高加水パンを作ってみよう!
パン好きの方なら、「高加水パン」という名称を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回は、高加水パンについて詳しく解説。
加水率80%で作るパンのレシピもご紹介します!
高加水パンとは
高加水パンとは、水分を多く含むパンのこと。
一般的なパン生地の水分量は、粉量に対して60~70%。
高加水パンは、80%以上の水分を含みます。
高加水パンのメリット・デメリット
高加水パンにはどんな特徴があるのでしょうか。メリットとデメリットについて解説します。
メリット
モチモチしっとりして食べやすい
水分を多く含むため、モチモチした食感としっとりした口当たりのおいしいパンが焼けます。
クラムはみずみずしくツヤがあり、パサつきがなくて食べやすさも◎
日持ちする
高加水のパンは、水分が抜けにくく日持ちもUP!
水分量が多い生地は焼くとでんぷんが糊化し、クラムにツヤが出ます。水分を保持する効果があり、パンの老化を遅らせることができるのです。
風味豊かなパンになる
少ない酵母を使って低温で長時間発酵させて作るので、生地が熟成して香りやうま味が引き出されます。
酵母臭さもなく、風味豊かなパンが焼けます。
デメリット
生地が扱いづらい
水分が多い生地は緩くてベタベタしています。
特にパン作り初心者の方は、慣れるまで扱いづらく感じるでしょう。
作業効率が悪いため、機械での大量生産も難しくなります。
横に広がり、高さが出にくい
高加水の生地は緩いため、横に広がって高さが出にくくなります。
型を使わずに高さがあるパンを焼こうと思えば、手間や技術が必要です。
カビが生えることがある
水分が多いパンの老化は遅いですが、カビが生えやすいので注意が必要。
高温多湿を避けるなど、保存状態に気を配らなければなりません。
高加水パンのレシピ・加水率80%のチャバタ(4個分)
加水率80%のチャバタです。
冷蔵発酵にすることで生地が冷え、初心者でも扱いやすいレシピになるよう作りました。
材料はシンプル!こねや成形の工程もほとんどなく、簡単にモチモチ食感のチャバタが味わえます。
材料
- 準強力粉(リスドォル)…200g
- 砂糖…5g
- 塩…4g
- 水…160g
- インスタントドライイースト(赤)…1g
下準備
- 水を30℃程度にする。
作り方
- 水にドライイーストを振り入れ、混ぜて溶かす。
- ボウルに準強力粉・砂糖・塩を入れ、ゴムベラで混ぜる。
- ドライイーストを溶かした水を少しずつ入れ、ダマにならないようにゴムベラでぐるぐる混ぜる。
材料が均一になればラップをかけ、20分間休ませる。
- ゴムベラで生地の端を持ち上げ、反対側に折りたたむ。この作業をボウルを回しながら4~5回繰り返し、生地をまとめていく。
ラップをかけ、室温(20~25℃)に20分間置く。
- 冷蔵庫に入れ、6~8時間発酵させる。
約2倍の大きさになれば発酵完了。
- 冷蔵庫から生地を出し、20分間置く。
生地の表面と台に打ち粉を振って、ドレッジで生地を出す。
生地の底を優しく持ち上げながら、20×25cmの大きさに広げる。
- 生地の上下を1/3ずつ折り畳み、三つ折りにする。生地を軽くたたいて厚みを均一に整える。
生地を裏返し、ドレッジで4分割する。
- オーブンシートを敷いた天板に並べる。
- 室温(20~25℃)で30分間発酵させる。生地が少しふっくらしたらOK。
発酵が終わる時間までに、オーブンを250℃に設定して予熱をする。 - 表面に強力粉(分量外)を振る。
ナイフで斜めにクープ(切れ目)を入れる。 - オーブンに入れ、庫内にたっぷり霧吹きで水をかける。
250℃に予熱したオーブンを230℃に下げ、15分間~焼成。
- 焼き上がり。
「もちもちチャバタ」の詳しいレシピページはこちら。
チャバタとは?初心者でも作りやすい食事パン
チャバタとは、「スリッパ」という意味をもつイタリアの食事パン。
横に広がった見た目がスリッパに似ているから名付けられたといわれています。
初心者でも作りやすいパンで、焼き色は濃すぎず、丸い小さな気泡が均一に入ります。
ベーシックなパンなので、サンドイッチにするのもおすすめです。
同じような形でフランスの「リュスティック」というパンがあります。
しかし、こちらは何度もパンチを入れて作り、縦の気泡たっぷりで高さを出すように仕上げるので、少し難易度が上がります。
高加水パンは、特性を理解すれば初心者でも作れる
今回は、高加水パンについて詳しく解説しました。
モチモチしっとりで口どけの良いクラムは、高加水で作るからこそ味わえるおいしさ。
ご紹介したチャバタは、初心者でも作りやすい製法の基本のレシピです。
初めての高加水パンに挑戦してみてくださいね。