佐賀で愛される丸ぼうろを作ろう
素朴な茶色い焼き色のお菓子、丸ぼうろ。
佐賀県で昔から愛されてきたやさしい甘みの銘菓を、おうちで作ってみませんか?
今回は、丸ぼうろのレシピをご紹介します。
歴史あるお菓子、丸ぼうろ
丸ぼうろは、ポルトガル語でケーキを意味する「ボーロ」という言葉が名前についたお菓子。
その歴史は古く、16~17世紀頃「かすていら」とともに長崎県に伝わったポルトガル菓子だといわれています。
佐賀県で丸ぼうろが盛んに作られるようになったのは、シュガーロードと呼ばれる長崎街道が通っていたから。
鎖国時代、長崎の出島から輸入された砂糖は長崎街道を通り全国へ。その街道沿いでは砂糖をふんだんに使った外国由来の菓子が多く取り扱われ、多種多様な進化を遂げたのです。
丸ぼうろも、日本に伝わった当初は現在よりかたくて小さなものだったそう。さまざまな材料が加わり、今の形・日本人好みの味わいに進化し、今日まで伝わっているのですね。
ルーツに想いをはせて召し上がっていただくと、また違った楽しみ方ができるかもしれませんよ。
丸ぼうろのレシピ
材料(直径6cmのもの17個分)
- 卵(Mサイズ)…1個
- さとうきび糖(または上白糖)…70g
- はちみつ…15g
- 重曹…2g
- 水…6g
- 薄力粉…100g
今回のさとうきび糖は「宮古島ふんわりさとうきび糖」を使用。上品でコクがあるだけでなく、粒子が細かいので溶けやすくて作業性が良いところも気に入っている食材です。
下準備
- 卵は室温に戻しておく。
- さとうきび糖にダマがあればふるっておく。
- はちみつに白い結晶があれば、湯せんで温めて溶かしておく。
- 薄力粉はふるっておく。
- オーブンは180℃に予熱する。
作り方
- 卵をボウルに入れてホイッパーでほぐし、さとうきび糖とはちみつを加えてなじむまでホイッパーで混ぜます。
- 重曹と水をあわせて1に加え、混ぜます。
- ふるった薄力粉を加え、ゴムベラで切り混ぜます。
- ボウルにラップをかけ、室温で30分間程度寝かせます。
- 丸口金(今回は絞り口が1cmのもので絞りましたが他のサイズでもOK)をつけた絞り袋に入れます。
- オーブンシートを敷いた天板に、1個あたり直径4.5cmの丸になるよう絞ります。
- 180℃に予熱したオーブンで8分間程度焼きます。
- 天板からオーブンシートごと移動させ、冷ましたら出来上がりです。
*重曹と水は、加える直前にあわせてください。
*まとまったらOK。混ぜすぎないようにしてください。
*絞り袋がないときは、生地をスプーンでたらしても○
ここがポイント
思ったよりも膨らむので、写真のようにじゅうぶんに間隔を空けて絞りましょう。間隔が狭いと、隣同士がくっついてしまうことがあります。
オーブンシートがめくれそうなときは、裏面の四隅に少し生地をつけて天板にくっつけて。
裏面もおいしそうな焼き色になったら取り出します。
ここがポイント
常温で少し置いておいても問題なく焼ける生地なので、天板2枚分になる場合は、1枚目を焼いている間に2枚目を絞りましょう。
焼きムラができやすい家庭用オーブンでは、天板1枚ずつ焼いたほうが安定したきれいな焼き色にしやすいですよ。
さとうきび糖やはちみつの風味が効いた丸ぼうろは、素朴ながら味わい深く、ついもう一枚食べたくなるお菓子です。
緑茶・コーヒー・紅茶などのお茶うけや、ミルクとともにお子さまのおやつにもぴったり。
ほんのり温かい焼きたての丸ぼうろもおいしいので、作った方の特権で召し上がってみてくださいね。
「丸ぼうろ」の詳しいレシピページはこちら。
作った当日がもっともおいしい丸ぼうろ。
翌日は少しかたくなるので、ラップをかけて電子レンジ500Wで10秒間程度温めると、焼きたてに近いやわらかさを楽しむことができますよ。
素朴で身近なおやつの丸ぼうろ
佐賀県のお隣・福岡県民の筆者も、子どもの頃のおやつには丸ぼうろが出てきました。余計なものが入っていないシンプルで安心安全なイメージから、母が好んで用意していたよう。
時を経て自分も母になり、普段のおやつに食べさせたいのは、やっぱり丸ぼうろのようなお菓子。手作りだとさらに会話も弾みそうですよね。
気取らない普段のおやつにぴったりの、素朴で味わい深い丸ぼうろ。ぜひおうちで作ってみてくださいね。