ホームベーカリーレシピは手ごねで作れる?
ホームベーカリーのレシピを眺めながら、「このレシピで焼いてみたいけど、ホームベーカリーを持っていない…」と、作るのをためらったことはありませんか?
ずばり、そのホームベーカリーのレシピ、手ごねで作れます!
いくつかポイントがあるので、ご紹介していきたいと思います。
材料を見てみよう
水分量に注目
ホームベーカリーのレシピは、水分量を多めに配合している場合があります。
まずはレシピ通りの水を別の容器に量り、1~2割ほど残して材料をこねます。
残りの水分は、生地の様子を見ながら徐々に足していくと良いです。水分を足すタイミングは油脂を入れる前までにしてください。
卵が入った生地は、どうしても台や手にくっつきやすくなります。これも生地の状態を見ながら水分を加えていくと良いです。
ある程度は水分の増減が可能ですが、あまり水分量を減らしすぎると重たいパンになってしまいます。
一般的なパンの水分量は65%くらい、バターロールなどのリッチな生地だと60~62%くらいを目安にしてくださいね。
粉量に注目
粉の量が300gを超えてくると、手ごねをするのがとても大変になってきます。
生地量が多すぎる場合は、同じ配合でこねやすい量に調整してもよいかもしれません。
水分量の目安や生地量の調整には、コラム「ベーカーズパーセントとは?徹底解説!」を参考にしてみてください。
こね方の工夫
手や台に生地がくっついて、手ごねは大変ですよね。
そんなときに覚えておきたいのが、たたきこね。
リズミカルに生地を持ち上げ、台にたたきつけてこねるのを繰り返すたたきこねは、程よく水分が飛び、台や手にくっつきにくいです。
さらにカードを用いて、台や手についた生地を集めながらこねると、生地のロスも少なくすみます。
油脂投入のタイミング
ホームベーカリーだと自動で投入される油脂も、手ごねだと自分で入れるタイミングを見極める必要があり、ここもポイントとなります。
写真で見てみましょう。
こね始め。生地がべたついていますね。
少し生地がまとまり、弾力が出てきました。もう少しこねていきます。
この時点でグルテンチェックをしてみると、生地は伸びずに切れていきます。
表面がきれいになるまでこねましょう。
再度グルテンチェック。薄い膜が張って、切れない状態になりました。
この状態までこねたら油脂投入のタイミングです。油脂を入れたら、もう一度この状態になるまで頑張ってこねましょう!
バターロールなどのバターの配合が多い生地のときは、バターのうち半分量を入れてこね、ある程度まとまってから残りを加えるとこねやすいです。
発酵は適切か
パン作りは通常、こね・一次発酵・分割・ベンチタイム・二次発酵・焼成の工程が必要です。
どれも大切な工程ですが特に重要なのが発酵。
一次発酵は生地の大きさが約2倍になるまで発酵を取ります。
確認にはフィンガーチェックを行い、一次発酵後の生地に優しく指をさして穴の戻りを見ます。
穴がすぐにふさがってしまうようなら発酵不足、逆に指をさしただけで生地全体がへこんでしまうと過発酵です。
二次発酵は、生地に指でそっと触れます。
クシュっと生地に含まれたガスがつぶれる感覚があり、生地の戻りが少なくなるまでを目安にするとよいと思います。
パンにもよりますが、1.5~2倍の大きさになるまで発酵させましょう。
焼成温度と時間はどうする?
焼成の温度や時間は、生地の配合・分割の大きさ・どんなパンを焼くかで変わってくるので、一概にはいえないのがとても難しいところ。
私はいつも、焼き上がったパンをイメージしてから配合を考えます。そのイメージと近いパンをインターネットやレシピ本から見つけて、焼成温度や時間を参考にさせてもらっています。
例えばカンパーニュのように大きく焼くハードパン・1斤型で焼く食パン・小さく分割して焼く総菜パンなど、焼きたいパンに近いレシピを探してみてくださいね。
パンを焼いているとオーブンから香ばしいパンの香りがしてきます。香りがしない場合は、焼きが不足しているか、温度が低くて生焼けになっている可能性があります。
パンの裏側もチェックしてみましょう。
中心にきれいな焼き色がついていたら焼き上がりの合図。
パンの裏側の確認は、他にも発酵具合や成形時に生地のとじ方が適切であったかなどの目安になります。
パン作りの基本を大切に
いかがでしたか?
これらのポイントは、基本のパン作りにも共通する大事なことばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
ホームベーカリーは誰でも一定のおいしさで作れるのがいいところ。
でも一つ一つの作業を自分の手と目で、丁寧に確認しながら手ごねしたパンは、もっともっとおいしく焼けるはず!
大変だけど奥が深い、手ごねパンライフを楽しみましょう。