お菓子作りに必要な「塩」について知ろう!
お菓子のレシピによく書かれている「塩ひとつまみ」。なぜお菓子に塩が必要なのでしょうか?
「必ず入れなくてはいけないの?」という疑問や、有塩バターではだめな理由についても詳しく解説!
お菓子作りにおすすめの塩もご紹介します。
塩の種類
まず、よく聞く「精製塩」と「粗塩」について解説します。
精製塩とは
精製塩とはその名のとおり、精製された塩。「食卓塩」「食塩」などと呼ばれています。
固まりにくく、サラサラしているのが特徴。
塩化ナトリウム99%以上のもので、海水に含まれているミネラル分が取り除かれています。
精製塩は製造法が簡単でコストも最小限に抑えられるため、大量生産しやすく広く流通しています。
粗塩とは
粗塩とは、海水のミネラルを残したままの塩。「自然塩」「天然塩」などとも呼ばれます。
海水に含まれる“にがり”やミネラル分を多く含んでいるので、しょっぱいだけでなく、まろやかなうまみも感じます。
お菓子作りにおすすめなのは、粗塩。
精製塩だと、ミネラルなどが取り除かれているぶん塩気が強く、ダイレクトに伝わってきます。同じ量の塩を入れても、粗塩で作るよりもしょっぱく感じてしまうかと思います。
お菓子作りに塩が必要な2つの理由
お菓子の生地に塩を入れるのはなぜなのでしょう?理由を解説します。
理由その1.味に締まりが出て、甘みが引き立つから
クッキーやタルト生地などに入れる理由は、わずかな塩味によって甘みが引き立ち、おいしく感じるから。
お菓子の生地に塩を少し入れることで、甘みを感じやすくなるのです。
といっても、たくさん入れるとしょっぱくなってしまいます。
そのため「ひとつまみ」と指定して入れるレシピが多いんですね。
あんこをイメージするとわかりやすいかもしれません。
理由その2.グルテンを強くするから
小麦粉に塩を加えると、グルテンの網目構造が細かくなります。弾力もほどよく強まり、薄くのばすことができるのです。
この特性をいかしたのがパイ生地。
塩を入れるとグルテンのコシが強まり、焼いたときに一枚一枚がしっかりとしたかたさを持った層になります。
また、シュー生地も塩を入れることでしっかりとしたグルテンを作り、なめらかでのびのある生地になって膨らみます。
味を整えるために入れる場合や、グルテンを出すために入れる場合など、お菓子に塩を入れるには理由があります。
しかし、何にでも塩を入れるというわけではありません。
お菓子の種類によっては塩を入れないものもあり、その理由は味だったり、他の材料との兼ね合いだったり。
レシピは、さまざまなバランスを考えて作られているのですね。
有塩バターではなく無塩バターを使うのはなぜ?
お菓子作りには、なぜ無塩バターが使われるのでしょう。
塩を入れる必要性があるのなら、有塩バターを使えばよいと思いませんか?
有塩バターの塩の含有量は、100g中1.6g(メーカーによって多少差があります)。
一方、塩ひとつまみは0.2〜0.5g程度。
有塩バターを使用した場合と、無塩バターを使用してひとつまみの塩を入れた場合では、塩の量に大きな差が出てしまうのです。
有塩バターを使用すると、かなり塩味を感じるお菓子に。
甘みを引き立てるための塩は、無塩バターを使用して塩の量を調整したほうが好みの味にしやすいのです。
一度使ってみてほしい!おすすめの塩
cottaさんで取扱いのある、お菓子作りにおすすめの塩をご紹介します。
フルール・ド・セル
メキシコまたはオーストラリアから輸入された天日塩田塩を、日本の海水で溶かして原料とした塩。
じっくりと時間をかけて結晶させるため大粒で、カリッとした歯ごたえと穏やかな塩味が特徴。
見た目がキラキラしているので、お菓子のトッピングにも向いています。
ゲランドの塩 エクストラファン(微粒)
フランス・ブルターニュ半島南部のゲランド塩田で、海水から作られる塩。
塩田の海水が結晶化する夏の間に熟練の塩職人の手によって収穫されます。
ほんのりと甘みのある滋味豊かな天日塩。
パウダー状なので、生地にも混ぜ込みやすいです。
塩の選び方
ご紹介した2つの塩はどちらもおいしく、お菓子作りに◎
そのため、どちらが好みの味かという観点で選んでいただければ問題ありません。
例えばクッキーなら、どちらかというとパウダー状の「ゲランドの塩 エクストラファン(微粒)」のほうが生地全体になじんでいる感じがします。
「フルール・ド・セル」は、粒が明らかに残っているというわけではありませんが、生地の中にアクセント的に塩味を感じます。
cottaさんには、他にもおいしい塩がいろいろあります。
好みの味わいの塩を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
もちろん、パン作りや料理にも使えますよ!
お気に入りの塩でお菓子作りをさらに楽しく!
「ひとつまみ」だけでも影響力のある塩。
お菓子作りにおける縁の下の力持ちですね。
砂糖や薄力粉にこだわるように、ぜひお気に入りの塩を見つけて使ってみてください。