パリブレストを作ろう
パリブレストは、リング状に絞ったシュー生地にバタークリームがたっぷり挟まれたお菓子。
お茶をお供に食べたくなる優雅なイメージのフランス菓子ですが、実は暑い夏に縁のあるお菓子なんですよ。
今回は、パリブレストのレシピをその由来とともにご紹介します。
パリブレストの由来
1891年、フランスの「パリ」と「ブレスト」を結ぶ自転車ロードレースが開催されました。
このレースを記念して作られたお菓子が「パリブレスト」だといわれています。
バタークリームがたっぷり挟まれた、ボリューム感のあるパリブレスト。
真夏の過酷なレースに挑む選手に体力を付けてもらうため、バタークリームたっぷりのお菓子になった、という説があるんですよ。
ちなみにリング状のシュー生地は、自転車の車輪の形を模しているんだそう。
キャラメルパリブレストのレシピ
優雅なイメージのパリブレストにこんな由来があるなんて!
フランスのロードレースに思いをはせながら、パリブレストを作ってみませんか?
シュー生地を作る
工程は普通のシュー生地と変わりませんが、生地のかたさと絞り方が異なります。
ポイントを押さえて、おいしいパリブレストを作りましょう。
材料
- 水…40g
- 牛乳…40g
- 塩…ひとつまみ
- 無塩バター…30g
- 薄力粉…50g
- 卵…約2個(足りない場合は追加)
-
アーモンドスライス…6g
*なるべく形の良いものを選別する。
cotta 北海道産薄力粉 シュクレ 1kg
cotta 生アーモンドスライス 100g
TC ウィズ シリコンゴムヘラ(大)
cotta コットン絞り袋 45
孝義 丸口金 #7
下準備
- バターを細かく切っておく。
- 薄力粉をふるっておく。
- 卵を常温に戻し、フォークでほぐしておく。
-
シュー生地を絞るサイズがわかるように、ガイドを作る。
シルパンを使う場合、コピー用紙を直径18cmの円に切り、シルパンの下に入れる。
天板に直接絞る場合、直径18cmのセルクルに粉を付け、目印になるよう跡を付ける。
-
アーモンドスライスを水に浸しておく。
こうすることで焼成後、アーモンドが焦げずに良い焼き色になります。
作り方
-
バター・水・牛乳・塩を手鍋に入れて火にかけ、バターを溶かす。
沸騰直前になってもバターの形が残っていたら、火を止めて完全にバターを溶かし、再び火にかける。
*水分の蒸発を防ぐため、沸騰させる前にバターを完全に溶かすことがポイント。
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沸騰させたら火を止める。
- ふるった薄力粉を加えて耐熱ゴムベラで混ぜ、団子状にする。
-
中火で加熱しながら生地を加熱する。
*この作業を「デセシェ」といいます。
きちんと生地に火を入れてでんぷんを糊化させないと、焼いたときに生地が膨らみません。
-
加熱した生地をボウルに移し、ハンドミキサーで軽くほぐす。
ほぐした卵をフォークで2すくい分ずつ加えていき、その都度ハンドミキサーの低速で混ぜる。
生地がボウルに付くようになるまで、少しずつ加えていく。
-
生地がボウルに付くようになったら、一度に加える卵の量をフォーク1すくい分に減らす。
通常のシュー生地よりほんの少しかための仕上がりになるように、かたさを調整する。*通常のシュー生地は、生地を持ち上げたときに、逆三角形にゆっくり落ちるくらいのかたさが目安。
パリブレストは、焼成後もきれいなリング状を保つために、それよりもほんの少しかたく仕上げる。
- 丸口金を付けた絞り袋に生地を入れる。
-
下準備した直径18cmの円のガイドに沿って生地を絞り、その内側にも円を絞る。
-
絞った生地同士の接着面に沿って、円を絞る。
残りの生地は、ほんの少しカーブする程度に短く絞る。
- 円に絞った生地の接着面をフォークでなじませ、表面に卵を塗る。
-
水に浸しておいたアーモンドをのせる。
-
全体に霧吹きをして、200℃に予熱したオーブンで35~40分間、おいしそうなきつね色になるまで焼成する。
- 焼けたらオーブンから出し、生地を完全に冷ます。
キャラメルペーストを作る
パリブレストのクリームには、プラリネペーストを入れるのが定番。
ですが、プラリネペーストを手に入れるのはなかなか難しいですよね。
今回はご家庭でも手軽に作れるように、自家製キャラメルペーストのレシピにしました。
材料
- グラニュー糖…30g
- 生クリーム…30g
作り方
- グラニュー糖を鍋に入れて火にかけ、カラメル状にする。
- 生クリームをボウルに入れ、電子レンジ500Wで30秒間温める。
- 1と2を混ぜ合わせて冷ます。
バタークリームを作る
パリブレストに挟むバタークリームは、アングレーズタイプが一般的。
水分量が多く分離させないために細心の注意が必要ですが、きれいにできたときの口どけの良さとコクは絶品です。
材料
- バター…180g
- バニラビーンズ…4cm程度
- 牛乳…130ml
- 卵黄…2個
- グラニュー糖…70g
- キャラメルペースト…仕込んだ量
下準備
- バターは室温に戻しておく。
- バニラビーンズを種とさやに分けておく。
作り方
- グラニュー糖・卵黄・バニラビーンズの種をボウルに入れ、すり混ぜる。
- バニラビーンスのさやと牛乳を鍋に入れて火にかけ、沸騰させる。
- 2を1に加えて混ぜ、鍋に戻す。
-
弱めの中火で加熱し、絶え間なく耐熱ゴムベラで混ぜる。
分離しないように注意しながら、80℃まで加熱する。
- 4をこしてボウルに入れ、氷水に当てて冷やす。
-
完全に冷えたキャラメルペーストを加え、混ぜる。
-
やわらかくしたバター(18℃程度)をハンドミキサーで混ぜる。
分離しないように少しずつ6を加え、混ぜる。
仕上げ
作り方
- リング状のシュー生地を半分に切る。
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口金を付けた絞り袋にバタークリームを入れる。
カットしたリング状のシュー生地の下部分に、バタークリームを絞る。 - 短く絞ったシュー生地を2の上に並べる。
- 3の上にバタークリームを絞る。
- リング状のシュー生地の上部をのせ、粉砂糖を振る。
-
出来上がり♪
シュー生地とバタークリームには、コラムでは書ききれないほどたくさんのポイントがあります。
詳しいポイントを知りたい方は、ぜひレシピページをご覧ください。
「キャラメルパリブレスト」の詳しいレシピページはこちら。
パリブレストを楽しんで♪
優雅なイメージのパリブレスト。
真夏の過酷なロードレースのために作られたお菓子だなんて、意外ですよね。
レシピのポイントを押さえて、ぜひ作ってみてください。