シュークリーム、成功への道
シュークリームは皮とクリームだけの、いたってシンプルな構成。実は、シンプルなお菓子ほど難しいものはないのです。
でもそのぶん、成功すると喜びもひとしお!
今回は基本のシュークリームのレシピを詳しくご紹介します。
シュークリームとは
シュークリームとは、水・バター・小麦粉・卵などを合わせてオーブンで丸く焼き上げた生地に、クレームパティシエールなどのクリームを詰めたフランス菓子。
フランス語で「シュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crême)」は、「クリーム入りのキャベツ」という意味。
「chou」はキャベツを意味しており、丸く焼き上がった形がキャベツに似ているからその名が付けられたそう。
日本に初めて伝えたのは、幕末に日本に来たフランスの菓子職人。その後、昭和30年代以降の冷蔵庫が普及するころに一般庶民にも広まっていったといわれています。
基本のシュークリームのレシピ(8~10個分)
パリッとしたシュー皮に、カスタードクリームをたっぷりと詰めた王道シュークリームのレシピです。
シュー生地を作る
材料
- 牛乳…45g
- 水…45g
- 無塩バター…40g
- 塩…2g
- 砂糖(グラニュー糖)…2g
- 薄力粉…55g
- 全卵(M玉)…2~3個
下準備
- 薄力粉をふるっておく。
- 全卵を常温に戻しておく。
作り方
- 鍋に牛乳・水・無塩バター・塩・グラニュー糖を入れ、ぶくぶく泡が立つくらいまで沸騰させる。ふるった薄力粉を一度に加え、手早く混ぜる。
- ひとかたまりになったら中火で加熱。1~2分間火にかけながら、鍋底からゴムベラでしっかり混ぜ、粉に完全に火を通す。
- 火から下ろし、ボウルに移す。
別の小さなボウルで全卵をまず2個溶きほぐし、少しずつ加えて混ぜる。生地の出来上がりの目安は、ゴムベラですくうとポテッと落ち、ゴムベラに残った生地が三角形状になること。
*卵2個で足りなければ、3個目を少量ずつ生地の状態を見ながら加えるのがコツ。
- 丸口金をつけた絞り袋に生地を入れる。シルパンを敷いた天板に直径6cm程度の大きさで絞っていく。
ハケで表面に卵を塗り、フォークで軽く押して平らにする。
*表面を平らにしてフォークで少し亀裂を作ると、きれいな焼き上がりになります。
- 210℃に予熱したオーブンを190℃に下げ、25分間焼成。170℃に下げ、さらに20分間焼成。合計45分間焼く。
*庫内温度が下がってしまうので、絶対に途中でオーブンを開けないでください。
カスタードクリームを作る
材料
- 牛乳…400g
- 卵黄…80g
- 砂糖(グラニュー糖)…100g
- 薄力粉…40g
- バニラビーンズ…5cm
- 無塩バター…20g
- 生クリーム(乳脂肪分42%)…160g
作り方
- ボウルに卵黄・グラニュー糖・薄力粉を入れ、ホイッパーで混ぜる。
鍋に牛乳・バニラのサヤと種を入れ、フツフツ沸いてくるまで温め、卵黄のボウルに少しずつ入れてよく混ぜる。
- 茶こしでこしながら鍋に移し、中火にかけて絶えずかき混ぜながら炊く。
徐々にかたくなり、もったりしてきてもすぐに火を止めず、さらに混ぜながら炊いていく。
- かたかったクリームがホイッパーで持ち上げるとトロッとやわらかくなったら炊き上がり。
火を止め、無塩バターを入れて混ぜ、余熱で溶かす。
- 清潔なバットに広げてピタッとラップをし、氷水の入ったポリ袋を上に置いて、急冷する。ある程度冷えたら冷蔵庫へ移し、中まで完全に冷やす。
しっかり冷えたら網とカードで、一度裏ごしする。
- ボウルに入れ、ハンドミキサーの羽根を1本つけてほぐす。
別のボウルでかたく泡立てた生クリームを加え、ゴムベラで混ぜ合わせる。
仕上げる
材料
- トッピング用粉糖…適量
作り方
- シュー生地にナイフで切り込みを入れる。
*画像のようにやや斜めに入れるときれいな仕上がりに見えるのでおすすめ。
- 丸口金をつけた絞り袋にカスタードクリームを入れ、シュー皮にたっぷりと絞り入れる。
- お好みでトッピング用の粉砂糖を振って出来上がり。
底からクリームを入れたい場合は、底に十字に切り込みを入れ、クリームを注入してください。
「シュークリーム」の詳しいレシピページはこちら。
「膨らまない」「しぼむ」シュークリームが失敗する原因
シュー生地作りにおいて、もっとも失敗しやすい点をまとめてみました。
失敗例1.膨らまない
シュー生地が膨らまない原因として最も考えられるのは、卵の入れ過ぎです。
生地がやわらかすぎると横に広がって焼けてしまい、つぶれたような形に。
卵を入れ過ぎた生地はもう元に戻せないので、生地の工程写真を参考に、注意しながら調整してみてください。
失敗例2.形がいびつになる
絞った後に生地を足そうと重ねて絞る、表面がデコボコしたまま焼くなどの行為は、大きなコブができたような形に焼き上がってしまう原因。
焼く前の生地の表面は、なるべく平らにするのがポイントです。
失敗例3.しぼむ
焼成途中でオーブンを開けたり、中が半焼けの状態でオーブンから出したりしてしまうと、生地がしぼむ原因になります。
表面はしっかり焼けていても、中はまだ白っぽいと半焼けの状態。しっかり焼けた生地は中までカラッと乾いています。
生地の割れ目がしっかり色付くまで、レシピの焼成温度・時間を参考に、使うオーブンの温度や時間で調整しましょう。
基本のシュー生地をマスターすればアレンジいろいろ♪
基本のシュー生地をマスターすると、シュー菓子作りのレパートリーもグッと増えます。
一番簡単なアレンジはアーモンドをのせたアーモンドシュー。香ばしさが加わって人気のアレンジです。
パイシューやクッキーシューも食感が変わっておいしいですよ。
絞り方を変えてチョコを掛ければエクレアに。ちょっとレトロにスワンの形に仕上げてもかわいい。
チョコや抹茶などの副材料を加えたアレンジも。クリームのみ変えるだけでも、いろいろな味わいが楽しめます。
慣れてきたら、ちょっと上級者向けにサントノレやパリブレストに挑戦してみるのも◎
バリエーション豊富なシュー菓子、いろいろ試してお楽しみください。
一つひとつの工程を丁寧に
今回は、シュークリームの作り方を詳しくご紹介しました。
シュー生地はそろえやすい材料で作れるので、何度も挑戦しやすいお菓子。生地の状態を見ながら丁寧に作れば、必ずうまく焼けるようになります。
出来たてシュークリームのおいしさは格別♪
基本のシュークリーム、ぜひマスターしてくださいね。