食パンの成形、どうしてますか?
食パンの成形方法にはいくつかの種類があります。
一般的によく使われるのは、「俵形成形」と「丸め成形」と呼ばれる方法。
角型食パンに使われる成形方法で、「U字成形」というものもあります。
今回は「俵形成形」と「丸め成形」について、それぞれどんな成形方法なのかを詳しく解説。
発酵具合や焼き上がりにどんな違いがあるのか、山型食パンで比べていきたいと思います。
俵形成形と丸め成形の成形方法
今回は、ふんわりやわらかな食感の「シンプル食パン」のレシピを使用して作ります。
食パン一斤分の材料
- 強力粉…300g
- イースト…3g
- 塩…5g
- 砂糖…15g
- バター…15g
- 牛乳…65g
- 水…140g
生地の作り方は、「基本のシンプル山食」のレシピページをご覧ください。
俵形成形
- パン生地を手で軽く押さえ、空気を抜く。
- 向きを90度回転させ、生地の上部を折る。
- また向きを90度変えて、三つ折りにした生地の上からめん棒をかける。
- 生地を上から巻いていく。
- 巻き終わりはしっかりとじる。
- 巻き終わりを下にして、油脂を塗った型に入れる。
めん棒を上下にかけ、生地を伸ばす。
下からも生地を折り、中央で生地が重なるように三つ折りにする。
*その都度、生地を手で押さえて空気を抜くのがポイント。
*軽く締めながら巻くのがポイント。
丸め成形
- パン生地を手で軽く押さえ、空気を抜く。
- その後、生地を手前に引くようにして丸める。
- とじ目を下にして、油脂を塗った型に入れる。
比較してみた
二次発酵
35℃で35分間、二次発酵を行いました。
同条件での二次発酵の場合、丸め成形の方が明らかによく発酵しています。
焼成
焼き上がりの高さに差はほとんどありません。
オーブンに入れる前は丸め成形のほうが高く発酵していたので、俵形成形のほうがよく釜伸びしたといえるのではないでしょうか。
窯伸びの様子は、型から出すとよくわかります。
俵形成形のほうは、型との境目にオーブンに入ってから生地が伸びたことを示す白いラインが入っていますね。
上部の山部分に関しては、俵形成形のほうはかなり張りのある感じ。
丸め成形の方は焼き上がり後からふわふわした感じに。
時間がたつにつれてどちらもふわふわとやわらかくなり、1時間もたてば差はなくなりました。
断面
冷めた食パンをスライスした断面を見てみましょう。
俵形成形のほうは気泡の大きさが細かく、全体的にきめが整っています。
丸め成形のほうは所々に大きめの気泡が見られ、きめが整っていません。
食感
釜伸びの差が見られたので、食感のやわらかさも変わるのかと思ったのですが、そこまで大きな差を感じることはありませんでした。
俵形成形のほうは弾力があり、丸め成形のほうは歯切れがよかったように思います。
まとめ
この2種類の成形方法による違いは、めん棒を当てて空気がしっかり抜けているかどうかということが影響しているように思います。
めん棒を使って空気をしっかり抜いた俵形成形は、大きな気泡がなくなりきめが整うので、弾力がありふんわりとした焼き上がりに。
手で軽く空気を抜いただけの丸め成形は、空気が均一に抜けていないのできめがそろわず、歯切れのいい食感に。
俵形成形・丸め成形、お好みはどちら?
どちらが失敗でどちらが成功というわけではないと思います。
どんな食パンが作りたいのか。
それによって成形方法を変えていくのがいいのではないでしょうか。