カヌレ型を、カヌレ作りだけに使うのはもったいない
カヌレってどんなお菓子?
フランス・ボルドー地方の修道院で作られていた伝統的な焼き菓子である、カヌレ。
外はカリッと、中はやわらかくもちっとした食感で、人気のお菓子です。
カヌレを上から見ると、花のようにも見えて、かわいらしい形ですよね。
カヌレには「溝」という意味があり、12本の縦溝が入った特徴的な専用の型に入れて作られます。
さまざまなカヌレ型
銅やテフロン加工のものをはじめとした金属製のものから、一度にたくさん焼くことができるシリコンゴム製のものまで、さまざまなサイズや材質のものが販売されています。
さまざまな材質を揃え、型としても人気のカヌレ。
カヌレ型をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
でもせっかくのかわいいカヌレ型を、もしカヌレ作りだけにしか使っていないならば、もったいない!
今回はカヌレ型の材質別に、活用しやすいおすすめのお菓子の種類やレシピをご紹介します。
金属製のカヌレ型
本場で使われる銅製のものや、型離れが良くなるように表面加工されている金属製の型をお持ちの場合は、バターをたっぷりと使ったマドレーヌやフィナンシェなど、形が出やすいケーキ作りにおすすめです。
熱伝導率が良く、きれいな焼き色がつきます。
黒糖とココナッツのマドレーヌ
今回は、カヌレ型を使った黒糖とココナッツのマドレーヌレシピをご紹介します。
黒糖の甘さと、ココナッツの風味や食感がとてもマッチしていて、紅茶にもコーヒーにも合いますよ。
材料(テフロンカヌレ型5個分)
- 無塩バター…50g
- 卵…Mサイズ1個
- 黒糖(粉末)…50g
- 薄力粉…45g
- ベーキングパウダー…1g
- 生クリーム(あればココナッツミルクでも)…30g
- ココナッツファイン…30g
作り方
- バターを湯せんするか、レンジで溶かす。
- ボウルに卵を入れて泡立て器でほぐし、黒糖を加え、よくすり混ぜてなじませる。
- 薄力粉とベーキングパウダーを合わせて2にふるいながら加え、粉気がなくなるまで混ぜる。
- 溶かしておいたバター・生クリーム・ココナッツファインを順に加えて、その都度なめらかになるまで混ぜる。
- ボウルにラップをして、冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
その間に、カヌレ型に分量外のやわらかく練ったバターを塗っておく。
*生地は休ませないと、気泡が多くなります。
- オーブンを180℃に予熱する。
予熱している間に生地を絞り袋に入れ、型の中に絞り出す。
*6分目くらいが目安です。それ以上入れすぎると、膨らんだときにあふれてしまいます。
- 予熱したオーブンで15~18分間ほど焼く。
表面や縁に焼き色がついて、竹串を挿してみても生地がついてこなくなれば取り出す。 - 型から取り出し、膨らんだ部分を下にしてケーキクーラーの上でよく冷ましてから、底の膨らみ部分をナイフでカットして整える。
*お手持ちの型の材質やサイズ、作る個数などに合わせて、焼き時間や温度は調整してください。 - 完成!
シリコンゴム製のカヌレ型
シリコンゴム製の型は、冷凍庫からオーブンまでの幅広い温度に対応しており、型離れも良いのが特徴です。
中でもシリコマート社からは複雑な形のものがたくさん販売されていますが、カヌレ型だけでもさまざまなサイズが販売されています。
金属製の型を使う場合でもご紹介したように、バターを使ったケーキを焼いてもきれいな形が出やすい素材ですが、冷たいスイーツ作りにもおすすめです。
アイスクリームに
冷凍庫でも使うことができるので、手作りのアイスクリームを凍らせるだけでも、特別感を演出することができます。
一人分ずつすくい分ける必要がなく、食べたいときに取り出すだけ。
なので、盛り付けるときに、もたつきません。
ババロア・ムース・レアチーズケーキに
ババロア・ムース・レアチーズケーキなど、冷凍保存できるお菓子を作り、型に流した後に一度凍らせてから取り出すと、きれいに取り出すことができますよ。
シリコンゴム製の型で冷菓を作るポイントは、コラム「模様もきれいに出せる!シリコン型を使ったムースの作り方」でご紹介しています。
ムースのレシピ例や、保存・期限・解凍の方法などについても、詳しく記載しています。
ボンボンショコラに
もうすぐバレンタインですが、小さな1~2口サイズのカヌレ型をお持ちの場合は、チョコレートを固めるのにもおすすめです。
中でもボンボンショコラの型として使うと、シリコンゴム製の型は生地に接する面がつるんとなめらかなため、取り出したときにつややかに仕上がります。
今回は、側面となる部分に製菓用の筆でチョコレートを薄く塗ってから、中にガナッシュを詰め、チョコレートでふたをしました。
高さがないと印象が変わりますね。
カヌレ型でいろいろなお菓子を作ってみよう!
カヌレは、この形で作られてこそのお菓子です。
そういったことから、「カヌレ専用の型」というイメージが強いカヌレ型ですが、実は材質によって、他のさまざまなお菓子作りにも大活躍してくれます。
形が違うだけでいつものお菓子も新鮮に感じられて、気分も変わってきますよね。
カヌレ以外のお菓子作りにもどんどん活用しちゃいましょう。