抹茶、きちんと使えていますか?
お菓子作りに大人気の素材、抹茶。
実は、その取り扱いには注意点がたくさん!
変色やダマなどを回避して、おいしく美しい抹茶スイーツを楽しみましょう!
抹茶について知ろう
抹茶の原料は緑茶ですが、私たちが普段飲んでいる緑茶とは異なる特殊な栽培方法で作られた、「碾茶(てんちゃ)」という茶葉で作られています。
普通の緑茶と違い、日光を当てないよう覆いをして、緑色が美しく、うま味の多い葉を作るなど、手間がかかっているため高価なんです。
スーパーによく売っている粉末緑茶と抹茶は別物ですので、注意してくださいね。
抹茶は取り扱い、保管に十分な注意が必要です。
周りの臭いや湿気をすぐに吸収してしまうので、開封後はしっかり口を閉じて密閉しましょう。
抹茶は銀色の袋に入っていますが、これは光が当たることによる風味の劣化、色の退色を防ぐ遮光のためです。
高温にも弱いので、冷蔵もしくは冷凍保存が適しています。
我が家には、「宇治抹茶」と「クロレラ入り抹茶」の2種類がありますが、銀色の袋の空気を抜いて口を閉じ、さらにジッパー付きの保存袋に入れて冷蔵庫で保管しています。
抹茶は開封直後から酸化が始まり、風味も落ちてしまう繊細な食材。開封後はなるべく早く使いたいですね。
クロレラ入り抹茶って?
健康食品としても親しまれているクロレラを抹茶に添加してあり、抹茶のみより緑色が鮮やかで、焼成後の色とびも少ないことが特徴で、焼き菓子などに重宝されています。
ただし、風味は抹茶だけのものに比べると独特の青臭さがあるため、使用量や使用するお菓子などを工夫してみるとよいかもしれません。
抹茶の悩みといえば…ダマ!
せっかく作った抹茶のスポンジにダマができた…なんて経験をされた方も多いのではないでしょうか。
抹茶は粒子が細かい上に湿気も吸いやすいので、ふるってもダマが残ることがありますよね。
ダマ防止の方法は二つあります。
1.抹茶を粉と合わせてふるう
抹茶を計量して茶こしでふるい、粉と合わせます。粉と抹茶をホイッパーなどでしっかり混ぜ合わせてから、もう一度ふるうとダマのない均一な状態になります。
ただし、ふるうときに抹茶をふるいから指で押し出したりすると、ふるいの網目の大きさのダマができてしまうことがあるので注意が必要です。
2.抹茶をペースト状にする
茶こしでふるった抹茶に少量のお湯(75℃程度)を少しずつ加え、とろみのあるペースト状にして、もう一度茶こしでこす。
2の方法だと確実に抹茶のダマはなくなりますが、少し水分が入るので、それを敬遠する場合(クッキーなどで水分を多く含ませたくない場合など)は1の方法がおすすめです。
お菓子によって使い分けてみてくださいね。
抹茶のお菓子の遮光実験
抹茶は光に当たると劣化してしまうとお話しましたよね。
では、抹茶を使ったお菓子はどうなのでしょうか?
2種類の抹茶を使い、「遮光」と「遮光なし」ではどのような状態の変化が起こるか調べてみました。
パウンドケーキ
クッキー
保管場所
- リビングのテーブルの上
*直射日光は当たらず、日中は自然光、夜は室内蛍光灯が当たる
保管方法
- お菓子はラップをしてテーブルに置く
- 一方は遮光のため、ラップをしてブリキ缶に入れ、テーブルに置く
保管期間
- 2日間
見た目の違い
たった2日間ですが、変色が見られました。
京都宇治抹茶パウダー雅
cotta 抹茶パウダー(クロレラ入)
味の違い
若干ではありますが、「遮光なし」の方が酸化している青臭いような匂いが、全てのお菓子に共通して感じられました。
遮光実験を行ってみて…
抹茶を使用したお菓子は、素材である抹茶と同じように光に弱いことがわかりました。
ちなみに、光の当たっていない裏面に変色は見られませんでした。
変色、変質は風味にも影響しますし、やはり見た目の印象も大事。せっかくおいしく作っても色がくすんでしまってはもったいないですね。
抹茶のお菓子におすすめの保管方法
抹茶を使ったお菓子は遮光性のある袋や缶に保管しましょう。
ほかのお菓子と同様に、クッキーなど乾燥した焼き菓子には乾燥剤を。
パウンドケーキなどのしっとりした焼き菓子には脱酸素剤を入れて密封しておけば一安心。
パウンドケーキはうちで食べるから脱酸素剤までは…という方は、ラップなどに包み、遮光性のある袋をかぶせ冷凍保管を。
食べるときに自然解凍すれば遮光&冷暗所効果で少し時間がたってもおいしく食べられます。匂い移りには注意してくださいね。
抹茶をおいしく使いましょう
いかがでしたか?
抹茶は扱いに注意が必要ですが、それさえ守れば格別においしいお菓子ができる素材です。
いろいろなお菓子に使って楽しんでくださいね。