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グルテンとは?小麦粉からグルテンを取り出してみた!

date
2019/08/07
writer
よーちんママ
category
お菓子作り, パン作り

グルテンを見たことはありますか?

お菓子作りやパン作りで、生地の食感などに影響する「グルテン」。

グルテンは小麦粉と水を合わせたものに力を加えるとできるといわれていますが、実際にどんなものなのか見たことはありますか?

グルテンは、こね具合・副材料・小麦粉の種類など、条件によって量や質が変わります。
今回は、さまざまな条件でグルテンを取り出してみました。

グルテンとは

グルテンとは、小麦粉に含まれるタンパク質と水が結びついてできる物質。

小麦粉に含まれているタンパク質の中でも、弾性のあるグルテニンと粘性のあるグリアジンと呼ばれるものがグルテンを形成しています。

グルテンは網目構造になっていて、よく練るほどこの網目が細かくなり、弾性と粘性も強まります。

小麦粉の分類

小麦粉には強力粉や薄力粉という種類がありますよね。
これは、小麦粉に含まれるタンパク質の量と質の違い。

強力粉

タンパク質の含有量が多く、きめが粗い。
強力粉から形成されるグルテンは量が多く、弾性と粘性が強い。

薄力粉

タンパク質の含有量が少なく、きめが細かい。
薄力粉から形成されるグルテンは量が少なく、弾性と粘性が弱い。

グルテンの取り出し方

それでは、実際にグルテンを取り出してみましょう。

材料

  • 小麦粉…100g
  • 水…50ml

方法

  1. ボウルに小麦粉と水を入れて混ぜ合わせる。
  2. 生地を手で混ぜ合わせ、ひとまとまりになったら、台の上に出して約10分間よくこねる。
  3. 水をたっぷり入れたボウルに2を入れて、ゆっくりもんでいく。
  4. 水の中で生地をもむと、白い粉が溶け出し、生地はどんどん小さくなる。
    水は白く濁るので、5〜6回水を換えながら生地をもんでいく。

    *溶け出す白い粉はでんぷんなどです。

  5. 最終的に水が白く濁らなくなるまでもむと、クリーム色のものが残る。
    この最後に残ったものがグルテンです。

グルテンを引き伸ばすと、薄く広がります。

いろいろな条件でグルテンを取り出してみた

グルテンの形成には、こね具合・副材料・小麦粉の種類などが影響するといわれています。

そこで、条件によってグルテンの量や質はどれくらい変化するのか、調べてみました。
使用する小麦粉は、全て同量です。

こね具合で比較

使用した小麦粉は、強力粉・イーグル(タンパク含有量12%)。
よくこねた強力粉とこねずにまとめただけの強力粉からグルテンを取り出し、比較。

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よくこねた強力粉

10分間よくこねた強力粉からは、39gのグルテンが取れた。

引っ張ると強い弾力がある。

こねずにまとめただけの強力粉

強力粉と水を手で混ぜ合わせてまとめただけの強力粉からは、35gのグルテンが取れた。

引っ張ると弾力はあるものの、よくこねたものより弱い。伸びは良い。

結果・考察

よくこねたほうが多くのグルテンが形成され、弾力のあるグルテンになることがわかりました。

パン作りでは、膨張する炭酸ガスをグルテンで生地の中に溜め込むことによって、ふっくらとしたパンができあがります。
しっかりとしたグルテンを形成するため、パン作りの「こね」は重要な工程なんですね。

副材料を入れた場合

塩はグルテンを強化し、油脂・砂糖・酸・アルコールはグルテンの形成を妨げるといわれています。

今回は、強力粉と水に油を加えて10分間よくこねたものから、グルテンを取り出してみました。

使用した強力粉は、イーグル(タンパク含有量12%)。
油脂を加えること以外は、上記の「よくこねた強力粉」と同じ条件です。

油脂を加えた強力粉

取り出したグルテンの重さは36g。

油脂を入れない場合と比べると、弾力が弱く、伸びも良くない。

結果・考察

油脂を入れない場合と比較するとグルテンの量が少なく、弾力と伸びも弱め。
先に油脂を混ぜると小麦粉の周りを油脂が覆ってしまい、グルテンの形成に必要な水の吸収を妨げてしまうのです。

パン作りで最初からバターを混ぜないのは、油脂がグルテンの形成に与える影響を少なくするためなんですね。

タンパク含有量の違いで比較

グルテンの量は、小麦粉のタンパク含有量によって決まるといわれています。

そこで、タンパク含有量の異なる薄力粉、「シュクレ」と「特宝笠」からグルテンを取り出し、比較してみました。

  • シュクレ…タンパク含有量9.0±0.5%
  • 特宝笠…タンパク含有量7.6±0.5%

シュクレ

取り出したグルテンの重さは37g。

引っ張ると弾力はあまりないが、伸びが良い。

特宝笠

取り出したグルテンの重さは19g

弾力はあまりなく、伸びも良くない。
引っ張ると破れてしまう。

結果・考察

タンパク含有量が多いほうが、より多くのグルテンを取り出すことができ、弾力も伸びも良かったです。

薄力粉と分類されているものであってもグルテンの量や質が異なるので、お菓子の焼き上がりの食感も異なるということがわかります。

グルテンの性質を知って、お菓子作り・パン作りを楽しもう

お菓子作りやパン作りに大きな影響を与えるグルテン。
その性質をよく知っているとお菓子作り・パン作りの失敗も少なくなるのではないでしょうか。

生地の混ぜ方やこね方・油脂を入れるタイミング・小麦粉のタンパク含有量などを意識してみてください。

【おすすめの特集】小麦粉徹底比較小麦粉徹底比較の特集はこちら
date
2019/08/07
writer
よーちんママ
category
お菓子作り, パン作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

お菓子作りが大好きな二児の母。家族がおいしそうに食べてくれるのが一番の幸せ。子どもと一緒に作れる簡単なお菓子を作ることが多いです。 

コメント

おにままちゃんさん

2023/12/07 12:51

小学校の実験?でやりましたー懐かしかったです。取りだしたグルテンをそのままオーブンで焼きましたよ。めっちゃサックサクになった記憶があります。

よーちんママさん

2023/12/16 19:55

おにままちゃんさんへ 小学校でこんな楽しい実験するんですね〜。いいですね。 グルテン焼いたらお麩になるんですよね(*´꒳`*) 私も焼いてみればよかったなぁ。今度やってみたいです! コメントありがとうございました♪

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