薬菓って、実は簡単に作れます
お花みたいな模様の変わった食感のお菓子・薬菓。
日本でも見かける機会が増え、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
今回は、韓国の伝統菓子「薬菓」のレシピをご紹介。
なかなか手に入らない薬菓型の代わりに、ミニサイズのマルグリット型を使用して作ります。
かわいいお花の形に仕上がるので、ぜひ挑戦してみてください。
薬菓(ヤックァ)とは
薬菓とは、韓国の祭祀に欠かせない伝統的な揚げ菓子。「薬果」と書かれていることもあります。
薬効があるとされていた蜂蜜やごま油を使い、もともとは果物をかたどって作られていたんだそう。
韓国ではレトロがトレンドなこともあり、薬菓専門店ができたり、アイスクリームなどと組み合わせた新しいスイーツとして楽しんだりと人気が高まっています。
香りのあるごま油を使用している昔ながらの薬菓の生地は好みが分かれることもあり、最近ではごま油の量を減らしたり、違う油で代用したりするレシピも多いようです。
薬菓のレシピ(直径6cmのもの9枚分)
ご紹介するレシピでは、ごま油独特の香りが少ない太白ごま油を使用しました。
シロップを作る
材料
- 米水あめ… 300g
- 蜂蜜… 50g
- 水… 60g
- しょうがスライス… 3枚
作り方
- 小鍋に全ての材料を入れて強火にかける。
- ぶくぶく沸騰したら一度火を止め、コトコト沸くくらいの弱火にする。
- アクをとりながら10分間ほど煮詰める。
- 火を止め、しょうがを取り出す。
生地を作る
材料
- 薄力粉… 100g
- 強力粉… 25g
- シナモンパウダー… 1g
- 太白ごま油… 25g
- グラニュー糖… 25g
- シロップ… 13g
- 水… 30g
- 塩… 1g
- 揚げ油…適量
- シロップ(漬け込み用)…残り全て
作り方
- 薄力粉・強力粉・シナモンパウダーをボウルに入れ、軽く混ぜる。
- 太白ごま油を入れ、ゴムベラで切るように混ぜる。
- 目の粗いザルでこす。
- 別のボウルにグラニュー糖・シロップ・水・塩を入れ、混ぜて溶かす。
- 3に加えて切るように混ぜる。
- ある程度混ざったら、なめらかになるまで手でこねる。
- ラップに包み、冷蔵庫で1時間寝かせる。
- 生地を9等分して丸める。
- カットしたラップを型にのせて生地を詰め、中央を凹ませる。
- つまようじや竹串で数か所穴をあける。
- 型を逆さまにし、ラップを持って生地ごとゆっくり剥がす。
- 冷凍庫で10分間ほど冷やし、110℃の油で7分間ほど揚げる。
- ヘラなどでそっと返す。
- 150℃に上げた油で、茶色く色付くまで揚げる。
- 油を少し切ってからバットに並べ、熱いうちに30℃くらいのシロップを流す。
- ぴったりラップをして5分~1日間、お好みでシロップに漬ける。
- その後、半日ほど乾燥させれば完成。
「薬菓」の詳しいレシピページはこちら。
味や食感は?
手作りの薬菓は、日本でよく見かける袋に入っている市販品とは全然違うと思います。
生地はホロホロとほどけるようなやわらかく、かむと粘性のあるシロップを吸ってむぎゅっとしっとりとした食感。
シロップに浸してあるので甘みは感じられますが、砂糖より甘味は少なくすっきり。
揚げたお菓子特有の香りもどこか懐かしく、素朴なやさしい味です。
レシピのポイント
手作りの薬菓をきれいにおいしく仕上げるポイントをお教えします。
生地をこす、こねすぎない
ホロッとほどけるような口どけの生地にするため、油と合わせた後に目の粗いザルなどでこしましょう。
また、生地をこねすぎるとかたくしまった生地になってしまいます。生地がなめらかになるよう2~3回こねる程度で◎
ラップを活用して簡単に型抜き
生地に油が入っているので型から外すのは比較的簡単ですが、生地がやわらかいため形が歪みやすいのが難点。
ラップを小さめに細長くカットしたものを型にのせてから生地を入れると、きれいに外せます。
生地は冷やしてから揚げる
生地を冷やしてから揚げることが、形や模様をきれいに出すコツ。
長時間入れておくと乾燥してしまうので、10分間くらいを目安に冷凍庫に入れましょう。
触ったときにかたくなっていればOKです。
油の温度に注意
薬菓は生地がやわらかいため、油で揚げる際に崩れやすいお菓子。生地が崩れるのを防ぐため、油の温度を低く保つことが重要です。
最初は生地を油に入れても音が出ない110℃くらいの低い温度で揚げ、ある程度生地に火が入ってから150℃に上げると、形が崩れず模様がきれいに残ります。
最初から温度を高くしてしまうと生地が膨らんで形が崩れてしまうので注意!
下の画像は最初の温度を130~140℃にしたもの。見た目が全く違いますよね。
生地とシロップの温度をチェック
シロップは温度によって粘性が変わります。
温度が低いと生地に染み込みにくく、温度が高いと生地に染み込みやすくて表面がボロボロになる原因に。
温かい生地と30℃くらいのシロップを合わせると、時間をかけてゆっくり染み込み、薬菓特有の食感を生みだせます。
自分好みにアレンジも!
せっかく手作りするなら、シロップに漬ける時間などでも生地の食感や甘さが変わるので自分好みに調整するのもおすすめです。
シロップにつける前の生地は甘さ控えめ。サクサク軽い食感で簡単に崩れます。
シロップに漬ける時間が短いと中の生地まで浸透しないため、サクサクの食感が残ったまま甘さも控えめに。
シロップに漬ける時間が長いと生地はよりやわらかく、甘いシロップが生地中心まで染み込みます。
手作りしないとわからない!絶品・韓国スイーツ
今回は、韓国だけでなく日本でも人気の出てきた薬菓のレシピをご紹介しました。
シロップに漬けて作る少し変わった食感のお菓子ですが、作って食べてみると、長く人気がある理由がわかる気がします。
薬菓と現代スイーツの組み合わせもおすすめなので、ぜひ試してみてくださいね。