お菓子作りにぴったりなりんごって?
秋冬のお菓子に頻繁に使うりんご。
スーパーに行くとさまざまな種類のりんごがあり、手軽に安価で手に入るのも、作りたくなる理由かもしれませんね。
アップルパイにタルトタタン。りんごのパウンドケーキなんかもそそられます。
お菓子作りには「紅玉」が良いといわれますが、手に入らないときも多々。
そんなときは、どんなりんごを使えばいいのでしょうか?
秋の初旬に出回るりんごを、「紅玉」と一緒に比べてみました。
今回比べるりんご
シナノドルチェ
長野生まれの品種です。
甘みと酸味のバランスが良く、果汁の量が多いのが特徴。
ややかためのサクッとした食感も楽しめます。
サンつがる
青森生まれで、「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」の交配品種です。
甘口で酸味は少なめ。
きおう
岩手県生まれの青リンゴで、「王林」と「千秋」の交配によって生まれました。
「黄色い品種の王様」ということで「きおう」と名付けられています。
酸味が弱めで甘さが強い。
紅玉
アメリカ原産のりんごです。
名前の通り、真っ赤に色付き、果肉は緻密で煮崩れしにくい肉質をしています。
甘みもありますが、それ以上に酸味が強い。
酸味が強く、煮崩れないのがお菓子向きとされている理由ですが、実際はどうでしょうか?
4種類のりんごを比較
条件
- りんごは皮をむき、4等分に切った後、ヘタと種を取って厚さ0.5mm程度にカット。
- りんごの果肉量の10%加糖し、レモン汁10gと一緒に10分間煮る。
それぞれの仕上がり
シナノドルチェ
- 果肉…220g
- 砂糖…22g
- レモン汁…10g
出来上がりの色が一番濃くなりました。
りんごの味が濃く、甘酸っぱいという言葉がぴったりに感じます。
煮崩れは、そこまでひどくありませんが少し崩れた感じに。
サンつがる
- 果肉…140g
- 砂糖…14g
- レモン汁…10g
酸味が少なく甘みを強く感じ、4種類の中で一番甘く感じました。
やわらかな仕上がりで、煮崩れも一番顕著に現れたように思います。
きおう
- 果肉…200g
- 砂糖…20g
- レモン汁…10g
酸味をしっかり感じます。りんごの味というより酸味を一番に感じる気がします。
煮崩れは少なく、シャキシャキとした仕上がりです。
紅玉
- 果肉…200g
- 砂糖…20g
- レモン汁…10g
酸味がしっかりあります。
煮崩れも少なく、果肉がしっかり残った炊き上がりが印象的です。
比較してみた
酸味
酸味を一番感じたのはきおう。
その次が紅玉でした。
甘み
サンつがるがダントツで甘く、あとの3種類は同じくらい。
煮崩れ
紅玉は煮崩れがなく、しっかりと形を残していました。
次はきおうです。
まとめ
酸味、甘みは砂糖やレモン果汁の量で調整できるかと思います。
煮崩れに関しては、味付けで変えることができないので、その辺りを重視してりんご選びをしてもらえばいいのかなぁと思いました。
今回の結果では、りんごのお菓子にはやはり紅玉を使いたいなと思いました。
煮崩れのない果肉と、酸味などの味のバランスが一番よかったです。
その次はきおう。
きおうだけに限らず、青りんごは全般に煮崩れしにくく、お菓子向きと聞いたこともあります。違う青りんごでも試してみたいと思いました。
青りんごは比較的手に入りやすいですし、紅玉の代わりのりんごとして最適のように思います。
作りたいお菓子に合わせてりんごを選ぶ楽しみ
今回は4種類で比べましたが、かなり差を感じました。
これだけ違うと、レシピが同じでも全く違うお菓子になるんだろうな…。
これからますますいろいろな種類のりんごが出てきます。
いろんなりんごを試して、作りたいお菓子に合うりんごを探すのも、りんごのお菓子を作る楽しみになりそう。
皆さまのりんごのお菓子作りの参考になれたらうれしいです。