もう失敗しない!ガナッシュについて学ぼう
バレンタイン時期に大活躍する濃厚なガナッシュ。
「チョコレートと生クリームを混ぜるだけでしょ?」なんて思っていると、意外に失敗が多いクリームです。
ガナッシュを作る上で大事なポイントはずばり乳化!
今回は失敗しないガナッシュの作り方について詳しく解説します。
「分離した」「固まらない」など、ありがちな失敗の原因もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ガナッシュとは
ガナッシュとは、チョコレートと生クリームを合わせて作る、フランス発祥の口どけなめらかなチョコレートクリーム。
フランス語で「ganache」と書き、「のろま・愚か」という少し変わった意味をもつ言葉なんです。
由来は諸説ありますが、見習いの菓子職人が誤ってチョコレートに生クリームを入れてしまった失敗から生まれたといわれています。
生チョコ、トリュフとの違い
人気の高いチョコレート菓子・生チョコやトリュフと、ガナッシュとの違いを解説します。
どちらも一見ガナッシュと同じに思えますが、ガナッシュはチョコレート菓子に使われる「材料」。ガナッシュはそのまま食べたりせず、生チョコやトリュフといったお菓子の元となります。
生チョコ(生チョコレート)
ガナッシュを冷やし固めてカットしたお菓子。
洋酒やピューレで香り付けして楽しむこともできます。
トリュフ
ガナッシュを丸め、テンパリングしたチョコレートをかけたのち、ココアパウダーや粉糖をまぶしたお菓子。
キノコのトリュフに似た見た目の、丸い形が特徴です。
チョコレートと生クリームの割合は?
ガナッシュの基本的な配合を見ていきましょう。
使うチョコレート(スイート・ミルク・ホワイト)の種類で配合が変わります。
ここでご紹介するのは生チョコやトリュフに使用する場合の配合。
ケーキに挟むクリームやコーティングをする場合は、生クリームの比率を増やします。
参考にするレシピの分量を変えると失敗することがあるので注意しましょう。
スイートチョコ:生クリーム=3:2~2:1
ミルクチョコ:生クリーム=2:1
ホワイトチョコ:生クリーム=3:1
失敗しないガナッシュのレシピ
スイートチョコのガナッシュを例に、作り方を詳しく見ていきましょう。
材料
- スイートチョコレート…60g
- 生クリーム(35%)…40g
- 水あめ…10g
作り方
- ボウルにチョコレートを入れ、50~60℃の湯せんにかけて溶かします。
*チョコレートが45〜50℃になるように温めましょう。高温の湯せんで溶かしてしまうと分離するので注意してください。ホワイトチョコレートの場合は特に分離しやすいので湯せんの温度は下げ、チョコレートの温度は40℃を目安にします。
- 鍋に生クリームと水あめを入れ、縁がフツフツ沸くまで中火で温めます。
- チョコレートのボウルに生クリームを加え、1分間ほど置きます。
*しばらく置くことでチョコレートの中心まで熱が行き渡り、溶け残りがなくなって分離しにくくなります。
- ゴムベラで中心に円を描くように静かに混ぜ、徐々に円を大きくして全体にツヤが出るまで混ぜます。
*中心から少しずつ乳化させることで失敗しにくく、安定した仕上がりになります。レシピによっては、ここでバターや洋酒を加えます。
- 完成。
きちんと乳化しているとツヤがあり、もったりとした状態になります。
なめらかなガナッシュを作る水あめの効果
水あめやトリモリン(転化糖)には、砂糖の結晶化を防ぐ効果があります。
ガナッシュに加えるとチョコレートが分離しにくくなり、なめらかな口どけに仕上がるといいことずくめ。
また、冷蔵庫に入れてもかたくなりすぎないという点も高ポイント!
本格的な口当たりのガナッシュを作りたい!という方はぜひ入れてみてください。
分離した!固まらない!ガナッシュ作りが失敗する5つの原因
ガナッシュ作りにありがちな「分離」や「固まらない」といった失敗の原因をご紹介します。
原因をしっかりと理解して、なめらかな食感のおいしいガナッシュを作りましょう。
失敗の原因1.きちんと乳化していない
混ぜ足りず、しっかりと乳化できていないと分離したり、固まったあとにザラザラとした仕上がりになったりします。
チョコレート(油分)と生クリーム(水分)は、始めは分離している状態。
ツヤと粘度がある状態までしっかりと混ぜることがガナッシュ作りでは大切になってきます。
ハンドブレンダーで仕上げに空気を抜くと、ワンランク上の仕上がりになりますよ。
失敗の原因2.生クリームの量が少ない
生クリームを沸騰させすぎて水分が蒸発したり、レシピと違う分量で作ったりとガナッシュの水分量が足りないと分離してしまいます。
もしチョコレートの塊と油に分かれてしまった場合も諦めないで!
湯せんで一度溶かしてから少しずつ温めた生クリームを加え、乳化するまでよく混ぜると復活することがあります。
失敗の原因3.レシピと違うチョコレートを使っている
スイートチョコのガナッシュと同じレシピでホワイトチョコのガナッシュを作ろうとしても、うまく固まらず失敗します。これは、スイートチョコとホワイトチョコのカカオ分の違いが原因。
チョコレートのカカオ分が多いほど、ガナッシュは固まりやすくなります。
また、生クリームの乳脂肪分が高いと油分が多くなり、分離することがあります。
レシピに記載がない場合は、乳脂肪分が35%程度のものを使うとよいでしょう。
失敗の原因4.温度が低い
生クリームの温度が低いとチョコレートが溶けきらなかったり、分離したりする原因になります。
チョコレートを湯せんで溶かし、ガナッシュ全体の温度を上げると失敗せずに作れますよ。
失敗の原因5.水が入った
分量や温度を守ったのにガナッシュが分離した、固まらないというときは、作る際に水が入ってしまった可能性があります。
チョコレートを湯せんで溶かす際には鍋よりもひと回り大きなボウルに入れ、水分や湯気が入らないよう注意しましょう。
ガナッシュの保存方法
ガナッシュは、粗熱が取れたら密着するようにラップをかけ、冷蔵庫で保存します。
生クリームを使用しているので、早めに使い切ってくださいね。
ガナッシュのおすすめ活用法
ガナッシュには、生チョコやトリュフはもちろん、他にもいろいろな使い道があります。
マカロンにサンドしたり、ガナッシュサンドクッキーを作ったり。焼いたタルト生地のフィリングにすれば、お手軽生チョコタルトが完成します。
失敗なしでなめらかガナッシュを作ろう!
簡単に見えてとっても奥が深い「ガナッシュ」。
チョコレートのカカオ含有量や生クリームの乳脂肪分などが違うと、レシピと同じように作っても仕上がりが違うことがあります。
ガナッシュを失敗しないためには、作り方のポイントをしっかりと押さえることが必要です。
おいしいチョコレートのお菓子作りを楽しんでくださいね♪