くず桜を作ってみよう
季節感を大切にする和菓子の世界。
夏といえば水ようかん・錦玉・水まんじゅう・鮎などがありますが、今回はくず桜の作り方をご紹介します。
くず桜とは
くず桜とは、透明感のある生地から透けて見えるあんが涼を呼ぶくずまんじゅうに、桜の葉を巻いたもの。
涼し気な見た目が人気の、夏の和菓子です。
くず桜のレシピ(6個分)
手で生地を丸めてあんを包むのは、まさに職人技。
和菓子職人さんが、リズミカルにお菓子を作る様子には憧れますよね。
しかしあんを包むときの生地は熱々で、素人が手で扱うのはとても困難。
そこで今回は、ラップを使ってうまく形作る方法をご紹介します。
材料
- 桜の葉の塩漬け…6枚
- あん…120g
- 砂糖…70g
- くず粉…50g
- 水…220ml
下準備
- 桜の葉の塩漬けを水洗いし、15分間以上水に浸して塩抜きをしたら、水気を拭き取っておきます。
作り方
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小さなコップ(直径6~7cmのおちょこなど)を6個用意し、ラップを敷きます。
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あんを20gずつ計6個に分け、丸めます。
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1とは別のコップに水を入れ、生地をすくうためのスプーン(大さじや小さじなど)を浸しておきます。
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鍋に砂糖を入れます。
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ボウルや計量カップなどにくず粉を入れ、水を加えてよく混ぜます。
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5のくず粉液をこしながら、4に注ぎます。
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木べらなどでかき混ぜながら強火で2分間ほど熱します。
固まり始めたら弱火にして1~2分間ほどかき混ぜ、半透明になったら火を消します。
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1のラップを敷いたコップに、7の生地を約大さじ1杯分入れ、中央をへこませてあん玉を入れます。
*生地をすくうスプーンは、適宜水でぬらしながら使ってください。
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あん玉の上に約小さじ1杯分の生地をのせて、広げます。
*指で広げる場合は、指を水でぬらします。
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ラップを茶巾絞りにして冷まし、生地を固めます。
常温で固まりますが、暑い時期は冷水の中に1分間入れるとよいでしょう。*くず生地は長時間冷やすと透明感がなくなり、固くなってしまいます。
冷やし過ぎないように気を付けましょう。
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ラップを外して桜の葉でくるめば、出来上がり。
*くずを直接手で触る場合は、べたつくので手を水でぬらしておきます。
一般的にはくずまんじゅうのなめらかな面を上にして桜の葉でくるみますが、茶巾絞りで絞ったほうを上にしても風情があります。
より透明感を出したい場合は、固まったくずまんじゅうを蒸し器で2分間ほど蒸すと透明感が増しますよ。
「葛桜」の詳しいレシピページはこちら。
レシピのポイント
くず桜をきれいに作るためのポイントは手早さ。
くずを使った生地は火を止めるとすぐに固まり始め、あんをきれいに包むのが難しくなります。
工程1~3は生地を作る前に必ず済ませ、生地ができたら手早くあんを包みましょう。
手早く包むのが難しい場合、生地の入った鍋を熱い湯せんにかけておくと、生地が固まるのを遅らせることができます。
それでも作業中に生地が固まってしまったら、少量の水(小さじ1ほど)を加えて、もう一度火を通して練り直してください。
ただし、この方法は本当に困ったときの応急処置。
火を入れるのは、一度きりが理想です。
カラフルなあんでくず桜をアレンジ
くず桜といえば小豆のこしあんが定番ですが、色を付けたあんを使って少しカラフルに仕上げてみましょう。
材料(6個分)
- 白あん…120g
- 抹茶…1g
- パンプキンパウダー…2g
作り方
- 白あんを40gずつに分け、緑のあん用・黄色のあん用・白いあん用とします。
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緑のあん用には抹茶、黄色のあん用にはパンプキンパウダーを加えてよく混ぜます。
白いあん用は、何も混ぜずそのまま使います。
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各色20gずつに分けて丸めます。
あとは基本のくず桜のレシピに沿ってくず生地を作り、カラフルなあんを包んで桜の葉でくるんだら出来上がり♪
抹茶風味のくず桜は、深い緑で落ち着いた雰囲気。
かぼちゃあんのくず桜は、鮮やかな黄色がひときわ目を引きますよ。
くず桜のおいしい食べ方
夏の和菓子だから冷蔵庫で冷やして食べたい!と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、くず桜は冷蔵庫での保存は禁物。
長時間冷やすと、透明感がなくなりかたくなってしまいます。
冷やしてから食べたい場合は、食べる前に15分間ほど冷蔵庫に入れるとおいしく食べられます。
生菓子で日持ちはしないので、当日中に食べきるようにしてくださいね。
涼やかな夏の和菓子を楽しんで
くず桜は、つるりとした生地・甘いあん・桜の葉の塩気が、他の和菓子にはない格別なおいしさを生みだします。
桜の香りをまとった涼やかな和菓子をどうぞお楽しみください。