詳しく知ろう!マドレーヌとフィナンシェ
魅力的なフランス菓子「マドレーヌ」と「フィナンシェ」。
日本でもとても親しみがあり、多くの人に愛されている焼き菓子ではないでしょうか。
実はこの2つ、お菓子作り初心者さんからは違いがよく分からない…というお声も多いもの。
今回は、マドレーヌとフィナンシェの違いを解説します。
ひと目でわかる!2つの違いを表で確認
まずは表にしたもので確認してみましょう。
基本的な部分を比較してみると、かなり違いますよ。
一番分かりやすい違いは形。ですが、配合(=食感と風味)も違います。
マドレーヌが全卵を使うのに対し、フィナンシェは卵白のみ。
また、フィナンシェにはアーモンドが入っていますね。
そして、どちらもバターが多く入りますが、マドレーヌには“溶かしバター”、フィナンシェには“焦がしバター”を使うのが基本です。
*どちらも、砂糖の一部がはちみつに置き換えられることもある。
ざっくりと違いを確認したところで、マドレーヌとフィナンシェそれぞれについて詳しく見ていきましょう!
マドレーヌ(Madeleine)
マドレーヌとは
マドレーヌとは、貝殻の形とぽっこりおへそが印象的なお菓子。
フランスはロレーヌ地方・コメルシーのものが有名で、やさしい甘さとふんわり香るバターの風味に、誰もが癒されるお菓子ではないでしょうか。
バニラとかんきつを使用して香り付けされることが多いですが、今ではいろいろなフレーバー・形があります。
マドレーヌの由来
マドレーヌ誕生には諸説あるのですが、有名で私も好きなお話はこちら。
ロレーヌ公スタニスラス・レクチンスキーが催したとあるパーティーでのこと。
厨房で口論となった末、出て行ってしまったパティシエの代わりに、メイドが祖母から教わったケーキを焼くことに。
ホタテの貝殻で焼いたこのケーキを大層気に入ったロレーヌ公が、その女性の名前を付けた…というもの。
パティシエ出て行っちゃうの?という驚きと共に、ちょっとフランスらしいエピソードが面白くて印象的でした(笑)。
ところで日本のマドレーヌといえば、昔は下の写真のような形のもの。
なぜかフランスの「パン・ド・ジェンヌ」というお菓子と混同され、この形がマドレーヌとして定着してしまったそう。
本物のパン・ド・ジェンヌは、マドレーヌとは違う配合のお菓子。ですが、当時の日本ではこの形でマドレーヌを焼いていたようです。
今は貝の形がすっかり主流になりましたね。
マドレーヌ型いろいろ
マドレーヌ型は、丸っこい貝の形、細長い貝の形とさまざま。
単品のものや天板のものがあり、素材もいろいろあります。
マドレーヌの作り方をおさらい
材料
全卵・砂糖(一部はちみつ)・薄力粉・ベーキングパウダー・溶かしバター・(レモンの皮)
作り方
- バターは溶かしておく。
- 全卵に砂糖(はちみつ)をすり混ぜる。
- 合わせた薄力粉とベーキングパウダーを混ぜる。
- 溶かしバターを加える。
- 生地の出来上がり。
- 生地を寝かせてから型に流す。
- 焼き上がり。
フィナンシェ(Financier)
フィナンシェとは
フィナンシェとは、薄い長方形で焦がしバターの風味が特徴のお菓子。
バターの焦がし加減で全く違った仕上がりになります。
フィナンシェも、今ではさまざまなフレーバーがありますが、この焦がしバターとの調和がポイントではないでしょうか♪
フィナンシェの由来
フィナンシェは、パリ証券取引所を取り巻く金融街にあるパティスリーで誕生したといわれているお菓子。
顧客であるビジネスマンのために“手を汚さず急いで食べられるスイーツ”として考案されたそう。
古くからあったお菓子が元となっているようですが、金融家にちなみ、金塊型で焼かれたのだとか。
配合も当時ではリッチなものだったので、イメージにもぴったりな名前ですね。
フィナンシェ型いろいろ
フィナンシェ型は基本的に薄い長方形ですが、サイズや深さがさまざま。
単品のものや天板のものがあり、素材もいろいろあります。
フィナンシェの作り方をおさらい
材料
卵白・砂糖(一部はちみつ)・アーモンドパウダー・薄力粉・バター
作り方
- 焦がしバターを作る。
- 卵白に砂糖(はちみつ)をすり混ぜる。
- 合わせた薄力粉とアーモンドパウダーを混ぜる。
- 焦がしバターを加える。
- 生地の出来上がり。
- すぐに型に流す。
- 焼き上がり。
動画でおさらい
それぞれの魅力を大切に
マドレーヌとフィナンシェの違い、いかがでしたか?
どちらも魅力的なお菓子で、アレンジもいろいろ楽しめますね。
でも、アレンジする際にはそれぞれの持つ魅力や特徴を大切にしたいもの。
好きなようにアレンジできることもお菓子作りの楽しさのひとつ。ですが、そのお菓子ならではの魅力を生かしつつ、アレンジを楽しめたらと思います。