ガス抜きの意味を知っていますか
パン作りには、こね・発酵・成形などいろいろな工程がありますよね。
その中でも、今回はガス抜きについて詳しく説明していきます。
ガス抜きはなぜ必要なのか。
ガス抜きをすることによってどのような効果があるのか。
パン生地にどんな影響を与えるのか。
工程のひとつだと思っていたガス抜きの意味を知りましょう。
ガス抜きとは
ガス抜きとは、言葉の意味そのままで、パン生地からガスを抜くこと。
パン作りを行うとき、生地をこね上げた後などに必ず行う発酵。発酵では、イーストの活動によって炭酸ガスが発生します。
ガス抜きの工程で抜くのは、この炭酸ガス。
大きな気泡をつぶして、空気を抜く工程のことを「ガス抜き」と呼んでいるのです。
ガス抜きの目的と効果
ガス抜きをする目的と効果は、大きく3つあります。
1.パン生地のきめを整える
生地中にある大きな気泡をつぶし、小さな気泡に分散させることによってきめが細かく整います。
食感がよくなり、見た目も美しいパンに。
2.グルテンの強化
生地を押したりつぶしたりする圧力を加えることによって、グルテン組織を直接刺激。グルテン膜が膨らむときの張力を強化します。
その結果、パンのボリュームがUP。
3.イーストの活性化
古い炭酸ガスやアルコール類を抜き、新たな酸素を取り込むことによってイーストを活性化させます。
炭酸ガスの発生が多くなるとパン生地の発酵が促進され、パンのボリュームを大きくするのに役立つのです。
ガス抜きのタイミングと方法
ガス抜きは、一次発酵とベンチタイムが終わったら行うのが通常。
しかし一次発酵の時間が1時間より長くなるときは、炭酸ガスが溜まりすぎるのを防ぐため、途中でガス抜きを行います。
ガス抜きを行う時間は、発酵時間の2/3を目安にしましょう。
例:1時間の発酵なら、40分たったらガス抜きをし、残りの20分間は発酵を続ける。
*もし3時間以上と発酵に長い時間がかかる場合は、1時間ごとにガス抜きを行うと効果的です。
一次発酵後のガス抜き方法
- こねあがった生地を一次発酵させ、フィンガーテストで発酵具合をチェック。
- フィンガーテストを行ったパン生地を台の上に出します。
- 生地を傷めないよう、両手のひらで優しく生地の中央から押さえます。
- 順に外側に向かってガスを抜いていきます。
- ガス抜きの完了。
台の上に出さず、ボウルの中で行ってもよいでしょう。
その場合、フィンガーテスト後の生地を手の甲で優しく中心から押さえ、続いて回りのガスを抜いていきます。
ベンチタイム後のガス抜き方法
やり方は一次発酵後と同じ。
ベンチタイム後の生地の中央から外側に向けて、全体的にガスを抜きます。
生地を傷めないよう、手のひらで優しく行いましょう。
ガス抜きをした生地としていない生地を比較しよう
ガス抜きを行った生地と行っていない生地では、どのような違いが表れるのか比較してみましょう。
成形後
ガス抜きをした生地
- 張りがあり、きれいな丸になる。
ガス抜きをしていない生地
- 張りがなくだれている。
- 気泡も目立ち歪んだ形になる。
焼成後
ガス抜きをした生地
- 均一な美しい形に焼き上がる。
ガス抜きをしていない生地
- 気泡が目立ち、歪んだ形になる。
内層と食感
ガス抜きをした生地
- きめが整ったクラム。
- しっとりふんわりとした食感。
ガス抜きをしていない生地
- 大きな気泡が目立つ不均一なクラム。
- 弾力がなくパサつく食感。
ガス抜きをするかしないかで見た目や食感に大きな違いが出ました。
ガス抜きをきちんと行わないと、おいしいパンができない可能性が高くなってしまうので気を付けましょう。
ガス抜きをして見た目もきれいなおいしいパンを作ろう
今回は、ガス抜きの工程の必要性について解説しました。
パン作りにおいて、ガス抜きがとても重要な役割を果たしていることがおわかりいただけたでしょうか。
せっかくおうちでパンを作るなら、見た目がよくておいしいパンを作りたいですよね。
そのためには、ガス抜きの重要性をしっかり理解した上で作業を行ってくださいね♪