真っ黒なココアパウダーの使い方をお教えします!
ハロウィンやバレンタイン時期になると、真っ黒なココアパウダー「ブラックココア」を使ってお菓子を作ることがありますよね。
そもそもブラックココアパウダーは、普通のココアパウダーとどう違うのでしょう?
今回はブラックココアパウダーについて、比較を交えながら詳しく解説していきます!
ブラックココアパウダーとは?
ブラックココアパウダーとは、真っ黒なのが最大の特徴であるココアパウダー。「ココア」と名がついているとおり、原料はもちろん普通のココアと同じカカオ豆です。
ココアパウダーは、カカオマスを搾油して「ココアバター」を取り除いた「ココアケーキ」を粉砕したもの。
この製造工程でアルカリ処理を行い、強い酸味を中和したものが通常のココアパウダー。
アルカリ処理の濃度や温度・時間など調整することで、真っ黒にしたものがブラックココアパウダーとなります。
調整した結果、ブラックココアパウダーは真っ黒になりますが、カカオの風味はほとんど失われ、苦味を感じる仕上がりに。真っ黒だから風味も強いと思われがちですが、実は色付けを目的とされ、香りも味も弱い製品なのです。
ブラックココアパウダーに“普通のココアと混ぜて使いましょう”と記載されていることが多いのは、このためなのですね。
普通のココアパウダーと比較!
ブラックココアパウダーを使うと、普通のココアパウダーで作るお菓子とどのくらい違いが出るのでしょう?
ココア以外は全て同量でマフィン生地を作り、比較してみました。
ブラックココアパウダー
- 焼き面・断面共に真っ黒な仕上がり。
- カカオの香りはほとんどしない。
- 程よく苦味があり、甘さ控えめな風味。
ココアパウダー
- 焼き面・断面共に赤味を帯びた茶色。
- 香ばしく豊かなカカオの香り。
- ブラックココアのものより甘く感じる。
ブラックココアパウダーを使ったものはココアパウダーに比べると、やはりカカオの風味や香りが弱く感じました。
2種をブレンドしたらどうなる?
では、ブラックココアパウダーとココアパウダーを半量ずつ混ぜて作ってみるとどうでしょう?
色味や香りがどう変化するかも比較してみました。
色味はほぼ中間といったところですが、かなり黒に近い色合いに。
香り・味はブラックココアパウダーだけのものより強く、程よいビター感も加わって◎
両方の良いところをバランスよく取り入れられました。
まとめ
結果的に一番黒く仕上がるのは、ブラックココアパウダーのみを使用したもの。とにかく真っ黒なお菓子を作りたい!というときはブラックココアパウダーだけを使用するのがおすすめです。
黒さも欲しいけどココアの風味もしっかり出したい!というときは、普通のココアパウダーと混ぜて使うとよいでしょう。
作るお菓子に何を求めるのかによって、上手く使い分けしていきたいですね。
ブラックココアパウダーの使い方例
1.普通のココアやチョコレートと混ぜて使う
色は真っ黒にしたいけどカカオの風味・香りもしっかり出したい!という場合は、ココアパウダーやチョコレートと合わせて使うのがおすすめ。
2.ほろ苦さをアクセントにしたお菓子作りに
普通のココアパウダーよりも苦味が出るので、ちょっぴりほろ苦いお菓子を作りたいときに。
甘味の強いクリームやホワイトチョコなどと合わせると、バランスよく深みのあるお菓子に仕上がります。
3.アイシングの色付けにも
ロイヤルアイシングにブラックココアパウダーで色付けすると、真っ黒なアイシングに。
少しだけ黒が欲しいとき、黒の色素がないときにも活用できます。
ただ、真っ黒になるまでブラックココアパウダーを入れると、かなりかたくなるので水分量の調整が必要です。
調整する水の量は微量なため、少しずつ入れて様子を見てください。
好みの色合いになるまでブラックココアパウダーを入れたら、霧吹きなどで少しずつ水分を足していく方法が◎
しっかり黒くなるまで入れると、味はやはりココア味になります。その点はご理解ください。
アイシングを作って実験してみた
アイシングカラー黒と同じくらい真っ黒にするのであれば、ロイヤルアイシングに対して1割程度のブラックココアパウダーを入れると同程度の色合いになります。
下の画像の色合いで、アイシング30gに対してブラックココアパウダーを約3g加えています。
ココアの油分は影響あるの?
ココアパウダーには油分がありますよね。
この油分がアイシングに影響を与えるのかというと、作業性に特に悪い部分はありませんでした。
乾く時間もアイシングカラーを使用した場合とほぼ変わらないという結果に。
時間がたつとどうなるの?
せっかくなので、4日後の状態もチェックしてみました。
ガス袋に乾燥材と一緒に入れて、シーラーで密封していれば、油分でにじむこともなく、きれいなまま。
ただ、見た目は良かったのですが、食べてびっくり!
ブラックココアアイシングをベタ塗りしたクッキーは、湿気気味。
白アイシングにブラックココアアイシングで線描きしたものや、アイシングカラーを使用したものはパリッと乾燥していて、クッキーもサクサクのまま。
ブラックココアアイシングをベタ塗りしたものも、完全に乾いてはいるのですが、他に比べるとやわらかめの食感で、クッキーはしっとり。
ココアの油分の影響か、調整で水を多めに入れたのが原因かなと想像しています。
この結果から、ブラックココアパウダーでアイシングに色付けしたい場合は、ベタ塗りは避けるのがおすすめ。
他のカラーの上に重ねたり、ちょっと線を描いたりするくらいなら、じゅうぶん使えます!
ブラックココアパウダーを生かして!nyonta流スイーツレシピ
ココア市松クッキーのレシピ
ブラックココアパウダーは真っ黒なのが最大の特徴。ぜひ色を生かしたお菓子に使いたいですよね。
ココアパウダーで作った生地と合わせて市松クッキーを作ると、カカオの風味も感じられながらメリハリのある色合いに。ほろ苦い風味も加わっておいしいですよ♪
「ココア市松クッキー」の詳しいレシピページはこちら。
ブラックシャンティショコラのレシピ
ブラックココアパウダーを使用したジェノワーズに、チョコクリームをサンドしたシンプルなチョコレートケーキ。
ココアパウダーは使わず、ブラックココアパウダーのみで作ってみました。
濃厚そうに見えますが、ちょっぴりビターなジェノワーズはふんわり軽く、甘いチョコクリームがベストマッチ。
ハロウィンやバレンタインなど、いろいろなシーンでデコレーションのアレンジが楽しめますよ♪
「ブラックシャンティショコラ」の詳しいレシピページはこちら。
漆黒のお菓子作りにブラックココア♪
真っ黒なお菓子に欠かせないブラックココアパウダー。
ただ黒く仕上がるだけじゃなく、苦味を強調したり、いつものココアを使ったお菓子に深みを加えたりもできることがわかりました。
特性を理解して使えば、カカオの味を存分に生かしたおいしいスイーツに♪
ブラックココアパウダーで漆黒のスイーツ作りをお楽しみください。