寒天が原因の失敗ありませんか?
寒天を使ったスイーツを作ろうとしたら、固まらなかったりダマになったりという経験はありませんか?
比較的簡単に作れる寒天スイーツですが、失敗の原因を知らないと繰り返してしまうことも。
今回は寒天の扱い方について、失敗例を挙げながら詳しく解説します。
寒天の種類
テングサやオゴノリなどの海藻から作られる寒天。
形状によって、3つの種類があります。
棒寒天
- 棒状の寒天。
- 自然の寒気を利用して凍結するという、伝統的な製法で作られている。
- よく洗ってから適当な大きさにちぎって水に浸してふやかし、水気を絞ってから使う。
- 固まりが消えて透明感が出るまで煮る。
糸寒天
- 細い糸状の寒天。
- 棒寒天と同じ製法で作られている。
- よく洗ってから水に浸してふやかし、水気を絞ってから使う。
- 固まりが消えて透明感が出るまで煮る。
- サラダやスープにも使われる。
粉末寒天
- 粉末状の寒天。
- 棒寒天や糸寒天のようにふやかす手間がなく、手軽に使える。
- 水に加えて沸騰したら、2分間ほど加熱する。
一般的に最もよく使われているのは、手軽な粉末寒天ではないでしょうか。
失敗の原因
粉末寒天を使って、寒天スイーツの失敗の原因を見ていきましょう。
寒天が溶けていない
寒天は、じゅうぶんに煮溶かさないと固まりません。
特に粉末寒天は水に入れただけでも溶けたように見えますが、沸騰させて2分間ほど加熱し、きちんと煮溶かすのが重要。
粉末寒天の加熱状況に差を作り、比較してみました。
材料
- 水…250ml
- 粉末寒天…2g(しっかりめに固まる分量)
沸騰間際ですぐに火を止めたもの
沸騰する直前で鍋肌がふつふつとしてきたところ(約60℃)で、加熱を終了して型へ。
一見、寒天は溶けているように見えます。
ですが非常にゆるく、きちんと固まりません。
やわらかく口当たりが良さそうにも見えますが、寒天が溶けきっていないのでざらっとしたものが口に残り、おいしくないという結果に。
沸騰してから2分間加熱したもの
鍋全体に気泡が沸き立った状態で、約2分間加熱してから型へ。
しっかりと固まっていて、寒天特有の歯切れが良い食感が楽しめます。
冷たい牛乳やジュースを加えた
寒天液に冷たい液体を加えるのはNG。冷たいものに触れた部分の寒天が先に固まり、ダマになったり、均一に固まらなかったりします。
後から加える牛乳やジュースは、人肌程度に温めてから加えるのがポイントです。
寒天液に、冷蔵庫から出したばかりの牛乳を加えたものと、約40℃に温めた牛乳を加えたものを比較してみましょう。
材料
- 水…200ml
- 粉末寒天…4g
- 砂糖…40g
- 牛乳…300ml
牛乳を冷たいまま加えたもの
表面に寒天のダマが見えますね。
ダマがあるのでなめらかさはなく、口当たりも悪い。
牛乳と水がきれいに固まってないので、水っぽい感じがしておいしくありませんでした。
牛乳を温めてから加えたもの
表面はきれいに固まっています。
牛乳と水と寒天が一体となっていてなめらかな見た目。つるんとして口当たりも良い仕上がりです。
寒天と酸味の強いものを一緒に煮た
寒天は酸に弱いのが特徴のひとつ。
オレンジジュースやレモン果汁など酸味のあるものを一緒に煮てしまうと、固まらないことがあります。
レモン果汁を最初から加えたものと、寒天が溶けた後に加えたものの出来上がりを見てみましょう。
材料
- 水…250g
- 粉末寒天…2g
- 砂糖…10g
- レモン果汁…10g
レモン果汁を最初から加えたもの
固まっておらず、型から出すと崩れてしまいます。
食感もドロドロとしていて、おいしくありませんでした。
レモン汁を後から加えたもの
しっかりと固まり、型から出しても美しい仕上がり。
失敗しないためのポイントをまとめてみた
ポイント1.水に粉末寒天を加え、沸騰後2分間加熱する
沸騰した後も加熱を続け、しっかりと寒天を溶かした寒天液を作りましょう。
砂糖を加える場合は、寒天が溶けた後に加えると〇
ポイント2.液体は温めてから加える
牛乳やジュースなどの液体は冷たいまま加えずに、必ず温めましょう。
熱すぎてもよくないので、温度計があるなら40℃前後に。なければ、触って温かいと感じる人肌程度の温度を目安に。
ポイント3.酸味のあるものは必ず最後に
酸味の強いものを加えるときは、火を止めてから最後に入れましょう。
オレンジジュースや牛乳に直接寒天を加え、火にかけるレシピなどもありますよね。
もちろん成功するものありますが、失敗を防ぐためには、できるだけ上記3つを意識してみてください。
ひんやり寒天スイーツを楽しんで!
ゼラチンやアガーともまた違った食感でおいしい寒天スイーツ。
すぐに固まるので、思い立ったときに作って食べられるのも魅力的。
ポイントを押さえて、ひんやり寒天スイーツをお楽しみください。