話題の米粉の使い勝手を大検証!
体に優しいお菓子作りでも大活躍の米粉。使ってみたいけど、薄力粉のレシピをそのまま置き換えるだけでうまく作れるのでしょうか?
今回は、cottaさんでも取り扱いのある製菓用の米粉「ミズホチカラ」を使って、スポンジ・パウンドケーキ・クッキーを作成。
薄力粉と同分量で置き換えて、その違いを見てみましょう♪
薄力粉は全て「ドルチェ」を使用します。
薄力粉と米粉の違い
薄力粉は、軟質小麦を製粉して作られる小麦粉の一種。
米粉は、うるち米やもち米を製粉したもの。
2つの違いをざっくりと見てみましょう。
違いその1.グルテンの有無
お菓子作りをする上で、薄力粉と米粉の決定的な違いは、グルテンを含むか含まないか。
小麦粉は水分と結びついてグルテンを形成することによって粘りや弾力、コシを生み、いろいろな役割を担います。
米粉にはこのグルテンが含まれないので、置き換えをすることによって全く同じ仕上がりにすることは難しいと想像できますね。
違いその2.風味
小麦とお米では風味が異なるため、もちろんお菓子の風味も変わります。
違いその3.吸水率、吸油率
薄力粉より米粉のほうが、吸水率が高く、吸油率は低いです。
スポンジケーキを作って比較してみた
薄力粉のレシピを米粉に置き換えると、スポンジケーキではどんな違いが出るでしょうか(全て同じ分量で、粉だけ置き換えます)。
生地の状態
薄力粉
少しもったりとした感触がある。
米粉
さらっとしているように感じる。
焼いてみると、薄力粉のほうが色付きが良いです。
断面
一晩置いてカットしてみました。
どちらもきめ細かくふんわりした印象。ぱっと見た感じ、気泡は同じように仕上がっています。
薄力粉
米粉に比べ、やや弾力がある。
食感のしっとりさは、薄力粉のほうが感じられる。
米粉
米粉のほうは、ふわふわ。
パウンドケーキを作って比較してみた
パウンドケーキではどんな違いが出るでしょうか(全て同じ分量で、粉だけ置き換えます)。
生地の状態
薄力粉のほうが、やや粘り(重み)を感じる生地になっています。
焼き上がり
薄力粉のほうは、やや弾力があって、しっとり。
米粉のほうは、やや軽く歯切れがよい印象でした。
クッキーを作って比較してみた
クッキーではどんな違いが出るでしょうか(全て同じ分量で、粉だけ置き換えます)。
スポンジケーキ、パウンドケーキと比べ、クッキーではかなり違いが出ているのが分かると思います。
生地の状態
薄力粉
きれいにまとまる。
米粉
薄力粉と同量の米粉を加えると、生地がなかなかまとまらない。
焼成後
なんとかのばして焼成するも、米粉はひびが目立つ仕上がり。
薄力粉のものは香ばしさがあり、米粉のものは優しい味わいです。
米粉の量を減らして実験してみた
米粉の生地は繋がりが悪く、焼き上がりにも差が出たため、米粉の量を減らしてみました。
分量は、薄力粉の80%。
小麦粉と同量の米粉を加えた生地と比べると、状態の違いは明らか。
ちゃんとまとまり、なめらかにつながります。
焼き上がりも、ひびが入ることなく仕上がりました。
米粉で焼くクッキーの特徴
同じプレートにのせて一緒に焼きましたが、米粉のほうは焼き色が薄く仕上がりました。
どちらもサクサクしていますが、米粉のほうがより崩れるような食感。
薄力粉と同量の米粉を加えたものは、少し粉っぽさを感じ、80%にしたもののほうが軽く食べやすかったです。
米粉を使う場合の注意点
米粉といっても、うるち米ともち米の違い、お米の種類による違い、製菓用・パン用の違い、粒子の違いなどなど、いろいろな製品があります。
製品によって吸水率も変わるため、今回はあくまでも「ミズホチカラ」を使用しての結果です。
※同様に、薄力粉も種類が変わると仕上がりが変わるので、今回は「ドルチェ」での仕上がり比較とご承知おきください。
上手に使えば、米粉は強い味方になる!
今回は、スポンジケーキ・パウンドケーキ・クッキーの3種を、薄力粉と米粉で作り比べてみました。
仕上がりに違いはありますが、スポンジケーキとパウンドケーキはそのままの分量でも置き換え可能。
クッキーの結果を見ると、水分量が少ないものほど、水分量を増やしたり、米粉を減らしたり、という調整が必要そうですね。
米粉を使うと、食感をふんわりさせたり、軽くしたりすることができます。
また、焼き色や風味が優しくなるので、他のフレーバーと合わせるときにも重宝しそう。
アレルギー対応や体に優しいお菓子作りのためだけじゃなく、米粉を使うことによって、イメージした食感や風味にするのに役立つこともあると思います!
いろいろと活用してみてください♪