小麦粉の種類
皆さん、お菓子作りやパン作りの際にどの小麦粉を使っていますか?
お菓子には「薄力粉」、パンには「強力粉」。僕もおおかたそのように使い分けています。しかし、小麦粉は薄力粉と強力粉の二つだけではなく、もうすこし細別されるんです。
cottaで小麦粉を探そうと「粉類・雑穀」をクリックすると、「薄力粉」と「強力粉」の間に「準強力粉」という欄があります。この「準強力粉」、あまり馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
今回は、この準強力粉の中でもっともポピュラーな「リスドォル」の活用方法をご紹介します。
準強力粉って?
準強力粉は、その名の通り強力粉の次にグルテン(タンパク質の一つ)が多く含まれている小麦粉です。準強力粉であるリスドォルはタンパク質含有量が10.7%。ちなみに強力粉のイーグルは12%、薄力粉のドルチェは9.3±0.5%です。つまり、グルテンがもたらす粘りやキメの粗さは強力粉よりは弱く、薄力粉よりは強いのです。
また、準強力粉は灰分(ミネラル分)が高いのも特徴的です。ミネラルが多いと独特の風味、いわゆる「小麦の味」が高まります。
程よいグルテン含有量と高めの灰分のおかげで、外のクラストはカリッと、中のクラムはしっとりとしたフランスパンを焼くことができるのです。
準強力粉でお菓子を焼こう!
フランスパンに適している準強力粉。商品名にも「フランスパン用」と書かれているものもあるので、フランスパンにしか使えないと思ってしまうけれど…そんなことありません!実はお菓子作りにも使えるんですよ。
バナナケーキ
材料:175(165)×80(70)×H60mmのパウンド型1台分
- バナナ…2本(約180g)
- 卵…2個
- きび砂糖…80g
- リスドォル…100g
- ベーキングパウダー…小さじ1
- 太白ごま油…70g
- 牛乳…大さじ2
- シナモンクランブル…適量
シナモンクランブルはこちらのコラムを参照してください。
https://www.cotta.jp/special/article/?p=3844
下準備
- オーブンは180℃に予熱する。
- パウンド型に型紙を敷き込む。
作り方
- バナナを大きめのボウルに入れフォークでなめらかになるまでつぶす。
- 1のボウルにシナモンクランブル以外の材料を入れてホイッパーで生地が均一になるまで混ぜる。リスドォルは薄力粉よりもダマになりにくいので、ふるいにかけなくても大丈夫(でも、心配な方はふるってくださいね)。
- 型紙を敷き込んだパウンド型に2の生地を流し入れる。その上にめいっぱいシナモンクランブルをのせる。
- 180℃のオーブンで40~50分間焼く。焼き上がりの目安は生地の表面がしっかりと乾くまで。
*バナナはシュガースポットたっぷりの完熟したものを使うとおいしいので、ケーキを作る数日前にバナナ買って、置いておくとよいです(またはスーパーのおつとめ品だとすぐ使えます)。
リスドォルで焼いたケーキは、しっとりもちもちで食べごたえ抜群。薄力粉で作る、きめ細やかな口どけの良いケーキとは違った印象になります。断面には気泡が見えて、まるでフランスパンのクラムのような仕上がりです。
スコーン
フランスパンの外側(クラスト)がカリッと仕上がる、リスドォルの特徴を生かした使い方。
こちらのレシピがおすすめですよ。
https://recipe.cotta.jp/recipe.php?recipeid=00002104
リスドォルで焼いたスコーンは、表面がザクザクで中はふんわりとした食感に仕上がります。
リスドォルを活用するコツ
リスドォルを使うと小麦の味が強く感じられるので、素朴な焼き菓子に活用するのがおすすめです。
しかし、薄力粉や強力粉を使ったレシピをそのまま置き換えてもあまり上手くいきません。それは、給水具合が小麦粉によって異なるからです(小麦粉の給水具合の違いはこちらのコラムを参照)。
また、きび砂糖やてんさい糖といった精製されていない「茶色い砂糖」を使うのがコツ。灰分(ミネラル分)の高いリスドォルには、同じくミネラルが多く、独特の風味をもつお砂糖が合うんです。素材本来の味を感じられる、より味わい深い焼き菓子ができますよ。
ぜひ、リスドォルをフランスパンはもちろん、焼き菓子などにも活用してみてくださいね。