粒あんを炊いてみよう!
和菓子を作る際に欠かせない存在の「あん」。
小豆から作る出来たての新鮮なあんは格別なおいしさです。
今回は、あんの中でも一番作りやすい、基本の「粒あん(つぶあん)」の作り方を解説していきます。
小豆は水に漬けておく必要なし
豆類を煮る際、下準備として一晩水に浸して吸水させることが多いのですが、小豆の場合はその必要はありません。
小豆は皮が硬いので、一晩水に浸しておいてもあまり吸水しないからです。
それに、水に浸しておくよりも熱湯の中に入れ、一気に吸水させた方が皮も破れづらく、失敗なく中までふっくらやわらかに仕上がります。
前日からの準備が必要ないと、作りたい時にすぐ作れて、あんこ作りへの敷居もグッと下がりますよね。
粒あんのレシピ
材料(出来上がり量:約1kg)
- 大納言小豆…300g
- グラニュー糖…300g
- 仕上げ水…400cc
- 水あめ…30g
*水をたっぷり入れるので、大きめの鍋を使用してください。
作り方
- まず小豆を流水で洗う。
- 鍋に1.5Lの湯を沸かし、沸騰した中に小豆を入れる。再度沸騰させ、そのまま5分間程煮る。
- 約1Lの差し水をし、お湯の温度を50℃まで下げる。
- 再度沸騰させ、そのまま5分間程煮る。
- ザルにあけて煮汁を捨て、流水で洗う。
- 鍋に再度1.5Lの湯を沸かし、小豆を入れる。沸騰したら火を弱め、豆が踊らない程度の火加減でやわらかくなるまで煮る。
- アクがたくさん出てくるので、こまめにすくい取る。
- 何粒か取り出してみてかたさを確認する。
簡単に指でつぶせるくらいにやわらかくなっていたら、鍋にふたをして約1時間蒸らす。 - 蒸らし上がった小豆をザルにあけ、水気を切る。
- 鍋に小豆・仕上げ水・グラニュー糖の1/3量を加え、火にかける。
- 時々ヘラでかき混ぜながら水分を飛ばし、残りのグラニュー糖をさらに2回に分けて加える。
- 水分が飛び、ヘラで混ぜた時に鍋底が見えるくらいにのタイミングで火を止める。
- ボウルに水あめを量り、あんを少量加えて混ぜる。それを鍋の中に戻し、全体に混ぜる。
- 炊き上がったあんは小分けにしてバットに広げ、かたく絞ったぬれ布巾を被せて冷ます。
*画像では温度計が挿さっていますが、ここでは温度は気にしなくて大丈夫です。
*この作業を「びっくり水」といいます。びっくり水とはお湯の温度を一気に下げる事で豆の表面と内部の温度を均一化し、煮えむらを防止するために行う作業です。差し水の量よりも、温度を守ってください。
*シワが伸び、表面に小豆が浮いてきます。
*この作業を「渋きり」といいます。
*300gの豆の量で、1時間ほどかかります。
*乾燥状態の小豆としっかりと煮えた状態の小豆を比較すると、約2倍の大きさに膨らんでいます。
*一度に砂糖を加えると、浸透圧の関係で豆が硬く煮上がってしまうことがあります。少しずつ加えていくのがコツです。
これで粒あんの出来上がりです!
手作りあんで和菓子作り
あんが出来上がったら、さっそく和菓子作り♪
上記の作り方で作ったあんは、適度に水分が飛んでいるので、丸めるのも容易にできるかたさ。
丸められるくらいに水分を飛ばしたあんは、大福やお饅頭に使うのにちょうど。手作りのあんで作る大福は格別の味ですよ。
その他にもあんパンやおはぎ、たい焼き作りなどにも使えます。
市販で売っているあんも同じくらいのかたさなので、一番使い勝手が良いといえます。
あんは冷えると固まるので、作りたいお菓子に合わせて、もっと緩めが良ければ少し水分を多めにして炊き上げるといいですよ。
炊き上げた後に微調整することも可能です。
緩めにしたい分量のあんと適量の水を鍋に入れ、加熱します。
少しずつ水を足しながら混ぜ、使いたいかたさよりも少し緩いくらいで火を止めます。
やや緩めのあんは、どら焼きにいかがでしょう。
皮にあんの水分がなじんで、一体感が出ます。
あんから作る手作りのどら焼きは、お土産にも喜ばれます。ホットプレートでわいわい作るのも楽しそうですね。
もう一つ、あんで作るあんソースもご紹介。
ババロアやアイスにちょっとだけあんをトッピングしたいなんて時はありませんか?そんなときはあんにシロップを混ぜて、少し緩くするだけで即席あんソースの出来上がり。
シロップは熱湯50ccに砂糖20gを入れて溶かし、冷ましたものを使います。
ちょっとだけ使いたいときにとても便利です。
きな粉の葛プリンにトッピングしてみました。
暑い季節に冷たい和スイーツを作る際のトッピングの選択肢の一つにいかがでしょうか。
「きな粉の葛プリン」の詳しいレシピページはこちら。
手作りの和菓子材料で特別なひとときを
和菓子の基本「あん」。市販品でも手軽でおいしい物が簡単に手に入れられますが、手作りのあんのおいしさは本当に格別です!
たくさん作って冷凍しておけば、いつでも和菓子作りが楽しめます。
和菓子に興味のある方は、ぜひ参考にして作ってみてくださいね。
こしあんを作ってみたい方は、「フードプロセッサーでお手軽こしあんの作り方」をご参照ください。