シュー生地が冷凍できること知ってる?
焼く前のシュー生地は、冷凍保存できることをご存じですか?
なぜ、シュー生地は冷凍しても膨らむのでしょう。
今回は、「作りたてと冷凍したもので違いがあるのか」「冷蔵はできないのか」などの疑問もあわせて検証。それぞれ、詳しく解説していきます。
シュー生地の冷凍方法と焼き方
焼く前のシュー生地を冷凍~焼成する手順をご紹介します。
- オーブンシートなどを敷いたバットの上にシュー生地を絞る。
*間隔はそんなに空けなくても大丈夫。
- そのまま冷凍庫に入れ、固まるまで冷凍。
*1時間ほどしたら、手で持ってオーブンシートからはがせるくらいになります。
- オーブンシートから外してフリーザーバッグに入れ、冷凍庫で保存。
*保存期間は、2週間くらいが目安です。
- 天板の上に間隔を空けて並べ、解凍せずにそのまま焼成。
*生地が冷たいと庫内温度が下がるため、予熱を高めにするなど工夫すると良い。
冷凍してもシュー生地が膨らむのはなぜ?
シュー生地は焼いている間に膨らんで、中に空洞ができるのが特徴です。
これは、オーブンの中で生地に含まれている水分が加熱されて水蒸気に変わり、蒸気の力で生地を内側から押し広げるように膨らむのが理由。
シュー生地に含まれている水分は冷凍しても減ったりなくなったりしません。だから、冷凍したものを焼いても膨らむのですね。
温かいシュー生地と冷凍したシュー生地では違う?
冷凍して大丈夫とはいっても、出来たての温かい生地と比較すると、膨らみが小さいのではないか気になりますよね。
作りたてのシュー生地と、冷凍したシュー生地を比較してみます。
条件
- 作りたての温かい生地(約30℃)と、冷凍して凍ったままの生地(約-6℃)
- 同じ温度と時間で焼成
どちらも、ほぼ変わりなく焼けています。膨らみも焼き色も同じくらい。
触ると、冷凍のまま焼いたほうが若干やわらかい気がします。
冷凍のまま焼くときは、予熱を高くしたり焼成時間を少し長めにしたりするなど、調整すれば変わりなく焼くことができます。
冷凍したシュー生地は凍ったまま焼く?解凍してから焼く?
冷凍した生地は、解凍してから焼いたほうがよいのでしょうか?
条件
- 凍ったままの冷凍生地(約-6℃)と、天板に並べて室温にしばらく出しておいた冷凍生地(15℃)
- 同じ温度と時間で焼成して比較
どちらも、ほぼ変わりなく焼けています。膨らみも焼き色も同じくらい。
冷凍庫から出してすぐ焼いてもいいし、天板に並べて解凍してから焼いても、どちらでも大丈夫そうです。
冷蔵保存はできないの?
シュー生地が冷凍できることはわかりましたが、冷蔵での保存はできないのでしょうか?
冷蔵保存があまり勧められてないのには理由があるのか、考察してみました。
温かいシュー生地と冷蔵のシュー生地を比較
条件
- 温かい生地をオーブンシートの上に絞り、冷蔵庫で丸一日保存
- 作りたての温かい生地(30℃)と、冷蔵庫から出したばかりの生地(10℃)
- 同じ温度と時間で焼成して比較
冷蔵したものは膨らみが悪く、やや横に広がって高さがありません。
これは、冷蔵庫内で生地が乾燥してしまったことが原因と思われます。
生地が乾燥していると表面の生地が焼き固まるのが早くなり、水分が内側から押しても膨らまなくなってしまうのではないでしょうか。
試しに、冷蔵保存した生地に霧吹きで水をたっぷりかけて焼いてみると、膨らみました。
冷蔵保存で乾燥したまま焼いた生地は、空洞もあまりありません。
絞り袋に入れたままの生地を冷蔵保存したらどうなる?
生地を絞り袋に入れたままならば、乾燥は防げるという予想のもと、実験。
条件
- 生地を絞り袋に入れたまま冷蔵庫で丸一日保存。
- 冷蔵庫から出してすぐに絞り出して焼成。
結果は、膨らみは悪くありませんが、縦に高く伸びてやや小ぶり。
冷たい生地はかたいので絞り出しづらく、底面積が小さく、上に高くなるようにしか絞れなかったのが原因かと。
温かいうちに絞らないと、生地は絞り出しづらくなってしまうのですね。
冷蔵がおすすめされない理由を考察してみた
シュー生地は冷蔵保存することで膨らまなくなるというわけではなく、乾燥したり、冷たい生地を絞り出すことが難しいということから勧められてないのではないでしょうか。
- 温かいうちに生地を天板の上に絞って冷蔵庫に入れておくのは、場所を取りすぎてしまううえ、乾燥してしまう。
- 絞り出し袋に入れたままの生地は、絞り出しづらくなってしまう。
上記2点を考えると、冷凍のほうが手軽に保存できておすすめです。
シュー生地の冷凍保存は便利!
シュー生地は、出来たての温かい生地を絞ってすぐに冷凍しておけば、食べたいときに焼けて便利です。
ぜひ試してみてくださいね。