ゼラチンを使うときのポイントを知ろう!
今までゼラチンを使っていて「固まらない」「思ったような透明感が出ない」など、うまくお菓子を作れなかった経験はありませんか?
簡単に使えるゼラチンですが、ちょっとした注意点を守らないと失敗の原因に。
今回は、粉ゼラチンと板ゼラチンのふやかし方と溶かし方のポイントをご紹介します。
粉ゼラチンをふやかすときのポイント
粉ゼラチンをふやかすときのポイントは、ダマを作らないこと。
できてしまったダマはベースとなる液に入れても溶けず、残ってしまいます。
ダマを作らないために、粉ゼラチンは「水に振り入れて」戻しましょう。
粉ゼラチンに「水をかける」と全体に水分が行き渡りません。
粉ゼラチンを水に振り入れるときは、振り入れ方にも気を付けて。
ドサッと一気に入れてしまうとダマになりやすく、ゆっくり過ぎても最後のほうに入れたゼラチンに水分が行き渡りません。
全体をふやかせるように、調整しながら入れましょう。
もしふやかす段階でダマができてしまったら、60℃くらいの湯せんで溶かしてみてください。
湯せんできれいに溶ければ、そのまま使用して大丈夫。
ダマが残ってしまうようなら、残念ですが新しくゼラチンをふやかすところから始めてください。
板ゼラチンをふやかすときのポイント
板ゼラチンをふやかすときのポイントは、「たっぷりの冷水」に浸して戻すこと。
水の温度が高いと、ゼラチンが溶けてしまいます。
比較してみた
板ゼラチンをふやかす「冷水」とは何度くらいのものが良いのでしょうか。
異なる温度の水で板ゼラチンを戻し、比較してみました。
比較方法
22℃・12℃・2℃の水を用意。
板ゼラチンをそれぞれの水に10分間浸して戻し、比較。
結果
22℃(6月の水道水の温度)
ふやかした板ゼラチンを手で持ち上げると、やわらか過ぎてちぎれてしまう。
ぎゅっと搾って水気を切ることが難しく、非常に扱いづらい。
ちなみに、25℃の水に浸したものは溶け出してしまい、すくい上げることが難しいほどでした。
12℃(冷蔵庫で冷やした水の温度)
手で持ち上げても、ちぎれることなく板状のまま。
水気を切るために搾ると、形が崩れる。
搾ったときにゼラチンに体温が伝わるため、手にくっついて少し扱いづらい。
2℃(氷をたっぷり入れた水の温度)
手で持ち上げても、ちぎれることなく板状のまま。
ぎゅっと搾ってもそれほど形が崩れず、扱いやすい。
まとめ
板ゼラチンをふやかす冷水は、10℃以下なら溶け出す心配もなく扱いやすそうです。
それよりも高い温度の場合は、注意して使いましょう。
夏場の水道水の温度は大抵20℃を超えているので、板ゼラチンは溶けてしまいます。
冬場の水道水の温度は10℃前後のため、冷たく感じても要注意。
水道水の温度は変動するので、氷水を用意するのが一番安心。
水温がしっかり下がるように、氷を入れて少したってから使用するとよいでしょう。
粉ゼラチンと板ゼラチンを溶かすときのポイント
粉ゼラチン・板ゼラチンを溶かすときのポイントは、50~60℃程度で溶かすこと。
それよりも高温になると固まりにくくなるため、湯せんに使うお湯やベースの液体温度には注意しましょう。
比較してみた
実際に溶かす温度を変えて、比較してみました。
材料(かために仕上がる配合)
- オレンジジュース…250ml
- 板ゼラチン…5g
*冷水でふやかし、水気を切っておく。
比較方法
下記の方法でゼラチンを溶かし、冷やし固めたゼリーを比較。
- 60℃に温めたオレンジジュースにゼラチンを入れて溶かす。
- 沸騰直前のオレンジジュースにゼラチンを入れて溶かし、そのまま1分間沸騰させる。
結果
見た目
60℃で溶かしたゼリーは、透明感があり色鮮やか。
沸騰させたゼリーは濁った感じで色が濃い。
食感
60℃で溶かしたゼリーは口に入れるとすっと溶けるような食感で、口どけが良い。
沸騰させたゼリーはもっちりとしていて弾力があり、口どけは良くない。
まとめ
ゼラチンを溶かす温度が、見た目や食感にも影響するということがわかりました。
今回は高温で加熱しても固まりましたが、使用するゼラチンの種類・配合などによっては固まりにくくなると思います。
ちなみにゼラチン以外の凝固剤である寒天やアガーを溶かす温度は、ゼラチンよりも高温。
寒天は沸騰させて使用し、アガーは90℃以上の液体に溶かして使用します。
これらと混同してゼラチンを高温で溶かさないように、それぞれの特性を覚え、溶かす温度には注意しましょう。
ひんやりおいしいゼラチンスイーツを作ろう!
焼き菓子よりも冷たいお菓子が食べたい暑い夏。
これからの季節は、ゼラチンを使う頻度も増えると思います。
ゼラチンのふやかし方や溶かす温度などちょっとしたポイントを押さえて、冷たくておいしいスイーツをお楽しみください♪