おいしく食べ切りたい!クリスマスのシュトーレン
シュトーレンは、クリスマス時期に食べられるドイツの伝統的な発酵菓子です。
近年では日本でもたくさんのお店でいろいろな種類のシュトーレンが作られ、おなじみの存在になりつつあります。
日持ちするイメージがありますが、「シュトーレンの適切な保存方法がよくわからない」と思ったことはありませんか?
今回のコラムでは、シュトーレンをおいしく食べ切るための保存方法について詳しく解説します。
シュトーレンとは
シュトーレンとは、洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツ、スパイスを生地にたっぷり練り込み、発酵させて焼き上げるパンのようなお菓子。
焼き上げてすぐに溶かしバターを染み込ませ、仕上げに表面を粉砂糖で真っ白に覆います。
シュトーレンは作りたてよりも、日が経つごとに熟成されて味に深みが出てきます。
クリスマスまで1カ月ほどかけて少しずつ食べることで、味わいや食感の変化が楽しめるお菓子です。
シュトーレンの由来
シュトーレン発祥の地は、ドイツのザクセン州ドレスデン。
日本では「シュトーレン」とよばれることが多いですが、ドイツ語では「シュトレン」と発音します。
ドイツ語でシュトーレンは「坑道」という意味。坑道のトンネルのような形になぞらえて名付けられたのだそう。
1330年頃に、キリスト司教へクリスマスの贈り物としてシュトーレンを贈呈したことが記録に残っています。
以来ドイツでは「シュトーレン=クリスマスのもの」として認識され親しまれてきました。
クリスマスの4週間前からのアドベント(待降節)の期間に、シュトーレンを薄くスライスして少しずつ食べながらクリスマス当日を楽しみに待つのです。
日本には1969年、福岡のまんじゅう屋がドイツからシュトーレンのレシピを持ち帰ったことで伝わったといわれています。
常温?冷蔵?冷凍?シュトーレンのおすすめ保存方法
シュトーレンは、アルコール・砂糖・バターといった保存性を高める材料をふんだんに使用しており、通常1カ月程度は日持ちします。
ただし、保存状態が悪ければ傷みやすくなるので注意しましょう。
ヨーロッパでは常温保存されることもありますが、湿度の高い日本ではおすすめしません。
日本の住宅は気密性が高く暖房もよく効いているので、このような環境ではたとえ開封前でも常温保存は避けましょう。
冷蔵保存か冷凍保存がおすすめです。
【冷蔵】での保存方法
シュトーレンの周りはバターや砂糖でコーティングされているため、保存性が高いのが特徴です。
ただし、切り分けると空気に触れた部分から傷んでしまうのでご注意を。乾燥もしやすくなります。
できるだけ空気に触れないような切り方をして、密閉して保存することが大事なポイント。
手順
- 端から切らずに、真ん中で2等分に切る。
- 断面から1cm程度の薄さで、食べる分だけ切り分ける。
- 残ったシュトーレンの断面をピッタリ合わせてラップで包む。
- 密閉できる保存袋に入れる。
保存期間
冷蔵室は温度が低すぎるので、適度に熟成させるためにも野菜室での保存がおすすめです。
市販品の場合は記載されている賞味期限を目安に。
手作りの場合はレシピや作業環境にもよるので一律で「このくらい」というのが難しいため、早めに食べきりましょう。
【冷凍】での保存方法
シュトーレンが食べ切れないときは冷凍保存が可能です。
カットする前と後の保存方法をそれぞれご紹介します。
カットする前のシュトーレンの保存手順
- まるごと冷凍可能。ラップに包む。
- 密閉できる保存袋に入れて、冷凍庫へ。
カットした後シュトーレンの保存手順
- 全て1cmの薄さにスライスする。
- 1枚ずつラップに包む。
- 密閉できる保存袋に入れて冷凍庫へ。
保存期間
冷凍保存では約1カ月、保存期間を延ばすことができます。
シュトーレンの風味を楽しむためにも、あまり長期間の保存はさけましょう。
解凍方法
冷凍保存したシュトーレンを上手に解凍するコツをご紹介します。
カットする前のシュトーレンの場合
冷蔵庫で半日程度おいてゆっくり解凍します。
解凍後に粉砂糖が溶けている場合は、再度振りかけるとよいでしょう。
「冷蔵での保存方法」でご紹介した手順を参考に、食べるときに切り分けて。
解凍後の再冷凍は避けてくださいね。
カットした後のシュトーレンの場合
冷凍庫から出してラップに包んだまま約30分間自然解凍します。
電子レンジを使う場合は約10秒間加熱しましょう。
適切に保存してシュトーレンのおいしさを長持ちさせよう
今回はシュトーレンの保存方法についてご紹介しました。
クリスマスを心待ちにしながら、少しずつ味わうシュトーレン。適切に保存して乾燥や傷みを防ぎ、シュトーレンのおいしさを長く楽しみましょう。