用精米機は、さまざまなメーカーから発売されています。
コンパクトでキッチンに置いて使用しやすいものが多いです。また、ボタンを押すだけで、簡単に操作できます。
一度に精米できる量は、種類によって異なりますが、一般的に
2~10合程度です。精米機があれば、食べる直前に精米できます。玄米は精米すると酸化しやすくなるため、その都度精米できるのは大きなメリットです。
コイン精米機を使う
コイン精米機は、
硬貨を入れると稼働する精米機です。ホームセンターやスーパーマーケットなどに設置されています。家庭用精米機よりも大きく、
たくさんの玄米をまとめて精米できます。なかには最低10kgから対応しているコイン精米機もあります。
コイン精米機を利用すれば、家庭用精米機を持っていなくても精米可能です。
たまにしか精米しない場合や、
自宅に家庭用精米機を設置するスペースがない場合などにおすすめです。
先述の通り、玄米は白米よりも効果になりやすい傾向がありますが、実際にはどれくらいの価格で、それは白米と比べてどれくらい高いものなのでしょうか?
こちらの記事では玄米の値段について、白米との比較をしつつ解説しています。値段について詳しく知ることで、どのように生活に取り入れていくかのイメージを膨らませてみましょう!
精米で出たぬかは?
玄米を精米して出たぬかには、さまざまな使い道があります。
ぬか漬けや肥料を作るだけでなく、
洗い物や掃除などにも活用可能です。ぬかには油分が含まれており、洗い物や掃除に使うことで、茶渋・水垢・油汚れなどを落としやすくしてくれます。食器洗い用のスポンジにぬかをつけて洗うと、汚れを簡単に落とせます。
掃除にぬかを使用する際は、ガーゼやハンカチなどでぬかを包みましょう。包んだぬかを濡れた雑巾に挟んで床を拭けば、汚れが落ちやすくなるだけでなく、艶も出ます。
精米機で玄米にするには
玄米は、
籾を脱穀したものです。籾は米を収穫してすぐの状態であり、籾殻がついています。
籾殻を取り除く工程は、籾すりと呼ばれています。
籾を玄米にして食べたい場合は、精米機で籾すりを行わなければなりません。籾すりができる機械には、籾をゴムロールで挟んで圧力をかけて取り除くものがあります。
籾を玄米にする精米所
籾を自分で玄米にしたいときは、精米所を利用する方法もあります。一般的に精米所は、玄米を精米するところが多いですが、なかには籾を玄米にしてくれるところもあります。ただし、コイン精米機とは異なり、その場ですぐに精米できるわけではありません。後日引き取りに行く必要があります。
また、コイン精米機のなかにも、籾から精米できるものがあります。精米機に籾を投入すれば自動的に籾すりが始まり、玄米にすることが可能です。
玄米には虫が湧く?
玄米を長期間そのまま保存していると、
虫が湧く可能性があります。玄米に湧くのは、
コクゾウムシや
ノシメマダラメイガです。コクゾウムシは長く伸びた口で玄米に穴を空け、卵を産み付けてしまいます。幼虫は玄米の内部で成長するため、成虫となって出てきたときに発見されるケースが多いです。
ノシメマダラメイガは、卵が米によく似ています。幼虫は玄米の胚乳部分やぬか層を食べて成長するため、玄米の質が落ちてしまいます。
参考:
買い置きしていたお米に、いつの間にか虫がわいてしまいました。どうしたら良いか教えてください。|農林水産省
玄米に虫が湧いたときの対処法
万が一、玄米に虫が湧いた場合は、
日の当たる場所に玄米を広げて虫を取り除きましょう。ピンセットや割り箸を使用すると、虫を除去しやすくなります。また、玄米をよく洗えば、玄米についた虫をさらに取り除くことが可能です。
ただし、玄米に虫が大量に発生すると、
味が落ちてしまう恐れがあります。虫が湧いた玄米を食べてアレルギーを発症する人もいるため、
心配な場合は無理に食べないほうがよいでしょう。
参考:
買い置きしていたお米に、いつの間にか虫がわいてしまいました。どうしたら良いか教えてください。|農林水産省
玄米は食材である以上生き物がよりついてきます。管理するには、そもそも生き物を寄せ付けない冷凍保存が有効かもしれません。
玄米の冷凍保存に関してはこちらの記事で詳しく説明しております。詳しい方法を知りつつ、玄米を生活にどのように取り入れていくかを考えていきましょう。