実は失敗しやすい絞り出しクッキー
使う口金や絞り方によって、いろいろな形のかわいいクッキーが焼ける絞り出しクッキー。
型抜きやアイスボックスのクッキーとはまた違った魅力がありますよね。
でも、簡単そうに見えて、意外と難しくありませんか?
今回は、上手に絞るための生地作りのポイントや、絞り方について解説します。
絞り出しやすい生地のかたさは?
生地を作り終えて絞り出そうとしたときに、うまく絞れないことはありませんか。
絞り出しやすい生地のかたさとは、どのような状態なのでしょう。
かたすぎる生地で絞ると…
- 絞り終わりがぶつっと切れてしまい、きれいな丸にすることができない。
- 生地温度を計ると18℃くらい。
また、生地がかたいのに無理に力を入れて絞ると、口金が絞り袋の先から出てきてしまうことも。
薄手の絞り袋の場合は袋の途中が破れ、そこから生地が漏れてしまうこともあります。
絞りやすいかたさの生地で絞ると…
- 途切れずに最後までなめらかに絞り出せる。
- 生地温度はだいたい23~25℃くらい。
ちょうどよいかたさの生地にするポイントはバターの温度
バターをクリーム状にするときに温度が低いまま他の材料と混ぜていくと、出来上がりの温度も低くかたい生地に。
バターを室温に戻すときに、25℃前後のやわらかめの状態にすることをおすすめします。マヨネーズくらいのやわらかさをイメージするとわかりやすいでしょうか。
バターを25℃前後にしておくと、生地を作り終えたときに23〜25℃くらいの温度になるので、絞りやすい生地が出来上がります。
生地温度が高めだとやわらかく絞りやすいですが、オーブンに入れるとバターがすぐに溶けてしまい、きれいな形に焼き上がらない可能性が。
その場合は、絞った後に冷蔵庫(冷凍庫でも可)で冷やしてから焼くと、きれいに焼き上げることができます。
作業する環境の温度にも注意が必要
冬など室温が低いときは、作業していると生地の温度がだんだん下がってしまい、かたくなることも。
ボウルの下に温めた布巾を敷いて作業をするなど、生地の温度が下がらない工夫をすると良いでしょう。
逆に、夏など室温が高いときは生地がやわらかくなりすぎてしまうので、バターが溶けないように冷蔵庫に入れるなどして調整しましょう。
卵白・全卵・卵黃。絞り出しクッキーに使う卵はどれを選ぶ?
全卵だけでなく卵黄を使うことも多い型抜きクッキーやアイスボックスクッキーに比べ、絞り出しクッキーには卵白を使うレシピも。
使う卵を、卵白・全卵・卵黃と変えると、絞り出しクッキーの焼き上がりはどうなるのでしょうか。
条件
- 使用するレシピは下記。
- 卵のみ、卵白・全卵・卵黃と変えて比較。
材料
- 無塩バター…75g
- 粉糖…30g
- 塩…少々
- 卵…15g
- 薄力粉…90g
見た目
卵白
- 色が白く、焼き色があまり付かない。
- 絞りの線がくっきり出やすい。
全卵
- 卵黄に比べるとやや白っぽい。
- 絞りの線は卵白のものと変わらず、くっきり。
卵黄
- 色が黄色く、焼き色が付きやすい。
- 焼くと、絞りの線が少しだれて広がっている。
味・食感
卵白
- あっさりとした味わい。
- 食感はさくっとしていて、全卵や卵黄よりもかたい。
全卵
- 味も食感も、卵白と卵黄のちょうど中間。
- 卵白と同じようにさくっとしているが、そこまでかたくはなく、卵黄ほどのもろさもない。
卵黄
- コクがある味わい。
- 食感はホロッとしていて、口の中で崩れていくような感じ。
- 卵白や全卵に比べると、クッキー自体がもろくて割れやすい。
考察
絞り出しクッキーに卵白を使うことがあるのは、下記二つの理由が大きいと思われます。
- 絞り出しの線がきれいに出る
- しっかりとしたかたさがあるので、焼成後に割れにくい
卵白・全卵・卵黄、それぞれの特徴を把握して使うのであれば、絞り出しクッキーに使う卵は好みで選んでいいと思います。
あっさりとしたクッキーにしたいのか、コクのあるクッキーにしたいのか、割れにくいクッキーにしたいのか。
他の材料が一緒でも、味わいや食感の異なるクッキーになることを覚えておくといいですね。
ちなみに、型抜きクッキーに卵白を使用すると、焼き上がりがかなりかたくなってしまいます。
*詳しくは「全卵?卵黄?卵白?クッキー生地に使う卵はどれを選ぶ?」のコラムをご覧ください。
絞り出しクッキーは型抜きクッキーに比べてバターの割合が多いので、卵白を使用してもそこまでかたくならないんですね。
絞り出しクッキーのデザイン
さまざまな絞り方
絞り出しクッキーを作るときに、どの口金を使えばいいのか迷ってしまうことはありませんか。
口金別にさまざまな絞り方をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
丸口金・桜口金
星口金6切
星口金12切
星口金8切
使用する口金によって雰囲気が変わる
一言で「星口金」といっても、絞り口の大きさはさまざま。その大きさによって、絞りやすさや雰囲気が変わってきます。
下の画像は、切り込みの数が違う星口金でリングに絞ったクッキーです。
また、切り込みの数だけでなく、切り込みの深さや絞り口の直径によっても見た目は変わってきます。
左は、切り込みが深く、絞り口の直径が15mmのもの。生地の出る量が多く、焼き上がりの高さは1cm。
右は、切り込みが浅く、絞り口の直径が10mmのもの。生地の出る量が少なく、焼き上がりの高さは6mm。
切り込みが深い口金を使用すると、生地が多く出るので形も大きく。そのため、慣れないときれいな形を作るのが難しいといえます。
小さめのクッキーを作りたいときは、切り込みが浅いもののほうが作りやすいでしょう。
絞り出しクッキーには、絞り口の直径が10mm以上というのを一つの目安にして選ぶのがおすすめです。
動画でおさらい
自分好みの絞り出しクッキーを見つけてみて!
絞り出しクッキーはポイントを押さえれば生地を寝かせる手間などもなく、気軽に作れます。
チョコやナッツなどでデコレーションすれば、プレゼントにもぴったり!
自分好みの生地や絞り方を見つけて、絞り出しクッキーを楽しんでくださいね♪