メレンゲは砂糖を変えても作れる?グラニュー糖・上白糖・きび砂糖・てんさい糖で比較してみた
砂糖の種類でメレンゲの立ち方に違いはある?
お菓子でメレンゲを作るとき、レシピではグラニュー糖を指定していることが多いですよね。
では、グラニュー糖以外の砂糖ではメレンゲを作ることはできないのでしょうか?
今回のコラムでは、グラニュー糖・上白糖・きび砂糖・てんさい糖を使ってメレンゲの立ち方を比較してみました。
砂糖ごとに比較検証してみた
グラニュー糖・上白糖・きび砂糖・てんさい糖の4種類の砂糖を使い、それぞれメレンゲを同条件で立てて比較検証。
条件
- 卵白…2個(60g)
冷蔵庫から出してすぐに割卵。泡立てスタート時の温度12℃ - 砂糖…30g
- クイジナートハンドミキサーの高速使用
- 砂糖を加えるタイミングは、泡立て開始30秒後・1分後・1分半後の3回
検証
細目グラニュー糖
非常に目の細かい製菓用のグラニュー糖。
ダマにならず冷たい液体にもスッと溶ける特徴があります。
冷たい卵白にも溶けやすく、短時間で理想のメレンゲができるので、メレンゲには細目グラニュー糖を指定しているレシピが多いです。
泡立て開始から2分30秒でツノが立ち、ツヤのある状態になりました。
上白糖
ご家庭に常備している方も多い上白糖。
グラニュー糖よりもしっとりしていますが、粒子は細かいので卵白にも溶けやすいです。
上白糖も、泡立て開始から2分30秒でツノが立った状態になりました。
きび砂糖
サトウキビを原料にした茶色い砂糖。完全に精製していないのでサトウキビの風味が残り、コクがあります。また、ミネラルも含まれています。さらさらとした粉末タイプ。
泡立て開始から2分30秒。
グラニュー糖や上白糖ではすでにツノが立ったが、きび砂糖はまだトロトロと流れ落ちる状態。
泡立て開始から4分。ツノが立った状態になりました。
さらさらとした粉末状に見えますが、グラニュー糖や上白糖よりも目が粗いので、泡立つのに時間がかかってしまいます。
てんさい糖
甜菜(てんさい:ビートまたは砂糖大根とも呼ばれる)から作られる砂糖。
天然のミネラルやオリゴ糖が含まれており、血糖値の上昇がおだやかなことから健康志向の方にも人気。
グラニュー糖ほどサラサラしておらず、上白糖のようなしっとり感もありません。粒は粗く、大きなものは2mm程度。
泡立て開始から2分半。
きび砂糖よりもさらにトロトロとした状態。
泡立て開始から4分。きび砂糖ではすでにツノが立っていたが、てんさい糖はまだツノは立たず、メレンゲがベタっと寝てしまう状態。
泡立て開始から5分。ツノが立った状態になりました。
きび砂糖よりも目が粗いため、さらに時間がかかりました。
結果
どの砂糖を使ってもメレンゲは作れるという結果でしたが、泡立てにかかる時間は砂糖により異なりました。
- グラニュー糖と上白糖は2分半
- きび砂糖は4分間
- てんさい糖は5分間
レシピで指定の多いグラニュー糖を基準にすると、きび砂糖は1.6倍、てんさい糖は2倍の時間がかかりました。
今回はパワーがあるクイジナートのハンドミキサーを使ったので、他のハンドミキサーだともう少し時間がかかると思います。
また、比較のため砂糖を加えるタイミングを統一しましたが、本来はメレンゲの状態を見極めながら入れるので、多少泡立ての時間が変わってくるかもしれません。
メレンゲを作るときの砂糖の使い分け方
どのお砂糖でも作れることがわかったメレンゲ。それぞれどう使い分ければ良いのでしょうか。
グラニュー糖
ボリュームがあり、きめが細かくツヤのあるメレンゲを作ることはお菓子作り成功の秘訣。一番良い状態のメレンゲが作りやすいのはグラニュー糖です。
すっきりとした甘さで他の素材の味を邪魔しない点からも、多くのメレンゲのレシピではグラニュー糖を推奨しています。
上白糖
グラニュー糖と同様に素早く泡立てることができますが、メレンゲに上白糖はあまり使われませんね。
グラニュー糖よりもくどい甘さになってしまったり、ベタついてしまったり、焼き色が濃くついてしまったりという点がマイナスになり、使われることが少ないのかもしれません。
しっとりして焼き色しっかりつくという上白糖の効果をいかし、別立てのジェノワーズやロール生地を作る際のメレンゲに使われることがあります。
きび砂糖
ほんのり茶色く色付くので、真っ白いメレンゲを作りたいときには向いていませんが、きび砂糖特有の風味が楽しめます。
きび砂糖の味わいが好きな方は、シンプルなシフォンケーキに使ったり、和素材と合わせるレシピに使ったりすると◎
てんさい糖
てんさい糖でもメレンゲは作れるので、精製されたお砂糖を使いたくないという方も、メレンゲを使ったお菓子を楽しむことができます。
使う際は、泡立ちが遅いこと、真っ白いメレンゲにならないことを考慮してくださいね。
好みの砂糖でメレンゲを!
今回のコラムで、砂糖の種類を変えると、メレンゲの泡立てにかかる時間に違いがあることがわかりましたね。
特徴を覚えておいて、お好みの砂糖でメレンゲを作ってみてください。