薄力粉の違いでお菓子は変わる?
お菓子作りをする際の薄力粉。みなさんはどうやって選んでいますか?
私は、以前はスーパーで売っている薄力粉でお菓子を焼いていました。そのうちに製菓用の薄力粉があることを知りましたが、種類が多すぎてどれを選んで良いかわかりません。
そこで、4種類の薄力粉でサブレとスコーンを焼き比べてみました。薄力粉選びの参考にしてみてください!
薄力粉の違い
タンパク含有量
小麦粉に含まれるタンパク質の質と量によって、薄力粉、中力粉、強力粉と分類されます。
薄力粉のタンパク質含有量は大体6.5~8.5%。タンパク質の少ない薄力粉ほど粘りが出にくくきめが細かいため、ふんわりさっくりと軽い口あたりになります。
スーパーで販売されている薄力粉を購入する場合は、フラワーよりもバイオレットのほうがタンパク質含有量が少なく製菓向きとされています。
灰分
灰分量が少ない小麦粉の方が白く、多くなるとくすんだ色味になります。
灰分は外皮や胚芽部分に多く含まれるミネラル分のことで、灰分が多い方が小麦粉の風味が強くなります。
産地
薄力粉はアメリカ産のものが多いです。
スーパーなどで手に入る薄力粉はほぼアメリカ産ですが、cottaなど製菓専門店ですと国産の薄力粉、フランス産の薄力粉なども取り扱っているので好きな産地を選べます。
詳しくは「薄力粉徹底比較」をご覧いただくとすごくわかりやすくておすすめです。
人気の薄力粉
cottaで取り扱いの小麦粉は何十種類もありますが、その中でも人気の薄力粉はこちらではないかと思います。
スーパーバイオレット
タンパク量が少ないので、ソフトで口溶けがよく、グレードの高いスポンジケーキやクッキー、幅広い菓子作りに最適です。
タンパク含有量:6.5% ±0.5% 灰分:0.35%
ドルチェ
北海道産小麦100%使用。なめらかでしっとりとした食感と、小麦本来の味を楽しめます。
タンパク含有量:9.3%±0.5% 灰分0.41%±0.03%
エクリチュール
フランス産小麦100%使用。ヨーロッパの伝統的な焼き菓子用粉で、口の中でホロホロと崩れる食感、口の中に広がる小麦粉の風味を再現。
タンパク質含有量:9.2%±0.7% 灰分:0.7%
スーパーバイオレットのタンパク含有量とドルチェ、エクリチュールのタンパク含有量では約3%も違いがあります。お菓子の出来上がりにもかなり差がでそうですよね。
でも、どのくらいの差があるのでしょうか?
また、ドルチェとエクリチュールは、ほぼ同じタンパク含有量です。そうすると似たように焼けるのでしょうか?
お菓子にはタンパク含有量が少ない方が向いていると言われているのにドルチェとエクリチュールは約9%と高いです。本当においしく焼けるのでしょうか?
紹介の文章だけでは、いまいち想像がつかないですよね。どれを買おうかますます悩んでしまいます。そこで、この人気の薄力粉3種類とスーパーでも買えるフラワーの4種類で焼き比べをしていきたいと思います。
サブレ焼き比べ
アイスボックスタイプのプレーンサブレの焼き比べをしました。
フラワーが一番焼き色がつくのが早く、焼成時間が一番短いです。スーパーバイオレットは他の物よりも若干広がり、エッジはあまり立たないです。
ドルチェとエクリチュールはフラワーと同じ焼成時間だと焼き色がつかずにサクッと感がでないため、きちんと焼き色を見極める必要がありました。
それぞれのサブレの特徴
【フラワー】
・焼き色がつきやすい
・ザクザクして素朴な味わい
・粉の風味は特にない
・砂糖の甘みがでていて、一番甘く感じた
【スーパーバイオレット】
・サクサク軽い食感
・きめが細かい
・粉の風味はあまり感じない
【ドルチェ】
・サクホロ
・粉の香り、甘みを感じる
・バランスがよい
【エクリチュール】
・サクホロ
・口の中でホロホロと崩れていく
・上品な味わい
感想
焼き比べた結果、サブレにはエクリチュールがやはり断トツでおいしかったです。
口の中でホロホロと崩れていく食感はエクリチュールならでは。サブレ、タルトなどを極めたい!という方にはおすすめです。
ドルチェも粉の風味をすごく感じておいしいです。エクリチュールほどではないですが、サクホロ感もあります。粉の味を楽しみたい方にはドルチェがおすすめ。
スーパーバイオレットは粉の風味はあまり感じないのですがサクサクと軽い食感で、軽い食感が好みの方ならスーパーバイオレットが好きかも知れません。逆に、軽すぎて物足りないと感じる方もいるかもしれません。好みによってわかれると思います。
フラワーはザクザクしていて素朴な味わい。砂糖の味が全面に出ていて同じ分量のはずなのに一番甘く感じたことには驚きました。
また、粉によって焼成時間も変わることも新たな発見でした。
スコーン焼き比べ
次に、スコーンを焼き比べました。卵や、生クリーム、ヨーグルトは使わず、粉、バター、砂糖、塩、牛乳、BPのみ使用のスコーンです。
同じ大きさ、同じ折りたたむ回数で焼いたはずなのですが、エクリチュールは膨らみがあまりでませんでした。同じくらいのタンパク含有量のドルチェは膨らんでいます。エクリチュールの生地はかなり目が詰まっています。
それぞれのスコーンの特徴
【フラワー】
・口の中にまとわりついて残る
・焼きたては良いが、冷めると他の物よりモソモソする感じがある
【スーパーバイオレット】
・口溶けが良い
・きめが細かくふんわり軽い
【ドルチェ】
・まわりはザクザクしているけれど中はしっとり
・粉の味がおいしい
【エクリチュール】
・まわりのザクザク感が一番ある
・中はしっとりしているがホロッと崩れる
・粉の味をすごく感じる
感想
ドルチェが、まわりはザクザクしているけれど中はしっとりと一番バランスの良いおいしさだったような気がします。
しかし、スコーンはふんわりしているのが好きな方、ザクザクしているのが好きな方と好みがはっきり分かれるかと思うので、ふんわり派の方はスーパーバイオレット、ザクザク派の方はエクリチュールがおすすめです。
フラワーだけは口の中に残るような感じがして他の粉に比べると少し劣っていたような気がします。ただ、スコーンにはいろいろなレシピがあって、生クリームを入れたり、ヨーグルトを入れたりすることでしっとりさせたりおいしく作る工夫はできるかと思います。
まとめ
薄力粉の違いが少しわかってきたでしょうか?
普段は一気に4種類焼いて食べ比べることはないので、粉によってこんなに変わるのかと私自身も正直驚きました。
言葉だけではなかなか伝えづらいですし、私個人の好みもあるので難しいのですが、少しでも参考になればいいなと思います。
次回も引き続き、4種類の薄力粉で焼き比べをしていきます!