玄米は体に良いと聞いたことはあるけれど、具体的にどのような健康効果があるのか、あまり知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
玄米には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれており、さまざまな効果が期待できます。
この記事では、
玄米の栄養素やカロリー、ほかの穀物との違いを解説しています。
おいしい炊き方やおすすめのレシピも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
玄米とは
玄米には、
白米と比べてビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれ、健康・美容効果が期待できます。
ここでは、玄米とはどのような米なのか、その特徴を見ていきましょう。
玄米は精米されていない米
玄米は、
収穫した稲からもみ殻を取り除いた、精米していないお米のことです。精米で取り除かれる「ぬか」や「胚芽」などが残っているため、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているのが特徴です。
玄米の見た目は茶色で、独特の風味があります。白米に比べて少し硬く、噛んだ時につぶつぶした食感を楽しめます。
玄米の栄養は吸収されにくい?
玄米のぬか部分には、ビタミンやミネラルなどのほか、不消化繊維が多く含まれます。また、玄米の表面は、硬くて防水性が高い「ロウ層」で覆われています。
そのため、
白米に比べて浸水に時間がかかり、炊き上がりも硬く、良く咀嚼しないと栄養素が吸収されにくい傾向があります。
参考:もち米にも玄米がある
もち米玄米とは、未精米のもち米のことです。もち米は、赤飯・おこわ・餅などを作る際に使われるお米で、通常は精米したものを使用します。
うるち米(一般的な白米)の玄米と違って玄米特有の香りが少ないのも特徴です。
玄米の種類
玄米の主な種類は以下の3つです。
・分づき米
・発芽玄米
・ロウカット玄米
それぞれ、特徴と製法をご紹介します。
分づき米
分づき米とは、
ぬかと胚芽を残したお米のことで、残っているぬかの量によって次の3つに分けられます。
・3分づき米:ぬかが約30%除去され胚芽が残っている
・5分づき米:ぬかが約50%除去され胚芽がほぼ残っている
・7分づき米:ぬかが約70%除去され胚芽の一部が残っている
玄米より柔らかいため、小さなお子さんや初めて玄米を試す方におすすめです。
発芽玄米
発芽玄米は、
玄米に水を含ませ1mmほど発芽させたものです。
GABA(ギャバ)が玄米の3倍、白米の10倍含まれ、血圧を下げたりイライラを鎮めたりする効果が期待できます。他にも、食物繊維・マグネシウムなどが多く含まれます。
また、玄米に比べて柔らかく食べやすいので、玄米が苦手な方や健康志向の方におすすめです。
ロウカット米
ロウカット米は、
玄米の表面にある硬くて防水性の高い「ロウ」層を取り除いているお米です。
玄米の栄養価はそのまま残しつつ、ぬか臭さやボソボソとした食感が解消されています。また、玄米に比べて消化が良く、より多くの栄養を体に取り込むことができると考えられています。
健康志向の方や、玄米の食感が苦手な方におすすめです。
玄米の栄養成分
玄米100gあたりの栄養成分を、以下にまとめました。
・カロリー:346kcal
・たんぱく質:6.8g
・脂質:2.7g
・炭水化物:74.3g
・食物繊維:3.0g
・カリウム:230mg
・カルシウム:9mg
・マグネシウム:110mg
・鉄:2.1mg
・亜鉛:1.8mg
・ビタミンB1:0.41mg
・ビタミンB2:0.04mg
・ビタミンE:1.2mg
・葉酸:27μg
参考:
食品成分データベース 穀類/こめ/[水稲穀粒]/玄米
詳しく見ていきましょう。
玄米のカロリー
玄米100gあたりのカロリーは346Kcalです。白米100gあたりのカロリーは331kcalなので、さほど差がありません。
ただし、GI(グリセミック・インデックス)値は玄米55、白米80と、玄米の方が低値です。GI値が低いほど血糖値の上昇がゆるやかになるため、玄米は白米に比べると太りにくいと言えるでしょう。
参考:
食品成分データベース 穀類/こめ/[陸稲穀粒]/精白米
ビタミンとミネラルが豊富
玄米にはビタミンB群やミネラルが豊富に含まれているため、健康・美容のサポート効果が期待できます。
ビタミンB群は、3大栄養素の代謝を助け、粘膜や皮膚の維持にも関わる栄養素です。水溶性ビタミンなので、毎日摂取する必要があります。
ミネラルの一つであるカルシウムは、骨の重要な構成成分なので、定期的に摂取することで骨粗鬆予防にも役立つでしょう。
また、玄米には他にも、食物繊維・鉄・亜鉛など、日常生活で不足しがちな栄養素が含まれています。食生活が乱れがちな方は取り入れると良いでしょう。
他の穀物との違い
「体に良い」と言われる玄米ですが、他の穀物とはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、白米・もち麦・オートミールとの違いを解説します。
白米との違い
白米は、稲の実からもみ殻やぬか・胚芽を取り除いたものです。玄米にはぬかや胚芽が残っているため、白米は玄米と比べると栄養価が低くなります。
一方で、白米は玄米よりも炊飯が簡単で、柔らかく消化吸収が良いのが特徴です。
もち麦との違い
大麦の一種であるもち麦は、
白米や玄米と比べて、もちもちした食感が特徴的です。硬くなりにくい性質を利用して、サラダやスープに用いられることも多いです。
もち麦100gあたりのカロリーは339Kcalなので、玄米と大きな差はありませんが、食物繊維は白米の25倍、玄米の4.5倍の量が含まれています。
オートミールとの違い
オートミール100gあたりのカロリーは350kcalです。同量だと玄米と大差ありませんが、オートミール1食分の目安は30g程度のため、
1回の食事に換算するとオートミールのほうがカロリーは低くなります。
また、オートミールには玄米の約3倍の食物繊維が含まれていますが、同じく1食分でみると大きな差はありません。
玄米がダイエットにおすすめな理由
玄米は、白米に比べて低カロリー・低糖質というわけではありません。
しかし、玄米にはビタミンB1が豊富に含まれているため、取り入れることで代謝アップが期待できます。また、食物繊維が豊富なので腸内環境が整い、便秘改善効果も期待できます。
さらに、白米に比べるとGI値が低く、食後の血糖値上昇がゆるやかになるので、腹持ちが良く食べ過ぎ防止につながるでしょう。
玄米をおいしく炊くコツ
玄米は白米より炊くのが難しい、と感じている方は多いのではないでしょうか。実際、ぬかに包まれている玄米は、水の吸収が悪く、場合によっては炊き上がりに芯が残ったり、硬さやパサパサ感が出てしまうことがあります。
玄米を炊く際は、
しっかり浸水させるのがポイントです。6時間以上は浸水できるよう、夜浸水させて朝炊き上がるように炊飯器をセットするのがおすすめです。
水の量は、炊飯器の内釜の線より少し多めに入れると、パサパサ感が出にくくなります。また、玄米1合に対して塩をひとつまみ入れると、アクを抜いて皮を柔らかくしてくれるため、おいしい玄米が楽しめます。
玄米を使ったおすすめ料理とスイーツ
ここでは、玄米を使ったおすすめ料理とスイーツをご紹介します。玄米は、アレンジ次第でより一層おいしく楽しめるので、ぜひ参考にしてください。
料理①切り干しと塩昆布と椎茸の玄米炊き込みご飯
炊飯器に全ての材料を入れて、炊き上がったら混ぜるだけ。簡単レシピです。
材料 (3人分 2合)
減塩醤油 大さじ2
本みりん 適宜
和風顆粒出汁 大さじ1
切り干し大根 適宜
人参 適宜
乾燥椎茸の水戻し 6個
刻み白滝 1パック
玄米 2合
塩昆布 適宜
作り方
1 20分吸水する。炊飯する。
2 炊き上げたら
3 撹拌する。出来上がりです。
引用:クックパッド
料理②玄米せんべい
余った玄米ご飯をのばして焼くだけ。トッピング次第でいくらでもアレンジできます。
材料
玄米(炊いたもの) 200g
塩 小さじ1/2
トッピング(海苔、ごま、青のり、ちりめん、など) 適量
作り方
1 玄米に塩を混ぜ、クッキングシートの上に広げる。
2 上からもう1枚クッキングシートをかぶせ、めん棒を使って2~3㎜の厚さに伸ばす。
3 丸型でくり抜いたり、食べやすい大きさに切り形を整える。
4 フライパンにクッキングシートをしき、3を並べ、お好みでトッピングをのせる。
5 中火でせんべいの表面がパリッと乾くまで焼いたらクッキングシートをはずし焼き目が付くまで両面焼く。
引用:クックパッド
料理③揚げ玄米団子おろしのせ
外はカリッと、中はもちもちでおいしい玄米団子です。
材料 ( 2 人分 )
玄米ご飯 茶碗2杯分
白ゴマ 大さじ1
塩 少々
<衣>
小麦粉 大さじ2
水 適量
揚げ油 適量
大根おろし 1カップ
ショウガ(すりおろし) 適量
ネギ(刻み) 適量
麺つゆ(ストレート) 適量
下準備
<衣>の材料を混ぜ合わせ、スーッと流れ落ちる位の濃度にしておく。
揚げ油を180℃に予熱し始める。
大根おろしは軽く汁気をきる。
作り方
1 玄米ご飯に白ゴマ、塩を混ぜ合わせ、ひとくち大の団子状に丸める。
2 (1)の玄米ご飯に<衣>をつけ、180℃の揚げ油でカラッと揚げる。
3 器に(2)を盛って大根おろし、ショウガをのせ、刻みネギを散らして麺つゆを添える。
引用:E・レシピ
スイーツ①玄米甘酒
飲む点滴、と呼ばれる玄米甘酒を手作りしてみませんか。
材料5人分(― )
米麴(または玄米麴) 500g
玄米 1カップ
水 3カップ
冷水 2カップ
塩 小さじ½
作り方
ポイント
*つぶつぶが残ったままが好きなかたは、飲むときにミキサーにかけず、そのまま薄めていただいてください。 *おかゆをつくった状態でミキサーにかけてから米麹をまぜ、醗酵させるとさらに甘みが増します。
1 玄米を洗って、水3カップと共に炊飯器に入れ、おかゆモードでおかゆをつくる。炊きあがったら冷水2カップを加える。
2 米麴(または玄米麴)を加えて混ぜ合わせる。
3 炊飯器のふたを開けたまま保温スイッチを押し、まきすなどをかぶせて一晩(8〜9時間)置いておく。 さらに炊飯器のふたを開けたまま炊飯スイッチを押し、20分程度加熱する。
4 塩を入れて混ぜ合わせ、保存容器に移して冷ます。 お好みでミキサーにかけ、熱湯で倍量に薄めて生姜のすりおろしを加えていただきます。
引用:Nadia
スイーツ②炒り玄米のジンジャークッキー
ざくざく食感がクセになります。
材料4人分
玄米 大さじ3
A小麦粉 100g
A甜菜糖 大さじ3
Aジンジャーパウダー 小さじ2
A太白ごま油 大さじ3
A塩 1つまみ
作り方
ポイント
玄米は弱火でじっくり火を入れることで芳ばしさをUPさせます。
準 玄米を水で研ぎ、ザルにあげたら水気をしっかりと切る。
1 玄米をフライパンに入れたら弱火で乾煎りする。パチパチと音がして芳ばしい香りがしてきたら火を止めて粗熱を取る。
2 フードプロセッサーに1の玄米とAをすべて加えて全体がまとまるまで攪拌する。
3 フードプロセッサーから生地を出し、クッキングシートに生地を広げて7mm程度の厚さまで伸ばす。
4 幅7mmt程度の棒状にカットしたら180度に予熱したオーブンで20分程度焼く。
引用:Nadia
まとめ
玄米の栄養素やカロリー、白米やオートミールなど、ほかの穀物との違いなどを解説してきました。
玄米は精米されていないため、ぬかや胚芽部分に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。白米と比べてカロリーや糖質にさほど差はありませんが、含まれる栄養成分によって、ダイエット・便秘解消など、健康・美容効果が期待できるでしょう。
今回紹介したおいしい炊き方やレシピを参考にして、日常生活に取り入れてみてください。