ヘルシーな天然の甘味料として、アメリカやヨーロッパの国々でも広く知られているデーツシロップ。日本でも、デーツシロップは健康リテラシーが高い人々の注目を集めており、砂糖やメープルシロップの代わりに使われています。ヘルシー志向の人々に選ばれているデーツシロップとは、一体どのような食材なのでしょうか。
この記事では、デーツシロップの特徴や使い方、取り入れることで得られる嬉しい効果、デーツを使ったおすすめレシピなどについて詳しく紹介します。
そもそもデーツって何?
デーツシロップの前に、デーツとは何なのか確認しておくとこの記事の理解度も変わるかもしれません。デーツについての基礎情報について実はよく知らない方や、今から知りたい方はこちらの記事をまず読んでみてください!
デーツシロップとは?
まずは、デーツ自体が持つ特徴や歴史、デーツシロップに含まれている主な栄養素などについて解説します。
デーツシロップの原料
デーツシロップの原料になるデーツは、
ナツメヤシという名称でも呼ばれています。コクのある甘さと栄養価の高さが特徴的なフルーツで、一般的にドライフルーツとして目にすることが多いです。黒砂糖にも似た味わいを持ち、ヘルシーなスイーツとして愛好されていますが、糖度はサトウキビやビーツを超える高さを誇ります。
デーツシロップは、デーツを原料として作られた、天然の甘味料です。
デーツの歴史
デーツは、
長い歴史を持つフルーツです。原産は、アラビア半島東部のペルシャ湾岸近郊だと考えられています。デーツの栽培は、紀元前5000年代ごろには始まっていたとされており、数千年も前から人々の健康を支えてきたのです。
デーツは、イスラム教徒が断食月(ラマダン)の日没後に最初に口にする食べ物であり、中近東諸国では欠かせないものとなっています。預言者ムハンマドが断食明けにデーツと水を摂取したことから、イスラム教徒の人々もそれにならって食べるようになりました。長い断食後に手軽に栄養補給できる食品としても重宝されています。
デーツシロップの主な栄養素
デーツシロップには、原料のデーツが持つ豊富な栄養素がダイレクトに受け継がれます。デーツは前述のとおり、ラマダンの回復食にも用いられるほど栄養価が高いフルーツであるため、効果的に栄養補給ができます。身体を動かすためのエネルギー源となる糖質も豊富です。脳を使う勉強・仕事や、スポーツ時のブレイク、災害時の非常食としても活用できるでしょう。デーツシロップが含む栄養素の特徴を、以下で詳しく説明します。
たんぱく質
たんぱく質は、エネルギー生産栄養素の一つで、
20種類のアミノ酸がおよそ50から1000結合した化合物です。皮膚・臓器・筋肉・毛髪など、カラダのあらゆる部分を構成したり、ホルモン・抗体・酵素のようなカラダを調節する機能の主成分でもあるため、私たちの生命維持には欠かすことができません。たんぱく質が足りなくなると、成長障害のほか、体力や免疫機能の低下などが起こり、身体を健やかにキープすることが難しくなります。
参考:
eヘルスネット
カリウム
カリウムは、人間のカラダに必要な
ミネラルの一種です。通常、成人の体内にはおよそ120~200g含まれており、ほとんどは細胞内に存在していると言われています。浸透圧を調整する作用があり、余分なナトリウムを排出し、塩分の摂り過ぎを調節してくれる大変重要な物質です。体液のpHバランスを保ち、神経の興奮性や筋肉の収縮にも関わっています。カリウムが不足すると、上記の働きに影響が出るほか、脱力感・精神障害・不整脈・筋無力症・食欲不振などの症状が出ることもあります。
参考:
eヘルスネット
カルシウム
カルシウムは、
人体に最も多く含まれているミネラルです。大部分は骨や歯のエナメル質に含まれますが、一部は血液・筋肉・神経内にも含まれます。血液が凝固する作用を促して出血を予防したり、心筋の収縮作用を促したり、筋肉の興奮性を抑制したりする働きもある物質です。カルシウムは、骨格形成に関わる大変重要なミネラルであるため、不足すると骨の成長が十分におこなわれず、骨粗しょう症の原因になる可能性があります。
参考:
eヘルスネット
マグネシウム
マグネシウムは、身体に必要不可欠なミネラルの一つで、カルシウムやリンとともに骨や歯を形成しています。筋肉や脳、神経にも含まれており、
300種類以上の酵素を活性する作用を持つとされています。
さらに、神経情報の伝達や筋肉の収縮、血圧や体温の調整にも役立っている物質です。マグネシウムが不足してしまうと、骨の形成に影響が現れることがあります。そのほかにも、虚血性心疾患や不整脈、高血圧、筋肉のけいれんの原因になったり、神経過敏や抑うつ感が生じたりするケースもあると言われています。
参考:
eヘルスネット
ここでは主な栄養素について説明しましたが、他にもデーツには沢山の栄養素が含まれています。
どんな栄養素があるのかについてはこちらの記事で詳しく解説しています。デーツに含まれる栄養素について細かく知りたい方はぜひご覧ください!
デーツシロップのカロリー
デーツシロップのカロリーは、メーカーにより多少の差は生じますが、おおむね
100g当たり300kcal程度です。一方、一般的な砂糖のカロリーは100g当たりおよそ386.9kcalです。
デーツシロップはヘルシーな天然甘味料ですが、食べ過ぎるとカロリーオーバーになります。しかし、砂糖と同じ重量を摂取した場合、デーツシロップのほうが100g当たり120kcal以上もカロリーが低いのは事実です。
ここではデーツシロップのカロリーについて説明しましたが、原料であるデーツのカロリーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。細かく知りたい方はご覧ください!
デーツシロップで得られるメリット
食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれ、栄養価も高いフルーツであるデーツから作られたデーツシロップ。魅力たっぷりのデーツシロップを、毎日の暮らしに取り入れるメリットについて紹介します。
エネルギーに変換されやすい
デーツシロップの原料であるデーツは、フルーツです。よって、含まれている糖分は
グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)がメインです。グルコースとフルクトースは、両者とも単糖類です。単糖類は、糖類の中でも一番小さな分子体であるため、二糖類や多糖類よりも消化吸収が早く、脳や身体のエネルギー源として変換されやすい特徴があります。スポーツやトレーニングをする際のエネルギー補給や、体脂肪が気になる方には特に嬉しいメリットでしょう。
カロリーが低いためダイエットに適している
単糖類であるデーツシロップは、一般的な砂糖よりも代謝が早く、
エネルギー変換の際に身体に係る負担が小さいことがポイントです。また、デーツシロップは砂糖よりも甘みが強い反面、100g当たりに含まれるカロリーやGI値が低いため、ダイエット中の方やメタボリックが気になる方にもおすすめです。ただし、デーツシロップがヘルシーな天然の甘味料であるとはいえ、痩身効果があるわけではありません。過剰な摂取はしないように気を付けましょう。
デーツシロップの使い方
ミネラルなどさまざまな栄養素が豊富で、砂糖よりもカロリーが低いデーツシロップ。美容と健康リテラシーが高い方々は、デーツシロップをどのように暮らしに取り入れているのでしょうか。具体的な使用法の一部を例として紹介します。
パンケーキにかける
デーツシロップをはちみつや
メープルシロップの代わりに使うのが人気です。ヘルシーなライ麦パンにヴィーガンカッテージチーズを乗せ、その上からデーツシロップをかけるのもおすすめです。白いヴィーガンチーズと琥珀色のデーツシロップは、色のコントラストも美しいので、おしゃれで美味しく健康的な朝食になります。
ヴィーガンヨーグルトに混ぜる
デーツシロップをヴィーガンヨーグルトと混ぜるのもスタンダードな食べ方です。ヨーグルトのすっきりとした酸味とデーツシロップのまろやかな甘みは、ぴったりマッチします。デーツシロップは強い甘みが特徴なので、無糖タイプのプレーンヨーグルトをチョイスしましょう。プレーンヨーグルトに新鮮なフルーツを合わせるのもおすすめです。また、オートミールとの相性も良いので、オーバーナイトオーツにフルーツやナッツと共にトッピングすると、美味しくヘルシーな一品になります。
料理に活用する
デーツシロップは、黒砂糖を思わせるクセの少ない甘さです。食材の味を邪魔しないため、さまざまな料理の調味料としても活用できます。
砂糖やみりんの代わりにデーツシロップを使うのもおすすめです。味に深みが増すため、隠し味にもなります。サラダのドレッシングや煮物、タレやつゆとも相性がよく、幅広く使える天然の甘味料です。
デーツにデメリットはないの?
ここではデーツシロップのメリットについて触れましたが、その原料であるデーツのメリットを知っておくことで、よりその魅力を伝えたいと思っています。
以下の記事ではデーツを摂り続ける上でのメリットとデメリットについてご紹介しています。メリットとデメリットのどちらも把握し、効果的にデーツを取り入れる為に是非こちらもご覧ください!
デーツシロップを使用したおすすめレシピ
【デーツあん】
デーツシロップを使ってヘルシーな和菓子を手作りしてみてはいかがでしょうか。あんを煮る際に、小豆と一緒にデーツを煮込み、砂糖の代わりにデーツシロップを使用しました。真ん中にはあんにくるまれたドライアプリコットが入っています。
ポイントは、
最初に小豆を柔らかくなるまで煮てから刻んだデーツを入れて練り、デーツシロップで甘みを整えることです。求肥は白玉粉と水を弱火にかけて練り、デーツシロップで甘みを加えて火からおろしておきましょう。ドライアプリコットはひたひたの水で柔らかく煮て、あんでくるんで丸めます。片栗粉を手粉にして求肥で包めば完成です。
【材料(12個分)】
<あん>
・小豆 1/2カップ
・水 1.5カップ+差し水用 適量
・デーツ 100g
・デーツシロップ 大さじ1〜
・塩 ふたつまみ
<求肥>
・白玉粉 200g
・水 300cc
・デーツシロップ 大さじ2〜
・塩 ひとつまみ
・片栗粉 適量
<中身>
・ドライアプリコット 12個
出典:
Vegewel
デーツのレシピについても知ろう
ここではシロップを使用したレシピをご紹介しましたが、デーツそのものも多様なレシピで使用することができる素晴らしい食材です。
食事に取り入れる際、選択肢は多い方が色の楽しみも感じる事ができ効果を実感しやすいと思います。是非こちらの記事もご覧ください。
天然の甘味料デーツシロップを活用しよう
栄養価が高く、ポリフェノールも豊富なデーツシロップは、ヴィーガンやハラルにも対応できるため、世界中で広く愛用されています。パンに塗ってそのまま食べても美味しさを実感できますが、砂糖やみりんの代わりに調味料として使用するのもおすすめです。
「甘いものは大好きだけど美容と健康にも意識を向けていたい」という方は、ヘルシーな天然甘味料のデーツシロップを試してみてはいかがでしょうか。
デーツって実際どんな味?
この記事ではデーツシロップについて特集していきました!デーツシロップについて詳しくなったものの、実際どんな味がするの?という疑問を持たれている方もいるかと思います。
実はその原料であるデーツはいくつかの種類があり、それぞれが異なる特徴を持っています。お好みの味のデーツを事前に把握しておくことで、よりデーツを楽しむ事ができるのではないでしょうか?
デーツの種類やそれぞれの特徴についてはこちらの記事をご覧ください!