サブラージュ法について知ろう
クッキーやタルト生地を作るとき、バターをクリーム状にして作る「クレメ法」の他に、「サブラージュ法」という製法があるのをご存じですか?
今回はサブラージュ法での作り方や、クレメ法との比較などをご紹介します。
クレメ法との違いはどこ?サブラージュ法の特徴
家庭でのクッキーやタルト作りによく使われるのが、「クレメ法」と呼ばれる製法。
やわらかくしたバターをクリーム状にしたものに砂糖と卵を加えた後、小麦粉で生地をまとめる製法です。
「クレメ」とは、「crémer=クリーム状にする」というフランス語から付けられた名前。
では、「サブラージュ法」とはどんな製法なのでしょう?
「サブラージュ」とは、「sablage=砂のようにさらさらにする」というフランス語。
これは、かたいバターと小麦粉を混ぜて砂状になるように混ぜ合わせる工程から、こう呼ばれています。
簡単に説明すると、小麦粉と砂糖を合わせたところに小さく切った冷たいバターを入れて両手で擦り合わせ、卵で生地をまとめる製法のこと。
最初に小麦粉とバターを合わせておくことで、その後加えた水分によるグルテンの発生を抑えることができます。
グルテンは、小麦粉に含まれるタンパク質と水分が結びついてできる物質。
お菓子作りでは、生地に粘りと弾力が出る原因になります。
グルテンができにくいサブラージュ法は、よりさくさくとした食感の生地を作ることができるのです。
サブラージュ法の工程
では、サブラージュ法でのクッキー生地の作り方を詳しくみていきましょう。
下準備
- バターを計量したら小さくカットし、冷蔵庫で冷やしておく。
- 卵も、割って計量した後は冷蔵庫で冷やしておく。
作り方
- 薄力粉をボウルにふるい入れ、砂糖と塩も入れて混ぜ合わせる。
- 冷蔵庫から出したてのよく冷えたバターを加える。
- カードを使ってバターを手早く刻む。
- 指でバターをギュッとつまむようにして擦りつぶす。
- 手のひらを使って擦り合わせ、バターをさらに細かくする。
- バターが細かくなり、全体がさらさらとした粉チーズくらいになればよい。
- 卵を加える。
- カードで刻むようにしながら、混ぜ合わせる。
- ある程度なじんで粉っぽさがなくなってきたら、手で押さえるようにして生地をまとめる。
- ひとまとまりになったら、ラップに包んで冷蔵庫で休ませる。
*目安は、バターが小豆大くらいになるまで。
コツは、手の熱でバターが溶けないように手早く行うことです!
フードプロセッサーならもっと簡単
慣れないと難しそうなサブラージュ法ですが、簡単に行う方法があります。
それは、フードプロセッサーを使うこと。
フードプロセッサーを使うと、サブラージュ法と同じような状態にすることができます。
作り方
- 薄力粉と砂糖、塩をフードプロセッサーに入れて撹拌する。
- 小さくカットして冷やしておいたバターを入れて撹拌する。
- 卵を入れて撹拌する。
フードプロセッサーを使うと、手の熱でバターを溶かさずに生地を作ることができるんですね。
*フードプロセッサーを使った詳しい作り方は、cottaコラム「初心者さんにこそおすすめしたい!フードプロセッサーで簡単お菓子作り♪」をご覧ください。
サブラージュ法とクレメ法で作ったクッキーの比較
同じ材料を使ってサブラージュ法とクレメ法でクッキーを作ると、出来上がりにはどんな違いがあるのでしょうか?
見た目と味を比べてみました。
今回のサブラージュ法はフードプロセッサーを使っています。
見た目
フードプロセッサーを使ったサブラージュ法はきめ細かく作ることができるので、表面がよりなめらかに。
断面に関しては微妙な差ですが、サブラージュ法はきめが詰まって整っていて、クレメ法はきめが粗く見えます。
味
サブラージュ法はさくさくとした食感。クレメ法は口の中で崩れるようなもろさのある食感に。
バターに空気が含まれないため、サブラージュ法のほうがバターの風味を強く感じることができます。
どちらがおいしいかは好みにもよります。
ただ、同じ材料でも製法が違うと食感や風味が変わることを知っておくとよいと思います。
動画でおさらい
最後に
いかがでしたか?
作りやすさだけでなく、どんな生地を作りたいかも考慮して、サブラージュ法にするのかクレメ法にするのかを選べると、お菓子作りがもっと楽しくなりますね。