セルクルを使いこなそう
お菓子作りに欠かせない型の一つ、セルクル。
今回は、セルクルの使い方とその魅力をご紹介します♪
セルクルってどんなもの?
「セルクル(cercle)」という言葉は、フランス語で「円」という意味。
調理器具としては、「底のない枠のみの型」のことをセルクルと呼びます。
金属製が主流ですが、樹脂製のものも。
円形だけでなく、楕円・四角・三角・六角・ハートなど、さまざまな形のものがあり、大きさや高さも選ぶことができます。
セルクルは冷菓・焼き菓子・抜き型・盛り付けなど、さまざまなことに使用できる便利な型なんです。
セルクルとパテ抜きの違い
セルクルと似たものに「パテ抜き」があります。
パテ抜きは生地を抜きやすいよう薄く仕上げられており、セルクルとは別の物。
パテ抜きのセットは、小さなセルクルで冷菓を作るときやタルトを作るときにも、必要な大きさに合わせて生地を抜くことができるのでとっても便利。
抜き型として、セルクルとは別で持っていると使い勝手が良いですよ♪
冷菓に使ってみよう♪
セルクルを使うお菓子は?といわれて、最初にムース作りを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
どのように使えばいいのか、改めて確認してみましょう。
ムース作りに使うときは
セルクルを使えば、いろいろな大きさ・形・高さのムースを作ることができます。
セルクルには底がないので、バットや下板にのせて組み立てましょう。
ムースを裏返して組み立てるときや、ムースのみを固めたいときは、底にラップを貼り輪ゴムで留めてふたをします。
セルクルのメリットは高さが選べるものがあること。
5mm刻みで高さが選べるものもあるので、出来上がりに必要な高さのセルクルを用意すればOK。
表面をパレットナイフやカードですり切ることで、きれいに仕上がります。
セルクルに流したムースの外し方
セルクルを外す際は、中心までしっかり冷やし固めた後、セルクルを温めて周りを少し溶かしてから抜くのがポイント。
バーナーで軽くあぶったり、あたためたタオルで周りを覆ったりすると、きれいに抜くことができます。
一回り小さいスポンジ型など台になるものにのせると、セルクルを下にずらして抜くことができますよ。
こんなお菓子にも
いちごの断面がぐるりと印象的なフレジエや、ビスキュイ生地がかわいいシャルロットなども、セルクルを使って作るお菓子です。
焼き型として使ってみよう♪
底がないのに??と思われがちですが、セルクルは焼き型としてさまざまなお菓子に使えます。
タルトに
高さの低い円形のものはタルトリングとも呼ばれ、セルクルの仲間。
シルパンを敷いてタルトを焼くと、シルパンの穴から空気が逃げるので、ピケをしなくても底が浮きません。
角にも生地が入りやすく、きれいな焼き上がりになります。
スポンジ生地にも
オーブンペーパーを使って底にふたをすれば、スポンジ生地だって焼けちゃいますよ。
セルクルより一回り大きくカットしたオーブンペーパーを外側に巻き付けましょう。
セルクルがずれないよう注意しながら、紙がピンと張るようにしっかり巻き付けるのがポイントです。
最後は適当なところで紙をぎゅっと折り込めばOK。
型を持ち上げても紙が落ちないくらい、きっちりと張れていると良いですね。
セルクルで焼いたスポンジの外し方
型の内側にバターを塗って紙を貼ったり、粉をはたいたりして焼くこともできますが、そのまま焼いても大丈夫。その場合はナイフを使って取り出しましょう。
焼き上がりは、焼成で使った天板にひっくり返して少しの間置きます。こうすると上面がまっすぐに。
裏の紙を外し、ナイフの刃をセルクルにぴたっとつけて差し込みます。
セルクルにしっかり沿わせてナイフをぐるりと動かし、一周回して台に置いてセルクルを持ち上げればOK。
セルクルと同サイズで、側面もまっすぐなスポンジの出来上がりです♡
こんなお菓子にも
フランスの地方菓子ガレットブルトンヌを焼くときにも、セルクルが活躍。
ガレットブルトンヌは厚焼きのサブレでバターが多くダレやすいので、セルクルをはめて焼くときれいな形に焼き上がるのです。
ナッツの粉末とスパイスがたっぷりのリンツァートルテも焼くことができます。
セルクルの内側にダコワーズ生地を絞り出して焼いてダコワーズタルトにしたり、もちろんパンを焼いたりすることも◎
他にもいろいろ活躍します♪
厚焼きホットケーキ作りに
厚焼きのホットケーキだってセルクルがあれば簡単に♡
内側に溶かしバターを薄く塗って、オーブンペーパーを貼り付ければ型の準備はOK。
フライパンにのせて生地を流し入れ、ふたをして弱火でじっくり焼きます(20分間程度)。
ひっくり返すときにセルクルとペーパーを外して、裏側を焼き上げましょう。
2枚重ねれば、圧巻の焼き上がりです♡
お料理の盛り付けや抜き型としても
セルクルはお料理の盛り付けに使うのもおすすめ。
お皿の上にセルクルを置き、その中に具材を詰めて外せば、きれいな円形に盛り付けができます。
セルクルを使って角切りフルーツのマリネをお皿に盛れば、レストランの一皿のよう♡
また、セルクルには厚みがあるのでパテ抜きのようにスパッとはいきませんが、抜き型としてももちろん使えます。
組み立てで使うセルクルと、同サイズのスポンジ生地やタルト生地が欲しいときに。
そのセルクルを使って抜いたり、ガイドとしてナイフで切り取るのに使えます。
持っていて損はしない型♪
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した以外にも、ひらめき次第でいくらでも活用できるセルクル。
大きさ、高さはもちろん、厚みや継ぎ目の有無など、価格もいろいろなので、お好みに応じて探してみてください。