お菓子作りに大事なことってなんだろう
レシピには分量、材料を加える順番、混ぜ方やその目安などたくさんの情報が詰まっています。素敵なレシピに沿ってキチンと作れば美味しいお菓子が作れます。(多分)
しかし、僕の心の中に潜んでいる意地悪な部分が囁くのです…
「そのコツって本当にやらないといけないの?」って。
確かに「コツを守らないとどうなるのかな?」って気になりますよね…!そこで今回はパウンドケーキの基本的なレシピによく書かれているコツを守らずに作ってみました。
パウンドケーキのレシピ
まずは基本となるレシピを紹介します。
材料(175×80×60mmのパウンド型1コ分)
・無塩バター(四つ葉ドイツ産)・・・100g
・細目グラニュー糖・・・100g
・卵(Mサイズ)・・・2個(約100g)
・薄力粉(ドルチェ)・・・100g
手順
1.ボウルに室温に戻した無塩バターを入れてホイップ状になるまで混ぜる。(ハンドミキサーの高速で約90秒)
2.グラニュー糖を加え、ホイップ状になるまで混ぜる。(ハンドミキサーの高速で約180秒)
3.室温に戻した卵を溶き、1/5(20g)ずつ加えてしっかり混ぜる。(ハンドミキサーの高速で90秒ずつ)
4.薄力粉をふるい入れて、ホイッパーで粉気が無くなるまで混ぜる。
5.型紙を敷いた型に生地を入れて170℃に予熱したオーブンで40分間焼く。
バターをホイップ状に混ぜないと、どうなるのだろう?
室温に戻したバターをホイップせずにパウンドケーキを作るとどうなるのでしょうか?
試してみました。方法は、レシピの手順1、2でハンドミキサーを用いてホイップ状になるまで混ぜる箇所を、ゴムベラを用いて生地が均質になるまで混ぜました。
溶かしたバターを使うと、どうなるのだろう?
パウンドケーキのレシピは、室温に戻したバターをホイップして他の材料を混ぜ合わせていく手順のモノが多いです。
冷蔵庫から出したばかりのバターは固すぎてハンドミキサーを使っても他の材料と上手く混ざりません。ましてや、手動(ホイッパー)ではバターはびくともしませんから。
では逆に、「加熱して溶かしたバター」を使うとどうなるのでしょうか?試してみました。方法は、レシピの手順1を省き、溶かしバターに砂糖を加え、手順2からは同じ手順で作りました。
冷たい卵を使うと、どうなるのだろう?
レシピでは室温に戻した卵を生地に混ぜ合わせていきます。そこで、僕の心の中に潜んでいる意地悪な部分がまた囁くのです…「冷蔵庫から出したばかりの卵じゃだめなの?」って。
今回はこちらについても試してみました。方法は、室温に戻した卵(18℃)の代わりに冷蔵庫から出したばかりの卵(7℃)を使いました。
結果はいかに?
<横から見た様子>
<中央付近の断面図>
検証1.膨らみ
「レシピ通り」と比較すると、「溶かしバター」は少し膨らみが強く、「バターホイップなし」と「つめたい卵」は膨らみがよくなかったです。
検証2.食感
「バターをホイップなし」は少ししまっていて、しっかりした生地に仕上がりました。
「つめたい卵」はよりしまった生地に仕上がり、そしてバターの風味を一番感じました。
「溶かしバター」は、ほろっと崩れるようにしっとり柔らかく仕上がりました。
「レシピ通り」はしっとりというよりもふんわりと仕上がり、この2つを比べると食感の違いが確かにわかりました。
まとめ
多少のコツを守らなくても「パウンドケーキ」は出来上がりましたが、膨らみや食感に比較的わかりやすく差がありました。
ただ、それが良い悪いではなくて、ただの“違い”でしかないなあ、と実感しました。
しっかりした食感のものが作りたいならば、バターや卵を加えた段階で混ぜすぎない方がいいし、定番の「バターケーキ」だ!と言えるようなものを作りたいときは生地をしっかりホイップしてみる。
しっとりとした生地に仕上げたいなら溶かしバターで作ってみる。
実はこの中に成功も失敗もなく、どれも個性ではないでしょうか・・・?
ぜひあなたのお好みの個性を持ったパウンドケーキを見つけてみてください!
【"失敗"から学ぶ、成功するパウンドケーキの特集ページはこちら】