レシピによって違うベーキングパウダーの有無
お菓子のレシピでよく見るベーキングパウダー。
同じお菓子のレシピでも、ベーキングパウダー「なし」のものと「あり」のものがあることに、疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ベーキングパウダーの有無で仕上がりに違いが出るの?
どっちがおいしいのかな?
そんな疑問を、今回はフィナンシェで検証してみたいと思います。
フィナンシェを焼いて検証
フィナンシェはベーキングパウダーを入れないレシピが主流。ですが、中にはベーキングパウダーを入れるレシピも。
そこで、ベーキングパウダー「なし」と「あり」の2種類を焼いて、見た目や食感で比較します。
材料(8個分)
- 無塩バター…50g
- 卵白…50g
- 細目グラニュー糖…40g
- はちみつ…10g
- アーモンドパウダー…30g
- 薄力粉…20g
- ベーキングパウダー…1g
松永製作所 シルバーフィナンシェ天板 8P
冷凍冷蔵 北海道よつ葉バター 食塩不使用 450g
cotta 生アーモンドパウダー 200g
ラムフォード ベーキングパウダー(アルミフリー) 114g
条件
- ベーキングパウダー以外の材料は同量。
- 「松永製作所シルバーフィナンシェ天板8P」を使用。
- 生地は休ませずに温かいうちに型に入れ、180℃のオーブンで15分間焼成。
比較結果
見た目
表面の焼き目
- ベーキングパウダーなし…なめらか。
- ベーキングパウダーあり…ふっくらと盛り上がり、気泡のようなものが見える。
底面
- ベーキングパウダーなし…周囲に白いラインができる。
- ベーキングパウダーあり…全体的にこんがりと焼けている。
生地の厚さ
- ベーキングパウダーなし…型の深さとほぼ同じ。
- ベーキングパウダーあり…型より上に膨らんだ分、厚さがある。
断面
- ベーキングパウダーなし…きめが細かく、生地がギュッとしまっている感じ。
- ベーキングパウダーあり…生地の中に空気が含まれていて、やわらかな感じ。
食感
- ベーキングパウダーなし…きめ細やかでしっとりした食感。
- ベーキングパウダーあり…しっとり感もありつつ、ふんわり軽い食感。
どちらを選ぶ?
食感の好み
ベーキングパウダー「なし」と「あり」では食感がまったく違うので、どちらが好みかが重要。
フィナンシェといえば、きめ細やかな生地でしっとりした食感のお菓子。
でも、ふんわりとした食感のほうが食べやすくて好きという方は、ベーキングパウダー入りのほうが好みかもしれません。
食感の違いは焼いた当日でもはっきりとわかりますが、翌日以降ではさらに違いが明確に。
底面を上にするのか、焼き目を上にするのか
フィナンシェはフランス語で「お金持ち」や「金融家」という意味があり、形が「金塊」に似ていることから名付けられたという由来があります。
金塊のように並べるなら、焼成時の底面が上に。
ベーキングパウダーなしのほうが、金塊らしい雰囲気があるように見えませんか?
焼き目を上にすると、また違う印象に。
ベーキングパウダーありのほうはふっくらとしているので、やわらかくおいしそうに見えますよね。
あえておへそを作って、焼き目を上にするレシピもあるんですよ。
*ベーキングパウダーを使ってもおへそが出るとは限りません。型の深さ・生地温度・焼成温度などで違ってきます。
トッピングするなら
ナッツやドライフルーツなどをトッピングして焼き上げる場合はどうでしょう。
見た目の好みになると思いますが、個人的にはベーキングパウダーなしのほうがすっきり見えると思います。
ラッピング
ラッピングする際も、どの面を見せるかによって印象は大きく変わります。
皆さんは、どのタイプがお好みでしょうか。
どんなお菓子を焼きたいかイメージしてみて
ベーキングパウダー「なし」と「あり」のレシピで悩んでしまうとき。
そんなときは、どんな食感のお菓子にしたいか、どんな見た目にしたいかなど、いくつかの要素を考慮して決めると良いと思います。
今回の比較を参考に、まずはお気に入りのフィナンシェのレシピを見つけてみてくださいね!
ちなみに、マフィンやスコーンなどはベーキングパウダーの力で生地を膨らませるお菓子。
少量だからといってレシピから抜いてしまうのは、失敗の原因になるのでご注意を。