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パンデローのレシピ、「半熟カステラ」の作り方

date
2024/05/29
writer
an
category
お菓子作り

カステラのルーツとされるケーキ、パンデロー

カステラのルーツといわれているポルトガル菓子、パンデロー。
日本では「半熟カステラ」としてブームになったことがあるので、その名前でピンとくる方もいるのではないでしょうか。

今回は、パンデローがおうちで焼けるレシピをご紹介します。

パンデローとは

パンデローとは、修道院生まれのケーキで、イースターやクリスマスなどキリスト教の行事に欠かせないポルトガルの伝統菓子。
今ではイベントの時だけでなく日常的に食べられ、パンデローの祭りが毎年開催されるほど本国で愛されています。

名前の由来には諸説ありますが、中でも「絽のパン」という説が有力なのだそう。
「絽(ロー)」はシルクロードから伝わった絹織物の一種を表す言葉で、絹の薄い布地に似ていることから名づけられたとされています。

ポルトガル全土で作られますが、地方によって配合や形はさまざま。内側の焼き加減も生っぽいものからしっかり火を通したものまでいろいろあります。
いずれも卵・砂糖・小麦粉を使い、油脂は加えないというのが共通する定義です。

以前日本でブームになったのは、オヴァール地方で焼かれる半熟タイプ。
半熟仕上げの注意点については、後述の「レシピのポイント」をご参照ください。

パンデローのレシピ(15cmの丸型1台分)

火の通り具合に注意して、しっとりやわらかに仕上げましょう。

材料

  • 全卵…50~60g(M~Lサイズ1個分)
  • 卵黄…60g(Mサイズで約4個分、Lサイズで約3個分)
  • グラニュー糖…60g
  • 強力粉…10g
  • 薄力粉…10g
  • ブランデーまたはラム酒…10cc

下準備

  • 薄力粉と強力粉を合わせてふるう。
  • オーブンを200℃に予熱する。
  • オーブンシートを敷く。
    *型よりひとまわり大きなサイズを敷きこむと、ケーキが簡単に取り出せます。一度くしゃっと丸めると敷きこみやすくなります。

作り方

  1. 全卵・卵黄・グラニュー糖をボウルに入れ、50℃程度の湯せんにかけながらハンドミキサーの低速で混ぜる。

  2. 生地が35℃程度に温まったら湯せんから外し、高速でしっかりと泡立てる。
    生地を持ち上げた時にリボン状に表面に残るようになったら、低速で約1分間混ぜてキメを整え、ブランデーまたはラム酒を混ぜ込む。

  3. ふるった粉を加え、低速で混ぜる。
    粉気がなくなったら型に流し入れ、型底を軽く台に打ち付けて大きな気泡を抜く。

  4. 予熱が完了したオーブンに手早く入れ、12~15分間焼く。
    *半熟仕上げにしたい場合は12分間、全体に火を入れたい場合は14~15分間を目安に。

  5. 型ごとケーキクーラーにのせて冷まし、5分たったらシートごと取り出す。
    *焼き上がりはこんもりと膨らんでいますが、すぐにしぼんできます。

  6. 完成。

レシピのポイント

パンデローを半熟に仕上げたい場合に注意したい「生焼け」について、詳しく解説します。

まず小麦粉は加熱調理が想定されており、ほとんどが殺菌消毒されていません。
そして生のまま食べると消化不良を起こしやすくなるため、加熱してデンプンを消化しやすい状態に変化させる必要があります(これを糊化といいます)。(※1)

また、食中毒を起こす可能性のある多くの微生物は、中心温度75℃で1分間以上加熱すると死滅するといわれています。(※2)

加熱がポイントになるため、ご紹介したパンデローのレシピで中心温度が何度になるのか、「200℃で12分間焼成」を3回テストしてみました。
オーブンから出してすぐの中心温度を測ったところ、87~89℃。断面のとろみは下の画像の程度です。

今回のテストでは、取り出す1分前でも中心温度が80℃以上あったため、この焼き時間であれば生焼けの心配はないといえるでしょう。

ちなみに火が通っているのにとろりとした状態なのは、卵に砂糖を多く加えると凝固温度が高くなり、タンパク質が固まるスピードが遅くなるため。
それでも焼き時間を1分増やすごとにどんどん固まってきますよ。

温度については、お使いのオーブンや環境によって前後することもあると思いますので、あくまでも目安に。
プレゼントやおもてなしには、全体が固まるまで火を通したほうが安心です。

おすすめの食べ方

甘めのケーキですが、砂糖の量を変えると熱の通り方が変わり、レシピの焼き時間が当てはまらなくなる場合があります。

甘さは変えず、酸味のある果物や、砂糖を控えめに加えて泡立てたクリームを添えてたべるのはいかがでしょう。

クリームを添える場合は、全体的に火が通っているほうが向いているように思います。

アレンジ提案

パンデローは、ココア味にアレンジするのもおすすめ。
強力粉と薄力粉をそれぞれ半分にし、ココアパウダー10gを加えて焼くと、ココア味に。

濃厚ですが、プレーンに比べて甘さは控えめに感じられます。
意外とワインにも合いますよ。

おすすめのアイテム
ココアパウダー 50g (P)

おいしい卵を使って焼きたい♪ポルトガルの伝統菓子・パンデロー

パンデローは、ふわふわで卵の風味たっぷりのぜいたく感に包まれるケーキ。
味を左右するのは、なんといっても卵です。

新鮮でおいしい卵を手に入れて、ぜひ作ってみてくださいね!

参考
(※1)|木下製粉株式会社:#568小麦粉の生食について
(※2)厚生労働省:大量調理施設衛生管理マニュアル

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2024/05/29
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an
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お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。
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自家焙煎珈琲専門店にて、焼き菓子作りやレシピ作成等を担当中。コツやポイントの理由を明確にしたレシピ作成を心がけています。

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